震災から3ヶ月たち、私達は見知らぬ土地で新しい生活をスタートさせた。
私達は24歳になった。
私は転勤先でも人に恵まれすぐ馴染むことが出来た。
伯母さんの家に避難していたおばあちゃんは仮設住宅の抽選に当たり、又一人暮らしに戻った。
サムは職種が変わり月に半分近く出張に行くようになった。
出張の期間はおばあちゃんの仮設住宅に泊まりに行き、そこから出社するようにした。
仮設住宅は電車のもより駅からバスを乗り継いで、バス停からも相当歩かなければならない辺鄙な所にあった。
そこから出社もだんだんと無理が出てきて、サムが出張の時は逆におばあちゃんがはるばるやって来て泊まって行くようになった。
私は仕事帰りに美味しい物を買っておばあちゃんと一緒に食べたりした。
教習所に通い、車の免許も取った。
全く知らない土地で誰にも邪魔されない生活を送る事ができた。
扶養されているという呪縛から解き放たれて『生きている』という実感が湧いてきた。
被災地を離れた後ろめたさも無くなって行った。
サムと二人で春と秋何度もディズニーランドに行った。
幸せな日々を過ごしていた。
25歳になり、私は妊娠した。。
この上ない喜び。
のはずが、違った…
後に
途轍もない悲しみ…
になってしまう。