相変わらず前置詞で引っかかり、三人称単数のうっかりミスもあり、成長しているのかどうか…。
ダイヤモンドリーグに来てから6週目に入った。
これまでは、ただひたすら次のリーグへ昇格するために頑張ってきたが、ダイヤモンドリーグの次のリーグは無い。その代わり、降格ゾーンというものが出現した。25位より順位が下がると、前のリーグである「黒曜石リーグ」に逆戻りしてしまうのだ。
降格が何より嫌だ。
順位決定まで数時間というある日のこと。
順位を確認してみると、降格ゾーンに入っていた。驚いた私は、そこから学習を始めたのだが、リーグのメンバーも降格してはたまらんとばかりに、集中して得点を重ねている。
夕飯の時刻に差し掛かったが、安心できない状況。
その日は息子も久々に我が家に立ち寄り、一緒に夕飯を取ることになっていた。
おかずは出来上がっていた。後はいなり寿司を作るだけ。
「ごめん、今Duolingoで降格しそうで…」そう伝えて、晩ごはんを待ってもらう馬鹿な母。
リーグを一旦離れ、炊きあがったご飯を酢飯にして、いなりにご飯を詰め、Duolingoに戻った。
そんな馬鹿げた理由にもかかわらず、理解を示し?待ってくれた夫と息子。感謝。
午後7時。ギリ残留する事が出来たのだった。
ダイヤモンドリーグでは、一週間ごとに順位が確定し、また新しいメンバーでリーグ戦が始まる。そんな繰り返しの5週目での事。
ダイヤモンドリーグでは、みんな百戦錬磨のツワモノ達ばかり。みんな高得点でどんどん順位を上げていくので、これまでは上位へ行くのは無理だろうとあきらめて来た。
ところが5週目のメンバーは出足が遅かった。トップテンの得点は大差のない「どんぐりの背くらべ」だったので、これは「イケるかも!」と思ったのだ。
Duolingoには、様々なミッションがある。ほとんどのミッションは、日々学習していけば何れ到達出来るものばかりだが、その中に唯一難しいと思えるミッションが「ダイヤモンドリーグで1位になる」というもの。
これまでは、新しいリーグが始まると同時に物凄い勢いで上昇していく人が多かったので、はなから上位を目指すのは諦めていた。ただただ降格ゾーンに落ちない様に得点を保っていた。
けれども今回は千載一遇のチャンスかも知れない。それで、Duolingo中心の生活が始まった。
毎日英語を学習するというよりは、限られた時間の中で、いかにして効率よく得点を稼ぐかということが中心となった。これじゃ学習の意味が無くはないが、本末転倒ではある。けれどもこんな風にして、遂に暫定1位を獲得したのだった。
暫定2位の方はAfricanKnightさん。アイコンには、スーツ姿の肌の黒い男性の写真。ハンドルネームと写真から、アフリカの方に間違いないと思われる。小さなアイコンでは50代ぐらいのオジサンかな?と思っていたのだが、イラストを描くために拡大鏡でよくよく見てみると、2〜30代の若者みたいだ。表情も穏やかで、アフリカ人の中ではイケメンと思われる。着ているスーツも上質な感じで、キュッと締めたネクタイの形も良い。ま、そんなことはどうでもいいか…。
とにかく2位に差を付けたい一心で、暇さえあれば学習の得点を追加した。
かなりの差をつけて安心していたのもつかの間、翌日夜に1位の座をあっという間に奪取された。まだ、可能性はある!再び朝から晩まで暇さえあればDuolingo。そのかいあって、再び1位を奪還。その後も抜き返される不安にかられ、どんだけの時間をDuolingoに費やしたことか…。
ところがその翌日、AfricanKnightさんは、私が到底追いつけない得点を打ち出し、結局敢え無く2位止まりの結果となってしまった。
本来普通に学習していたら、せいぜい1学習につき15XPから25XP程度の得点だ(Duolingoでは得点の単位がXPで表示されている)。2倍でも30から50。それが一夜にして1000点以上も獲得出来るのにはそれなりの理由がある。
Duolingoは元々無料の学習アプリだが、それは多くの企業cmによって成り立っているものらしい。だから、ひと学習終わるとCMが流れ、ちょっとわずらわしくもある。
また、学習の答えを間違うと、ゲームの様に最大5つあるライフが減っていくという制限もある。
しかし、何やら“super”という課金制の契約をすると、CM もライフの制限も無く学習できるらしい。詳しいことは知らんけど。
アフリカの方のアイコンをタップすると、彼の学習状況を知ることができるのだが、やはり彼は正にそのsuperの契約をしていた。
「アンタとは真っ当な勝負がしたかったぜ、アフリカンナイトさんよぉー」
6週目のリーグが始まった。あっという間に上位に行った人たちはいずれの方もsuperだった。スーパーだらけで、1位を目指す気も失せた。
またいつか、次のチャンスを待つしかないなあ。
それにしても、誘惑の「super 2週間無料で試す」の文言が、ことあるごとに目につく。私の場合、試したが最後、契約解除の方法も分からずそのまま課金となるのでは無いかと、恐ろしくて手が出せない。けど、嗚呼気になる。
駄目だ!いやいや、真っ向勝負。“super”などの小細工はせんぞ!
頑張れ私。