これは私が学生時代に先生から聞いたお話です。
私の何代も前の研究室の先輩の話です。たぶん30年以上前のことになるのかも。。。
ある時、学生たちが終夜(夜20時以降も残って実験をすること)をしていたそうです。
すると、誰かが、
「お腹すいたけど、ジャガイモがあるからストーブで焼いてジャガバターにして食べよう」
と言ったそうです。
研究室には、簡単なキッチンと、冷蔵庫や食器などがあり、各自簡単な食糧やお中元・お歳暮で届いた食品なんかもおいてありました。
早速、ストーブの上で焼き芋を始めた学生たち。(3~4人だったかな?)
しかし、
バターはあるけど、塩がないことに気が付きました。
「塩がないとはじまらないよね~。」「買いにいくの面倒くさい。」などと不満をこぼす学生たち。
すると別の学生が、
「そうだ薬品庫のNaCl(塩の化学記号:塩化ナトリウム)使えばいいんじゃない」
全員が、納得して、薬品庫の中のNaClを使うことに同意
早速1人が薬品庫に取りに行き、みんなで仲良く焼けた芋にバターとNaClをかけて食べました
その頃、帰宅して早々に床にはいっていた先生のもとに1本の電話がはいりました
「もしもし。〇〇大学の▲▲先生ですか?」
「はい、そうですが、どちらさまですか?」
「おたくの大学の学生4人が体調不良で大学から緊急搬送されたのですが、口から黄色い煙をだしていて、
何か薬品を飲んでしまったのですが、何の薬品を飲んでしまったかわからないので処置ができません!なんの薬品を飲んでしまったかわかりませんか?」
びっくりした▲▲先生こと、前に書いた投稿に出てきた”白衣の恐授”こと、スーさんは、
急いで大学の研究室に向かったそうです。(幸いなことに家が近かった)
すると研究室には、ジャガイモの皮と、バターと、そしてNaClと書かれているはずの薬品瓶が。。。
すぐに状況を把握したスーさんは、すぐに病院に電話したそうです。
「学生が飲んだのはXXClという物質でNaClと間違えて飲んでしまったようです。黄色い煙は、胃酸とXXClが反応して塩素がでているので、大至急胃洗浄してください!!」
そうなんです。塩の化学記号であるNaClだと思って薬品庫から持ってきた瓶は、NaCl、ではなく、別の塩化系化合物でした
(なんていう薬品かは忘れちゃいましたが)
Clしか合ってないじゃんみたいな。。。
塩と間違えて飲み込んだ学生は、胃洗浄をして、全員無事でした
その後、薬品庫には厳重な鍵がかけられ、先生か院生の許可がないと取り出し禁止になりました。
それにしても、化学の研究室の薬品庫からもってきたものを食べものにかけようなんて、
絶対ありえない話ですよ
よく、ドラマや漫画、小説などで、化学の先生がビーカーでコーヒー飲んでる、とか、
フラスコでお湯を沸かしてお茶を入れてる、なんてシーンよくありますが、
実際に化学の実験をやっている人間からしたら、普段有毒物質とか扱ってる器材で
食べ物や飲み物を食べたり飲んだりしたい、なんて絶対に思いませんから
いくら洗っているとはいえ気持ち悪いし
だからあれは面白おかしく脚色されているだけなので皆さん勘違いしないでください。
とりあえず、その話を聞いて以来、塩をみると、なんかこのジャガバターパーティーの話を思い出してしまいます
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