昨日も10度を超え、それは55年ぶりの事だという。いやが上にも、地球温暖化という言葉が頭に浮かび、今年も猛暑なのだろうかと少し不安になる。
今日も品物を発送するため、コンビニへ向かった。
近所の道路は雪が溶けかけてはいるが、住宅街は日陰が多い。雪はザラメ状となり、自動車が通ったわだちが、まるで砂地の様に歩きづらい。
昨日に引き続き、除雪作業の大型重機が狭い住宅街で作業中だった。
路上に厚く積もった雪は、ひとたび溶け出すと車が埋まる厄介な雪となる。そのため路上の除雪作業は欠かせない。
作業の隙間を縫って通り抜けようと、重機が止まるを待っていると、道路脇に立っていたガタイの良い作業員の方が、「危険だったら歩道に逃げて下さい」と言った。
「はい」とは言ったものの、本来は迂回路へ促すか、重機を停止させて通行させるとか、そうすべきだよなと思った。
その時間帯は、小学生の下校時間にもかかる頃で、非常に危険だと感じた。しかしながら、土建業界も人手不足と聞くし、何とかならないものだろうかと、心はモヤモヤした。
用事を終えて帰り道、除雪作業の重機を避けて、別のルートで帰った。
その途中、若い女性たちと次々とすれ違う。若いと言っても、30代から40代の女性たちだ。
ここらへん一体は、老人の多い町なので、こんなに多くの若い女性を一度に見ることは稀だ。私にとっては新鮮な驚きだった。
みな同じ方向に流れていく、その先には中学校。懇談会か何かがあるのだろうか。
女性達は温かな日差しの下、春めいたコートを装いアクセサリーを付け、メイクも春らしく、みんなお洒落だった。
同じクラスのお母さん同士と思える人達が、何か楽しげに語り合い、笑顔で通り過ぎていく様は、まるでお花が咲いたように感じられた。
平塚雷鳥の
「原始、女性は太陽であった」
が浮かんだ。
正にそんな感じ。みんな素敵だった。
自分は暖かい日にもかかわらず、いつものくすんだダウンコートを着込み、美しい彼女らとすれ違うことに少し気が引けた。
すでに「女ではあるが、それ以外の何かとして生きる」私にとって、子育て中の彼女たちが光り輝いて見えた。
バレンタインデーということもあったのか、ことのほか楽しげであった。
「私にも、そんな時代あったよね」
忘れていた日々を思い起こさせる、彼女たちの輝きに、春を感じたのだった。
今日のバレンタインデー。年中行事をあまり重んじない我が家。先日見つけた、新発売のマロングラッセチョコレートを「この日のために」と夫の眼の前で開けて、仲良く二人で食べた。税別190円也。実に安上がりなバレンタインデーなのであった。