話の種

新聞やテレビ、雑誌などで、興味深かった記事や内容についての備忘録、感想、考察

母の気持ち(ひととき)

2024-09-03 12:32:28 | 話の種

「母の気持ち」(ひととき)

朝日新聞の「ひととき」蘭に次のような投稿があった。

「母の気持ち」(2024年7月2日)(大学生 女性18歳)

「上京して3カ月が過ぎた。「いってらっしゃい」がないまま家を出ることに、少し慣れてきた。しかし、家事の大変さには慣れない。洗濯、料理、洗い物。家にいても、全く休んだ気がしない。
私の母は、これをパートと並行して長い間続けていたのだ。家事について、一度も母から不満をこぼされたことはない。それどころか、私が手伝っただけで「ありがとう」と言ってくれるのだ。
母は、いつも私に好きなことをしてほしいと言う。欲しいものを我慢して、毎日働いて、大学まで行かせてくれた。自分のためじゃないのに、なんでここまでできるのか。「お母さんになったらわかるよ」と笑いながら言っていた。
母は、いつも私が元気なだけで幸せだと言う。してほしいことを聞いても、いつもそう返ってくる。上京してから「たまには帰ってきてね」と言われるようになった。そんなことでいいのかと言うと、これもまた「お母さんになったらわかるよ」と言われた。
母の気持ちをわかる日は来るのだろうか。未来のことなんて考えられないくらい今を生きるのに精いっぱいだけど、大好きな母の自慢の娘になれるように、私は今日もがんばる。」

この投稿について渡辺えりさんは次のようにコメントしている。

「渡辺えりの心に残る「ひととき」(2024年8月27日)」
「思い出を胸に 年重ねわかること」

「この原稿を書いている8月15日の終戦記念日、山形の介護施設に入所している母を見舞った。認知症で赤ん坊のように笑う母は、私と弟を育てるために働き通しだった。
東京都の大学生、○○さん(18)の「母の気持ち」(7月2日)はまるで18歳の私が書いたようだ。この先、母になることのない私は、「お母さんになったらわかるよ」という言葉を永遠に抱えながら、生きていくしかない。」

先に記載した「母親の面影(男の「ひといき」)」に続き、母親についての記述となった。
昨今「母性」とか「母性本能」ということ(言葉)に否定的な意見も散見されるようになったが、そのような人たちはこれらの投稿を見てどのように感じるのだろうか。
母親の無償の愛情というのは理屈ではなく、またそれに対する私たち子供の感謝の念というのは、性別、年齢を問わず私たちが常に抱き続ける思いだと思うのだが。

 


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