賢いけどどこか意地悪な感じのカラス。昔、学生だった頃、渋谷の駅前でビルとビルの隙間にある公衆電話を使っていた時の事です。夏物のサンダルを履いていた足の甲に、いきなり何か尖ったものが刺さるような感触があり驚いて自分の足元を見ると大きなカラスが足の上にのっているではありませんか！つまりカラスの爪があたって痛かったわけです。誰と電話してたかは覚えていませんが、何が起きたのかパニックになってた私の背後には数人の人垣ができていて、みんな物珍しそうに私の足の上のカラスを覗いていました。慌てて電話を切り、足を動かしましたが、カラスはしがみつくように降りません。ふと目の前のビルの谷間の暗がりに小さな鳥の赤ちゃんが何羽か居るのが見えて、ようやく理解できました。このカラスはお母さんで子供を守るために近づいてきた私を威嚇していたのです。人垣の皆さんには多分見えないと思い「赤ちゃんがあそこにいるんだねー」と聞こえよがし言いながらその場を離れたというエピソードでした。その時から私の中のカラスに対する嫌悪感は薄らぎました。ところが最近、生ゴミを出すと待ってましたとばかりに数羽のカラスが鳴きながら近づいてきます。そして網をかけているにも関わらず、連携プレイで網を開けてゴミ袋を突っつくのです。何度破られて中身を散らかされたことやら収集車が来るまで気を許せません。それでも、もしかしたらお母さんカラスが子供の為に餌を集めているのかもしれないと思うと、やたらに追い払うのもどうなのかと思ってみたり。ウイズコロナがあるなら、ウイズカラスもありかな？