ラインで娘にこの写真を送ったら、
「時を超えた鉄棒ツインズ」
と命名してきた。
右側は父が撮った1960年頃の私。
左側は私が撮った2000年頃の娘。
ある時、娘のアルバムを眺めながら、自分にも似たような写真があったなーと思って探してみたら、あった。
鉄棒の部分で繋げてみた。
娘と私とは40年の時の隔たりがある。
娘はツインズなどと言ってくれたけど、顔はあまり似ていない。
息子と私はよく似ていると言われるが、娘と似ていると言われた事はほとんど無い。
私の方は何と言っても顔がデカい。おまけに、父方の家系の特徴、ズングリムックリとした体型だ。
服装も昭和の典型的な少女のスタイル。
ズロースなのか?スカートから見えちゃってる。
対する娘はぷっくりとした顔だが、顔は小さく、夫に似て痩せ型だ。
娘の服装は、母にいつも「女の子なんだから、もっと可愛い服を着せてあげなさい」と叱られていたが…娘には申し訳ない。
現在娘と私の身長は、ほぼ同じだが、体重は15キロ程開きがある。
弁解がましいが、私はほぼ標準体重だ。娘が、痩せすぎ。
親子して…父も私も自分の子供の鉄棒写真を撮ったこと。
親子して…娘も私もその瞬間を写真に撮られたこと。
奇跡と言うには、少しありきたりの事だけど、時を超えて同じ年頃の娘と私が並んでいる事が、わけもなくとてもうれしい。
最近、自分の子供の頃のアルバムから、気に入った写真を何点かスマートフォンに取り入れた。
その中に、おそらくどこかの温泉宿で写したと思われる、父と私が写った写真がある。
父は温泉の浴衣の上に丹前を着て、くつろいだ表情をしている。
その父のあぐらには、同じく浴衣を着た私がスッポリお尻を据えて、微笑んでいる。
その時の記憶はないが、きっと楽しかったに違いない。
マジマジと父の顔を見た。まだ若い30代前半の父。
子供は親の顔など特別な気持ちでながめることは無い。
それを改めて気付かされたのは、1987年公開のフランシス・フォード・コッポラ監督の映画「ペギー・スーの結婚」を観た時だ。
キャスリン・ターナー演じるペギー・スーは、夫との関係があまり良く無い。
高校の同窓会に出席して、タイムスリップ。
中年の女性の記憶を持ったまま、ティーンに戻ってしまう物語。
現在までの経験値を持ったまま若返るなんて!実際そうなったら、人生も、より上手くやって行けそう、と当時の私もそんな風に思ったものだが…。
劇中、若返った主人公が自分の母親を見て思わず「ママ、若い!」と驚くシーンがある。
そのシチュエーションに、私は映画を観ながら「確かになあ」と強く印象に残った。
自分が大人になって、ある程度周囲を見渡す余裕が出てくる頃には、両親はすでに年老いているものだから。
子供の頃は写真を見ても、一番の関心事は自分が変に写っていないか、可愛く写っているか(自己ベストな写り方と言う意味で)であり、親が写っていたとしても、チラリと存在を確認する程度だ。
温泉宿での古い写真。くつろぐ若い父をながめていたら、とても父が恋しくなった。