ポジティブな私 ポジ人

雨の日の円山動物園

お出かけの日の天気が、降っても晴れても曇っても、私はあまり気にしない。

先日、息子の誘いで札幌円山動物園へ出かけた。その日の天候は雨。「あいにくの雨」ではなく「好都合の雨」だった。

8月にアジアゾウの赤ちゃんが生まれてからというもの、大勢の人が一目見ようと連日列をなして詰めかけていたからだ。

雨の日の動物園はやはり来園者が格段に少ない。駐車場もすいているので、息子は容易に駐車できた。
シトシトと雨が降る中を、傘を指しながら入口へ向かう。

入場料は大人800円、高校生400円。70歳以上と障害者手帳を持っている方と中学生以下が無料だ。

今回の私達の最大の関心事は、初めて見るゾウ舎と赤ちゃんゾウだ。真っ先にゾウ舎を目指す。

2007年にゾウの花子が死んでから、ゾウのいない動物園となっていた。2018年に素晴らしいゾウ舎が完成し、ミャンマーから4頭のアジア象がやって来た。それ以来、息子と見に行こうと言いながら、もはや5年ほども経過してしまっていた。

ゾウ舎が見えてくると、連日の行列を想像させる長く囲われたバリケードがあった。それを横目にスイスイと建物内へ進む。雨の日の恩恵に浴する。傘はさしてるけど(笑)。

ゾウ舎内は、それなりに人は居たのだが、十分な広さがあり見学しやすかった。
晴れの日なら、大勢の人が張り付いていたであろう大きな見学用のガラスは、嬉しい事に隙間だらけ。
ガラス越しに見下ろすと、母ゾウのパールと赤ちゃんゾウが見えた(10月22日赤ちゃんゾウの名前はタオと発表された)。




「はぁ~カワイイ!」
身悶えするように、その言葉しか出て来ない。赤ちゃんは可愛いなぁ。

私はゾウのパールも好きだ。美しいアジアゾウだ。目元が優しく、性格も穏やかそう。絶対良いお母さんだと思う。

ゾウ舎内の照明は明るくてよく見える。見学者側の照明はやや暗めだ。ゾウたちへの配慮なのだろう。

1日中でも見ていられるほどだったが、せっかくやって来た円山動物園。それも20年ぶりくらいだ。他の動物も観なくては。
また、帰りにもう一度見に来ようと心に決め、ゾウ舎を出た。

おなじみのキリンやシマウマ、エランドなど大型の動物を見る。

しばらく来ないうちに、いなくなってしまった動物も多かった。
フンを観客に投げつける事で有名だったゴリラもいなくなってしまった事を知って、寂しく感じる。

園内は新しい施設を順次整えている。新しく完成したライオン館のお披露目も控えている。また、オランウータン館の施設も現在建設中だ。
そんな事情で、ライオンもオランウータンも今回は観ることが出来なかった。

ホッキョクグマ館も昔はなかった施設だ。
水中から見学することが出来るプールがあるのだが、今日は陸地にとどまったままホッキョクグマはプールに入る気配がなかった。残念。

アザラシを見に行く。
ゴマフアザラシ。
はぁ~、顔を見てるだけで癒やされるー。

空飛ぶアザラシ!
透明なトンネルから写したもの。

鳥類も以前より数が減った様に感じる。
つい先日もカラスの死骸から鳥インフルエンザが検出されたとニュースで報じられていた。外部から容易に園内に出入りできる野鳥類は心配の種だろう。

以前はハチドリも観ることができた熱帯鳥類館には、ハチドリは既におらず、館内を歩き回っていたひょうきん者のラッパチョウも居なくて残念だった。
オオハシが最もその存在感をアピールしていた。



過去に繁殖賞を受賞した、美しいサトウチョウ。

動物園の中にある動物科学館はなかなか見ごたえのある施設だ。
アジアゾウの花子とマサイキリンのタカヨの骨格標本がある。久々に観て、再びその大きさに感動する。

科学館のホールも忘れずに観てほしい場所。ホールの壁際には多数の剥製が陳列されている。
過去の円山動物園での出来事を取り上げた懐かしい白黒写真と記事も掲載されている。
また、繁殖賞を幾度も受けた受賞プレートも壁に飾られている。
遡ると、古くは哺乳類の繁殖の受賞が多かったようだが、近年は爬虫類の繁殖賞がずらりと並んでいる。そのせいか、爬虫類・両生類館はかなり種類も数も増えているように感じた。


ガビアルモドキ。口の反り具合が面白くて思わず写真を取った。


クビナガガメ。この首の長さ!


指先ほどの大きさのカエルたち。
ちっちゃくてキレイでカワイイのだが、毒を持つヤドクガエル。この色合い。いつまでも見ていられるー。

レッサーパンダの屋内展示場があり、中へ入ると放飼という形が取られていて驚いた。





天井にレッサーパンダの渡り廊下が作られており、自由に別のエリアへと移動出来るようになっている。
見学の人間たちは床を自由に移動し、生身のレッサーパンダが仕切りのない天井を自由に行き来する様を観ることができる。
同じ空間に隔てるものなく一緒にいる状態が、とても新鮮で素敵な体験だった。

ライオンは見られなかったけれど、トラは観ることができた。ネコ科の猛獣は大きくて迫力がある。




最後にもう一度ゾウ舎へ。


雨も上がり、屋外へ出て来たパールとタオちゃん。こんなに近くで観ることが出来て感動!

現在札幌円山動物園は、タオちゃん人気で入園者が通常の2倍となっているそうだ。
なぜ円山動物園はゾウ4頭を一挙導入できたのか - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/feature/1257/
検索していて出会ったこのヤフーニュースは、現在の動物園のあり方が動物福祉を考慮し、どんどん変化していることを私達に教えてくれる興味深い記事だった。

人間の都合で動物の自由を奪っているともいえる動物園だが、動物にとってより良い環境を整えることで、少しでもストレスのない幸福な生涯を送れたら良いと思う。





コメント一覧

ポジ人
@nognogblack ノグブラックさん、コメントありがとうございます。

今回動物園で動物を観て楽しむ一方で、色々と考えさせられました。
自分が動物だったらと考えると、自由を奪われて閉じ込められるのはゴメンですよね。
nognogblack
動物園、水族館に反対する団体もありますよね。
ボクも昔は懐疑的でしたが、意外にも『魚を捕らえて食べてしまう釣り』を始めてから、魚の生息出来る川が少ない事や、絶滅のおそれのある魚、河川の環境について興味を持つようになりました。
(それまでは無関心でした。)

昔の動物園は見せ物としての意味合いが強かったようですが、現在は保護や研究、観察を目的とする以外にも動物の魅力を伝え愛情、愛着を感じて貰う意義もあるのかな?と思います。

子供のうちから子育てをするゾウの親子を見ていたら、象牙の為だけに射殺する大人になんてならない思います。

TVで観たトラや熊が、実際はどれ程大きいか?強いか?美しいか?怖いか?
知る事が畏怖や畏敬の念に繋がるような気がします。
そして知る事が、正しい判断をする上で重要だと思います。

単に『危険』でも『可愛い』だけでも無く、どのように付き合っていくべきか?

特に最近のニュースを見て思います。
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