お義母さんは私達の為に新しい布団と毛布を買ってくれていた。
一人で大変だったでしょう、
有り難かった。
仕事の方はと言うと
私の会社は被災してしばらく誰も出社出来なかった。
サムの会社はお義母さんのマンションから通える場所にあり、被災もしていなかったので、一週間後くらいから働き始めた。
私は会社の計らいでそこから通える支店に転勤させて貰えた。
私達のマンションは簡単に片付けただけでそのままだった。
戻ろうにも電車も動いていないし、道路も繋がっていない。
そのうち、いつもは観光客のカップルや家族連れを乗せる遊覧船が、200円で2時間かけて、被災地の港から被災していない街の港まで運んでくれるようになった。
その遊覧船でマンションに戻り必要な物をリュックに詰めて、何回か行き来した。
一人しか出入り出来ない決まりでもあったのか、、よく思い出せないが、サムと私はお互い別々の日に船に乗った。
私はよく船酔いした。
お義母さんの所に避難させて貰いひと月が経つ頃
今後の事を話し合った。
もう、マンションには戻れないのでお互いの職場の中間くらいに部屋を借りようか、
という結論になった。
その時お義母さんは47歳、今の私達より若い。
そんなお義母さんが奇妙な事を言い出した。
「全壊した人は義援金500万円貰ってるらしいわね、
これは確かな人に聞いたから間違い無いわ」
?????
全くそんな事実は無い。
息子夫婦が怪我も無かったから、事の重大さを分かってない?
仕事仲間の人に電話で
「そうなのよ〜地震でね~」とお祭り騒ぎの様な話し方も気になった。
早く二人で暮らさなければ。
このまま三人で、、、なんてなりかねない。
たまらん!