中学の同級生の家が取り壊された。本人は5年ほど前他界。
随分前に離婚、お子さんは独立。床屋さんはそのまま。
それが数日前からブルドーザーで取り壊し。さすが寂しい。
ベランダからの景色が変わった。
中学の時は別の町内の床屋さん。当時は成績別のグループ。
喋る事もなかった。結婚後町内の集まりで顔を合わせ驚いた。
彼のお店を利用したのは1回だけ。
長じては床屋さんが嫌いになった。人に頭を触られたくないし
顔を近づけるのでタバコの臭いが苦手だった。
私は宗教とは間を開けているが親鸞さんのお文様は好きだ。
父親の死後毎週お寺様、親戚の供養があった。読経は全く
分からないが終わりのお文様だけは心に響いた。
特に朝には紅顔なりとも夕べには白骨となれる身なりの下りは
身を詰まされた。哲学書として身近にあった。
風の頼りで多くの中学の同級生が亡くなったと聞く。
小学、高校、大学や社会人の知り合いは耳に届かない。
既に名簿の削除をお願いしたからだろう。
風前の灯、いつ消えても良い。目の前の作業が途中であっても
構わない。暮らしとはそういうもの。