新しい生活は雑貨や食器を買うところからスタートした。
冷蔵庫や洗濯機テレビは、サムのお義母さんが買って下さった。
二人の給料合わせてやっと大卒初任給くらいだった。
私は成人して自分で稼ぎ伴侶を得て自分の人生を歩き始めた。
自分で切り開いた人生
幸せしか無いはず…
なのにいつも心の奥の方にモヤモヤとしたものがあり、
隠れてコソコソ生きているような感覚に陥った。
この感覚はこのあとしばらく何年も続いた。
おばあちゃんに新居に遊びに来てもらった。
弟も遊びに来た。
サムが小遣いをあげたもんだから、毎週遊びに来るようになった。
反抗期だったけど、親の存在がしんどい時に息抜きできる場所になって良かった。
そんな平和な生活が一変した。
私達が住んでいたのは
阪神淡路大震災の被災地になった場所だった。