個人旅行

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宮本常一に会いたい

2015-11-26 05:08:58 | 日記

事の始まりはヤフオクである。

私はコレクション癖があるから、宝の山の「エンタイヤ一括」というのを買った。

たしか100通で1000円くらい。

それほど期待せず、手紙の束をほぐして一通ずつ読んだ。

同じ受取人の手紙が続く。

福島県草野村(現いわき市)の某氏。

退屈しかかっていたが、とある手紙の差出人を見てぶっとんだ。

宮本常一(みやもとつねいち)。

え、まさか。

住所は東京都芝区三田綱町10渋沢子爵邸内アチックミューゼアム。

こりゃ本物だ。

民俗学の大家で全集も出ている。

ナニナニ「渋沢先生が7月19日にお宅を訪問されますのでお迎えを
お願いします。・・・ありあわせのおかずがあればよく特別のご準備はなさらぬよう」。

渋沢先生とは、当時彼が食客となっていた渋沢敬三(栄一の孫・日銀副総裁)のことだ。

これは私蔵すべきではないと判断し、ネットで売った。

結果は1万円を突破。

久々のホームラン。

続いて同じ条件のはがき5枚。

これも6000円以上。

買ってくださった方にはもちろん感謝しているが、私は次点の人に興味を持った。

別のものを私から買ったことがあるので住所は知っている。

間違いなく受取人の地元。

そこではっと思いだした。

古書業界誌で、平読書クラブ店主の追悼文を書いていた方なのでは。

こりゃ金銭を度外視してもお渡しすべきだったか。

しかしもう手遅れ。

現物は落札者に渡ってしまった。

願わくは購入者は死蔵せず、データを公開されんことを。

手紙を読みたい人はたくさんいることだろう。

本を読むよりナマナマしいから。



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