シルバーアクセサリーの特徴の一つとしてあげられるのが時間とともにあらわれる表面の黒ずみです。
これは硫化といって、主に空気中の硫化水素と結びつくことで起きる化学変化です。
サビのように腐食させていく類のものではありませんし、銀の深みや味わいとして好まれる方も多いと思います。
しかしデザインによっては、購入時と同じまでとは言わないまでも、できるだけ輝きを保っていてほしいアクセサリーもありますよね。
困ってる方も多いようで、ネットで調べると黒ずみを取る方法の動画などもたくさん見つかりました。
普段、工房では、専用の液体クリーナーを使っているのですが、今回はおうちにあるものでできる方法を試してみたいと思います。
今回、試すのはこのアクセサリー達。
それぞれ時間とともにあちこちが黒くなっています。
そして使うのは、
・アルミホイル
・重曹
・耐熱容器
の3点です。
まず、耐熱容器を準備します。
アルミホイルをクシャクシャしてやぶけないように容器にかけます。
重曹をスプーン1杯程度、入れます。
熱湯を入れます。(150㏄くらいだったような・・ちょっと適当でした。)
スプーンでよく混ぜます。(アルミホイルを破かないように注意)
ちょっと溶け残ってしまいました。
品物を投入。
泡が出ました。
その後、お湯が冷めるくらいまで、器をゆさゆさしてみました。
もともと小傷を気にするアクセサリー達でなかったので、お互いがこすれあって、より綺麗になった印象です。
傷つけたくないアクセサリーの場合は、そっと置いておくことをお勧めします。
さて、結果です。
・真っ黒なコンチョ
Before
ここまで黒くなるとバフモーターで磨くにもそれなりに大変なシロモノですね。
After
効果大!だいぶ黒ずみが落ちました。
・何かを作った残り地金
Before
なんだったか忘れましたが磨いてない地金のようです。
After
もともとがそれなりだったのでアフターもそれなり。でも黒いの取れましたね
・いつどこで仕入れたか不明なフープピアス
Before
After
これは表面の黒ずみがあまりとれませんでした。もともと何かのコーティングがしてあった可能性もあります。
・テクスチャ入りのリング
Before
これは黒ずみというか、茶色っぽくなった程度です。
After
それなりに綺麗になりましたが、驚くほどの変化は無し。
一番変化の大きかったコンチョを、その後、シルバー用のクロス(研磨剤入)で磨いてみました。
かなりピカピカになりました。
他のアクセサリーもクロスで磨き上げると輝きが戻りました。
チェーンも黒ずみと汚れもとれて綺麗になりました。
今回のこの方法、詳しいことはわかりませんが、重曹とアルミホイルで黒ずんだ膜がはがれる反応が起きるのでしょうか。
なにしろ身近なものでできるのは良いと思いました。
ちなみに工房で長年使っているのは彫金道具屋さんで売っているスピーディップという液体クリーナーです。
こちらですと、10秒ほどで黒ずみを取ることができます。
比較のためにこちらでの処理ものせておきますね。
(検索すると、ネットでも一般に購入できるクリーナーのようですね。)
Before
こちらも真っ黒コンチョ。
After
スピーディップに10秒付けて水道水で洗ったものです。
その後、クロスで磨いたもの。
今日は、シルバーの黒ずみを取る方法を試してみました。
最後に注意点です。
石の入っているもの、メッキの入っているもの、他の素材と合わさっているものなどは、今回のような処理はできません。
また、あらかじめ部分的、あるいは全体的に黒く変色させた古美仕上げのものなどは、デザインの風合いを壊してしまう可能性がありますのでお勧めはできません。
そして、長年、愛着を持ってこられ、深みを増してきたと感じられるシルバーアクセサリーなどについては、シルバー用の磨きクロス(100均などにもあったりします)で、様子をみながら磨いていったほうが、ご希望の風合いで止めることもできるかと思います。
お持ちのアクセサリーのスタイルに合わせて、メンテナンス方法をお選びいただき、シルバーアクセサリーを長くかわいがっていただけたら嬉しいです。
ジュエリーTABITHA