★アフガン米軍 死者数最悪に AP通信
アフガニスタン南部で27日、武装勢力による複数の爆弾を使った攻撃で、米兵8人とアフガン国籍の民間人1人が死亡した。同国に駐留する国際治安支援部隊(ISAF)は詳細を明らかにしていない。
米兵の死者は今月に入って計55人にのぼり、2001年以来月間最悪となった。民間組織によると、駐留軍の今年の死者は26日現在で436人に上る。
★米軍の月間犠牲者、最大に=アフガン10月28日 時事通信
米メディアによると、アフガニスタン南部で27日、駐留米軍の8人が路上爆弾で殺害されたことで、10月の米軍の死者は計55人になり、2001年のアフガン戦争開戦後、最大の月間犠牲者を記録。これまで、米軍の犠牲者が最も多かったのは、大統領選挙が行われた今年8月の51人だった。
★ヘリ墜落で米兵ら14人死亡=タリバン、撃墜と主張-アフガン2009年10月26日 時事通信
アフガニスタンに駐留する北大西洋条約機構(NATO)主体の国際治安支援部隊(ISAF)は26日、同国西部と南部で同日、ヘリコプターが墜落し、米兵11人と文民の米国人3人の計14人が死亡したと発表。
墜落原因は不明だが、ISAFは声明で『敵の攻撃によるものではないとみられる』としている。
一方、反政府勢力タリバンのスポークスマンはAFP通信に対し、『NATOのヘリ3機を撃墜した』と主張した。
★<パキスタン・アフガン国境>検問所、半数以上を撤去 10月19日毎日新聞
パキスタンの有力英字紙「ニューズ」は19日、北西辺境州政府や軍部の情報として、パキスタン軍が反政府武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)との戦闘を続けている部族支配地域のアフガニスタン側国境で、米軍とアフガン軍が設けていた主要な検問所が半数以上も撤去されたと報じた。
パキスタンでの共同作戦を求めている米国が、あえてアフガンのタリバン戦闘員の越境を容易にさせたとの見方も出ている。
アフガンのタリバンを巡っては、現地語有力紙が18日、TTP支援のためパキスタン軍への攻撃参加を決めたと報道。
アフガン戦争の主戦場がパキスタン国内に移る可能性が指摘されている。
ニューズによると、撤去されたのはTTPの拠点である南ワジリスタンや北ワジリスタンなど武装勢力の活動が活発な部族地域の国境に近い8検問所。
米国はこれまで、パキスタン側に共同軍事作戦を要求。
民生支援の実施条件にした法案にオバマ米大統領が署名し、法案を受け入れるよう圧力を強めている。
アフガン国土の8割を掌握したとされるタリバンの戦闘員が大量越境してきた場合、パキスタン軍はより激しい戦闘を強いられ、国内はさらなるテロ攻撃にさらされる危険性が高まる。
一方、パキスタン軍によると、戦闘3日目の19日までに武装勢力側60人、軍側6人が死亡。
これに対し、TTP側は『軍側に大きな犠牲を与えた』とし、双方ともに戦況の優位性を主張している。
パキスタン軍は4月以降、戦場へのジャーナリストの立ち入りを禁じており、検証不可能な状態が続いている。
★パキスタンで頻発する武力攻撃 毎日新聞 2009年10月15日
10月5日 イスラマバードの国連施設を自爆攻撃。5人死亡
10月9日 北西部ペシャワルで自爆攻撃と思われる爆発。少なくとも50人死亡
10月10日 北部ラワルピンディの政府軍総司令部を襲撃。少なくとも20人死亡
10月12日 北西辺境州で政府軍車列を自爆攻撃。少なくとも41人死亡
10月15日、パキスタン東部パンジャブ州の州都ラホールで警察訓練所など3カ所の治安関連施設が一斉に武装集団に襲撃された。
直前には北西辺境州コハトの警察署前で自爆攻撃もあった。ロイター通信によると、一連の襲撃で武装集団側の10人を含む計39人が死亡。
武装勢力による攻撃は10月以降全国で計6件に上り、死者は計約150人に達している。
アフガニスタン駐留米軍の越境ミサイル攻撃で8月に死亡した、武装勢力のベイトラ・メスード最高司令官の報復や、政府軍が予定している総攻撃への牽制とみられる。
15日には警察訓練所と警察署以外に、対テロ特殊部隊訓練所とテロ捜査を担う連邦調査局が襲われた。
武装集団はいずれの施設にも徒歩で近づき、壁越しに手投げ弾を投げ込んだ後、銃を乱射しながら侵入。施設敷地内で銃撃戦となった。
武装勢力の攻撃がエスカレートしていることについて、パキスタンでの対テロ戦を重視する米国のクリントン国務長官らは「懸念」を表明しており、対パキスタン非軍事支援の条件にしている米軍との共同軍事作戦や核管理介入などの受け入れを改めて求めるとみられる。
一方、北西辺境州の州都ペシャワルで15日、政府職員官舎脇で車が爆発、幹部職員を狙った爆弾テロとみられる。
『最終局面に近づきつつあるアフガン戦争』
アフガンと、パキスタンの動きは完全に連動しています。2001年10月のブッシュ政権によるアフガニスタンでの対テロ報復戦争開始以来まる8年間が経過した。
いよいよアメリカの始めた無謀なアフガン戦争は、『最終局面』に入った模様です。
アフガニスタンと地続きだった旧ソ連は10万人の精鋭機甲部隊を侵攻させて現地イスラム武装勢力と10年間も戦った最終結果は、強力な陸軍力を誇った軍事超大国ソ連の無残な軍撤収(敗戦)であり、後に続く歴史は国内の疲弊と腐敗による実験国家ソ連の『国家崩壊』へと大きく動いていく。
対テロ戦争を開始したブッシュ政権に代わって戦争を指揮するオバマ新政権は、イラクでの戦争は『間違った戦争』だとして撤退を公約するが、『対テロ戦争の主戦場はアフガニスタンである』としてイラクとは対照的にアフガンには米軍を増派している。
ところが戦況は『増派して良くなる』はずが、目論見とは反対に『増派して悪くなる』ばかりである。
現地の駐留アメリカ軍司令官は更なる緊急『追加増派しなければ8年間の戦いが失敗に終わる』(米軍は負けている)と、際限の無い米軍増派を要求している。
全ての戦況情報は、ソ連軍侵攻8年目(80年代後半)のアフガン情勢と酷似していて、アメリカのアフガン戦争も、いよいよ避けられない最後の『最終局面』(アメリカ軍の敗北)に突入したようです。
パキスタン・アフガン国境でのアメリカ軍検問所撤去のニュースですが、西側欧米マスコミ報道どうりに、未だアメリカ軍がこのアフガン戦争の主導権を握っていると仮定すれば、
①アフガンにいるタリバンに『パキスタンの本家が危ない』と思わせて、アフガンから自発的に追い払うため。
②パキスタン軍の猛攻を避けてアフガンへの逃げ道をあらかじめ用意、そこで絡め取ろうという『ねずみ取り作戦』の、何れかの米軍の『高等作戦』?であろうと考えられる。
しかし欧米(NATO諸国)マスコミは報道ではなく大本営発表(広報・宣伝)で、真実はアメリカ軍の『負け戦』で、戦争の主導権を敵(タリバン)に奪われていると見れば別のアフガニスタン戦争の(アメリカ軍の)悲惨な戦況が考えられる。
『旧ソ連軍との類似性』
守勢と攻勢では『攻撃こそ最大の防御』との観念を信奉していた日本軍の伝統があるわれわれのような一般的な日本人の庶民感情では『攻勢側が有利』と思われているが、何と『戦争とは他の手段をもってする政治の継続である』という有名な言葉で知られているクラウゼヴィッツの名著『戦争論』によると『守勢』が有利とされている。
元々陣地を構えて待ち構えている敵軍を掃討するためには攻撃側が三倍の兵力を集中する必要があるとされているが、それ以上に重要な事柄は『戦争に勝利する為』には攻撃側が敵軍を完全に壊滅しなければならないのに対して、守る側は敵(攻る側)を撃退するだけで済む点にある、としている。
このクラウゼヴィッツの戦争論の正しさは『世界最強の軍事力』を誇るアメリカ軍が装備(戦力)が格段に劣る現地武装勢力(ベトナム軍)に敗北した『ベトナム戦争』で証明されている。
ベトナム軍がアメリカ軍の『決定的な勝利』を阻むだけで最後には『ベトナム戦争の勝利』を手にした様に、アフガンの戦争でもイスラム武装勢力は勝つ必要は無く『NATOやアメリカの完全勝利』を阻むだけで済むのです。
ソ連軍(ロシア軍)は古くからこの守勢を得意としており、当時『世界最強』と言われたナポレオンのフランス軍やナチスドイツの機械化部隊などの優秀な敵との正面対決を避け敵軍を深く待ち受ける自発的退軍と焦土作戦、守りに徹する縦探陣地により勝利を手にしていた。
ロシア軍が最も得意とした『守勢戦略』をアフガンのイスラム武装勢力に逆用されたソ連軍はアフガニスタンで10年間戦って惨めに敗北する。
ソ連のアフガン戦争の最終局面では、最早侵攻したソ連軍による現地イスラム武装勢力に対する軍事的完全勝利はあり得ない事が分かっていたので、アフガン駐留軍は『いかにして敵に勝つか』では無く『いかにして味方の損害を防ぐか』(負けを小さくするか)だけに目的が変わってしまう。
その為に味方の兵士の損害が大きい地上戦闘を極力回避して、空爆だけに頼りきる。
襲われやすい小さな検問所は全て撤去して比較的安全な(守りやすい)大きな基地だけにする。
最新兵器で武装したアフガン占領軍は基地に立て篭もり撤退までの時間を稼ぐが、これでは兵士の士気が低下するばかりで最早戦局挽回の機会はなくなっている。
アフガニスタン南部で27日、武装勢力による複数の爆弾を使った攻撃で、米兵8人とアフガン国籍の民間人1人が死亡した。同国に駐留する国際治安支援部隊(ISAF)は詳細を明らかにしていない。
米兵の死者は今月に入って計55人にのぼり、2001年以来月間最悪となった。民間組織によると、駐留軍の今年の死者は26日現在で436人に上る。
★米軍の月間犠牲者、最大に=アフガン10月28日 時事通信
米メディアによると、アフガニスタン南部で27日、駐留米軍の8人が路上爆弾で殺害されたことで、10月の米軍の死者は計55人になり、2001年のアフガン戦争開戦後、最大の月間犠牲者を記録。これまで、米軍の犠牲者が最も多かったのは、大統領選挙が行われた今年8月の51人だった。
★ヘリ墜落で米兵ら14人死亡=タリバン、撃墜と主張-アフガン2009年10月26日 時事通信
アフガニスタンに駐留する北大西洋条約機構(NATO)主体の国際治安支援部隊(ISAF)は26日、同国西部と南部で同日、ヘリコプターが墜落し、米兵11人と文民の米国人3人の計14人が死亡したと発表。
墜落原因は不明だが、ISAFは声明で『敵の攻撃によるものではないとみられる』としている。
一方、反政府勢力タリバンのスポークスマンはAFP通信に対し、『NATOのヘリ3機を撃墜した』と主張した。
★<パキスタン・アフガン国境>検問所、半数以上を撤去 10月19日毎日新聞
パキスタンの有力英字紙「ニューズ」は19日、北西辺境州政府や軍部の情報として、パキスタン軍が反政府武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)との戦闘を続けている部族支配地域のアフガニスタン側国境で、米軍とアフガン軍が設けていた主要な検問所が半数以上も撤去されたと報じた。
パキスタンでの共同作戦を求めている米国が、あえてアフガンのタリバン戦闘員の越境を容易にさせたとの見方も出ている。
アフガンのタリバンを巡っては、現地語有力紙が18日、TTP支援のためパキスタン軍への攻撃参加を決めたと報道。
アフガン戦争の主戦場がパキスタン国内に移る可能性が指摘されている。
ニューズによると、撤去されたのはTTPの拠点である南ワジリスタンや北ワジリスタンなど武装勢力の活動が活発な部族地域の国境に近い8検問所。
米国はこれまで、パキスタン側に共同軍事作戦を要求。
民生支援の実施条件にした法案にオバマ米大統領が署名し、法案を受け入れるよう圧力を強めている。
アフガン国土の8割を掌握したとされるタリバンの戦闘員が大量越境してきた場合、パキスタン軍はより激しい戦闘を強いられ、国内はさらなるテロ攻撃にさらされる危険性が高まる。
一方、パキスタン軍によると、戦闘3日目の19日までに武装勢力側60人、軍側6人が死亡。
これに対し、TTP側は『軍側に大きな犠牲を与えた』とし、双方ともに戦況の優位性を主張している。
パキスタン軍は4月以降、戦場へのジャーナリストの立ち入りを禁じており、検証不可能な状態が続いている。
★パキスタンで頻発する武力攻撃 毎日新聞 2009年10月15日
10月5日 イスラマバードの国連施設を自爆攻撃。5人死亡
10月9日 北西部ペシャワルで自爆攻撃と思われる爆発。少なくとも50人死亡
10月10日 北部ラワルピンディの政府軍総司令部を襲撃。少なくとも20人死亡
10月12日 北西辺境州で政府軍車列を自爆攻撃。少なくとも41人死亡
10月15日、パキスタン東部パンジャブ州の州都ラホールで警察訓練所など3カ所の治安関連施設が一斉に武装集団に襲撃された。
直前には北西辺境州コハトの警察署前で自爆攻撃もあった。ロイター通信によると、一連の襲撃で武装集団側の10人を含む計39人が死亡。
武装勢力による攻撃は10月以降全国で計6件に上り、死者は計約150人に達している。
アフガニスタン駐留米軍の越境ミサイル攻撃で8月に死亡した、武装勢力のベイトラ・メスード最高司令官の報復や、政府軍が予定している総攻撃への牽制とみられる。
15日には警察訓練所と警察署以外に、対テロ特殊部隊訓練所とテロ捜査を担う連邦調査局が襲われた。
武装集団はいずれの施設にも徒歩で近づき、壁越しに手投げ弾を投げ込んだ後、銃を乱射しながら侵入。施設敷地内で銃撃戦となった。
武装勢力の攻撃がエスカレートしていることについて、パキスタンでの対テロ戦を重視する米国のクリントン国務長官らは「懸念」を表明しており、対パキスタン非軍事支援の条件にしている米軍との共同軍事作戦や核管理介入などの受け入れを改めて求めるとみられる。
一方、北西辺境州の州都ペシャワルで15日、政府職員官舎脇で車が爆発、幹部職員を狙った爆弾テロとみられる。
『最終局面に近づきつつあるアフガン戦争』
アフガンと、パキスタンの動きは完全に連動しています。2001年10月のブッシュ政権によるアフガニスタンでの対テロ報復戦争開始以来まる8年間が経過した。
いよいよアメリカの始めた無謀なアフガン戦争は、『最終局面』に入った模様です。
アフガニスタンと地続きだった旧ソ連は10万人の精鋭機甲部隊を侵攻させて現地イスラム武装勢力と10年間も戦った最終結果は、強力な陸軍力を誇った軍事超大国ソ連の無残な軍撤収(敗戦)であり、後に続く歴史は国内の疲弊と腐敗による実験国家ソ連の『国家崩壊』へと大きく動いていく。
対テロ戦争を開始したブッシュ政権に代わって戦争を指揮するオバマ新政権は、イラクでの戦争は『間違った戦争』だとして撤退を公約するが、『対テロ戦争の主戦場はアフガニスタンである』としてイラクとは対照的にアフガンには米軍を増派している。
ところが戦況は『増派して良くなる』はずが、目論見とは反対に『増派して悪くなる』ばかりである。
現地の駐留アメリカ軍司令官は更なる緊急『追加増派しなければ8年間の戦いが失敗に終わる』(米軍は負けている)と、際限の無い米軍増派を要求している。
全ての戦況情報は、ソ連軍侵攻8年目(80年代後半)のアフガン情勢と酷似していて、アメリカのアフガン戦争も、いよいよ避けられない最後の『最終局面』(アメリカ軍の敗北)に突入したようです。
パキスタン・アフガン国境でのアメリカ軍検問所撤去のニュースですが、西側欧米マスコミ報道どうりに、未だアメリカ軍がこのアフガン戦争の主導権を握っていると仮定すれば、
①アフガンにいるタリバンに『パキスタンの本家が危ない』と思わせて、アフガンから自発的に追い払うため。
②パキスタン軍の猛攻を避けてアフガンへの逃げ道をあらかじめ用意、そこで絡め取ろうという『ねずみ取り作戦』の、何れかの米軍の『高等作戦』?であろうと考えられる。
しかし欧米(NATO諸国)マスコミは報道ではなく大本営発表(広報・宣伝)で、真実はアメリカ軍の『負け戦』で、戦争の主導権を敵(タリバン)に奪われていると見れば別のアフガニスタン戦争の(アメリカ軍の)悲惨な戦況が考えられる。
『旧ソ連軍との類似性』
守勢と攻勢では『攻撃こそ最大の防御』との観念を信奉していた日本軍の伝統があるわれわれのような一般的な日本人の庶民感情では『攻勢側が有利』と思われているが、何と『戦争とは他の手段をもってする政治の継続である』という有名な言葉で知られているクラウゼヴィッツの名著『戦争論』によると『守勢』が有利とされている。
元々陣地を構えて待ち構えている敵軍を掃討するためには攻撃側が三倍の兵力を集中する必要があるとされているが、それ以上に重要な事柄は『戦争に勝利する為』には攻撃側が敵軍を完全に壊滅しなければならないのに対して、守る側は敵(攻る側)を撃退するだけで済む点にある、としている。
このクラウゼヴィッツの戦争論の正しさは『世界最強の軍事力』を誇るアメリカ軍が装備(戦力)が格段に劣る現地武装勢力(ベトナム軍)に敗北した『ベトナム戦争』で証明されている。
ベトナム軍がアメリカ軍の『決定的な勝利』を阻むだけで最後には『ベトナム戦争の勝利』を手にした様に、アフガンの戦争でもイスラム武装勢力は勝つ必要は無く『NATOやアメリカの完全勝利』を阻むだけで済むのです。
ソ連軍(ロシア軍)は古くからこの守勢を得意としており、当時『世界最強』と言われたナポレオンのフランス軍やナチスドイツの機械化部隊などの優秀な敵との正面対決を避け敵軍を深く待ち受ける自発的退軍と焦土作戦、守りに徹する縦探陣地により勝利を手にしていた。
ロシア軍が最も得意とした『守勢戦略』をアフガンのイスラム武装勢力に逆用されたソ連軍はアフガニスタンで10年間戦って惨めに敗北する。
ソ連のアフガン戦争の最終局面では、最早侵攻したソ連軍による現地イスラム武装勢力に対する軍事的完全勝利はあり得ない事が分かっていたので、アフガン駐留軍は『いかにして敵に勝つか』では無く『いかにして味方の損害を防ぐか』(負けを小さくするか)だけに目的が変わってしまう。
その為に味方の兵士の損害が大きい地上戦闘を極力回避して、空爆だけに頼りきる。
襲われやすい小さな検問所は全て撤去して比較的安全な(守りやすい)大きな基地だけにする。
最新兵器で武装したアフガン占領軍は基地に立て篭もり撤退までの時間を稼ぐが、これでは兵士の士気が低下するばかりで最早戦局挽回の機会はなくなっている。
そういえば、日本も米国に同調してモスクワ五輪をボイコットしていたわけですが、この整合性のなさについて、何の説明もないですね。
米国人や日本人をごまかせても、当のアフガニスタン人をごまかすのはどう考えても無理でしょう。
地続きのヨーロッパ諸国に恐れられた無敵のソ連軍戦車隊がアフガンに侵攻したのはもう30年も前の歴史の話なのですね。
その貴重な歴史が何時の間にか忘れ去られて、アメリカはソ連のアフガン戦争の失敗を何故か他人事(過ぎ去った昔の逸話程度)と軽視して自分の現実問題とは考えなかったのでしょう。実に不思議です。
ウクライナの大平原や中央アジアの広大なステップ地帯では大活躍する無敵の大戦車軍団も急峻なアフガンの山岳地帯では行動が自ずと制限される。
19世紀七つの海を支配した無敗の『海の超大国』であった大英帝国が負けた唯一の国がアフガニスタンで、その英国の敗北の歴史を20世紀陸の大帝国ソ連は軽視して同じように無様に敗北する。
『歴史は繰り返す、最初は悲劇として、二回目は喜劇として』なら『三回目』は一体全体これを何と呼べばよいのでしょうか。?
『悲劇』→『喜劇』と繰り返していると見れば次は『悲劇』ですが、日本の世襲政治家と同じように繰り返す度にだんだん政治が劣化していると見れば『悲劇』→『喜劇』→『猿芝居』となります。
日本が『政治』を理由にボイコットしたモスクワ五輪は29年前の1980年。
開催地決定に『政治が絡んでいる』との石原慎太郎都知事発言は余りにナイーブすぎて批判する気も起こりませんが、この人物は何歳なのでしょうか。?
到底大人の会話ではない。
『政治が絡まない』ものは子供世界ならあるかも知れないが、何かを『政治的に判断する』のが大人というものです。
それにしても戦争の目的が何時のまにかイラク戦争と同じように完璧に『アフガンの民主化』すりかえられていますが、アフガン戦争はそもそもアルカイーダ掃討が目的だったのですよ。
今でのニュースにすらならないがビン・ラディンやアルカイーダは何処に行ったのか。
8年経っても正体は不明でだんだん存在が怪しくなるばかりで、一向に明らかにならないし、アメリカは明らかにする努力を放棄している。
これではやっぱりアフガン戦争はアメリカによるインチキ『猿芝居』が正解だったのでしょう。