BEAST SIDE 1

ジュエリーアーティスト太田マリ(タバサ)です。工房からの制作風景、プライベートでやってるロックバンドの話も少しだけ。

シルバーアクセサリーの黒ずみを取る方法(おうちにあるもの使用)

2021-03-31 15:14:04 | リペア、お手入れ
シルバーアクセサリーの特徴の一つとしてあげられるのが時間とともにあらわれる表面の黒ずみです。

これは硫化といって、主に空気中の硫化水素と結びつくことで起きる化学変化です。

サビのように腐食させていく類のものではありませんし、銀の深みや味わいとして好まれる方も多いと思います。

しかしデザインによっては、購入時と同じまでとは言わないまでも、できるだけ輝きを保っていてほしいアクセサリーもありますよね。

困ってる方も多いようで、ネットで調べると黒ずみを取る方法の動画などもたくさん見つかりました。

普段、工房では、専用の液体クリーナーを使っているのですが、今回はおうちにあるものでできる方法を試してみたいと思います。




今回、試すのはこのアクセサリー達。
それぞれ時間とともにあちこちが黒くなっています。





そして使うのは、

・アルミホイル
・重曹
・耐熱容器

の3点です。



まず、耐熱容器を準備します。






アルミホイルをクシャクシャしてやぶけないように容器にかけます。






重曹をスプーン1杯程度、入れます。






熱湯を入れます。(150㏄くらいだったような・・ちょっと適当でした。)






スプーンでよく混ぜます。(アルミホイルを破かないように注意)
ちょっと溶け残ってしまいました。






品物を投入。
泡が出ました。





その後、お湯が冷めるくらいまで、器をゆさゆさしてみました。
もともと小傷を気にするアクセサリー達でなかったので、お互いがこすれあって、より綺麗になった印象です。
傷つけたくないアクセサリーの場合は、そっと置いておくことをお勧めします。




さて、結果です。

・真っ黒なコンチョ

Before
ここまで黒くなるとバフモーターで磨くにもそれなりに大変なシロモノですね。




After
効果大!だいぶ黒ずみが落ちました。







・何かを作った残り地金
Before
なんだったか忘れましたが磨いてない地金のようです。




After
もともとがそれなりだったのでアフターもそれなり。でも黒いの取れましたね





・いつどこで仕入れたか不明なフープピアス
Before




After
これは表面の黒ずみがあまりとれませんでした。もともと何かのコーティングがしてあった可能性もあります。





・テクスチャ入りのリング
Before
これは黒ずみというか、茶色っぽくなった程度です。



After
それなりに綺麗になりましたが、驚くほどの変化は無し。






一番変化の大きかったコンチョを、その後、シルバー用のクロス(研磨剤入)で磨いてみました。




かなりピカピカになりました。




他のアクセサリーもクロスで磨き上げると輝きが戻りました。
チェーンも黒ずみと汚れもとれて綺麗になりました。





今回のこの方法、詳しいことはわかりませんが、重曹とアルミホイルで黒ずんだ膜がはがれる反応が起きるのでしょうか。

なにしろ身近なものでできるのは良いと思いました。




ちなみに工房で長年使っているのは彫金道具屋さんで売っているスピーディップという液体クリーナーです。
こちらですと、10秒ほどで黒ずみを取ることができます。
比較のためにこちらでの処理ものせておきますね。
(検索すると、ネットでも一般に購入できるクリーナーのようですね。)




Before
こちらも真っ黒コンチョ。



After
スピーディップに10秒付けて水道水で洗ったものです。



その後、クロスで磨いたもの。





今日は、シルバーの黒ずみを取る方法を試してみました。

最後に注意点です。

石の入っているもの、メッキの入っているもの、他の素材と合わさっているものなどは、今回のような処理はできません。

また、あらかじめ部分的、あるいは全体的に黒く変色させた古美仕上げのものなどは、デザインの風合いを壊してしまう可能性がありますのでお勧めはできません。

そして、長年、愛着を持ってこられ、深みを増してきたと感じられるシルバーアクセサリーなどについては、シルバー用の磨きクロス(100均などにもあったりします)で、様子をみながら磨いていったほうが、ご希望の風合いで止めることもできるかと思います。

お持ちのアクセサリーのスタイルに合わせて、メンテナンス方法をお選びいただき、シルバーアクセサリーを長くかわいがっていただけたら嬉しいです。



ジュエリーTABITHA



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大河ドラマ館にて「しぶさわくん」メタルプリントプレート販売中

2021-03-11 13:30:53 | 渋沢大河ドラマ館おみやげ館
渋沢x北区飛鳥山おみやげ館には、TABITHAからもう一品「銀のしぶさわくん」プレートキーホルダーを出
品しています。



こちらは当工房でシルバー950の板から加工しているメタルプリント商品で、渋
沢栄一をなんとも愛らしくしたキャラクター「しぶさわくん」を刻印したもので
す。




この「しぶさわくん」、東京北区観光協会のオリジナルキャラクターで、彼をプ
リントした北区コミュニティバスもあり、渋沢栄一の街、王子界隈を現在か
わいらしく走り回っております。




今回、こちらのキャラクターをシルバー950製メタルプリントプレートとして作
らせていただきました。
素材、制作過程等、通常のメタルプリントプレートと全く同じで、本格派のシル
バータグとして長くご愛用いただけるものとして仕上げました。
おみやげ館にてお手に取っていただけたら嬉しいです。






「しぶさわくん」はLINEスタンプも発売中です。
私も買いましたが、結構使いやすく、トークで多用しております。
ご興味がありましたらぜひぜひ!


ジュエリーTABITHA

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さくらぴあすと渋沢栄一”青天を衝け”大河ドラマ館

2021-03-03 17:04:08 | 渋沢大河ドラマ館おみやげ館
今年の大河ドラマ「青天を衝け」は渋沢栄一の生涯をつづったものですが、地元、東京北区王子は渋沢さんが住まわれた街で、2月にドラマ放映に合わせ大河ドラマ館がOPENしました。

こちらのお土産館に飛鳥山のお土産としてTABITHAの品物を置いていただくことになりました。


こちらが飛鳥山公園内にできた「渋沢x北区 青天を衝け大河ドラマ館」です。




そして、今回出品させていただいたのがこちらの「さくらぴあす」です。






私は北区の王子周辺に住んで35年ほどになります。

飛鳥山もとても馴染み深いところで、桜の季節には毎年必ずといっていいほど美しい花々を見に立ち寄っています。

飛鳥山のお土産館への出品ということですぐにイメージが膨らんだのが、美しくやわらかなさくらをモチーフにしたピアスでした。







シルバーの良さを生かしたものを作りたいと思って、今回はキャスト(鋳造)ではなく、シルバー950の地金から切り抜いてつくることにしました。





やさしい花びらのやわらかなカーブはたたいて成型します。






表面はつやを消して白仕上げにしました。




花のおしべはタガネで表現してみました。












大河ドラマ館近くの、こちらのお土産館にてお取り扱いいただいてます。(¥4,180税込)



またCreemaでの販売も開始しましたので、ご興味がございましたらぜひ。

さくらぴあすCreema販売ページ


今回、北区観光協会の方にもたいへんお世話になり、地元の皆様と一つの大きな”もの作り”に参加させていただくことができ、たいへん嬉しかったです。

引き続き、よい品物を作ってこちらへお持ちしていこうと思っています。




ジュエリーTABITHA

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メンズリング空枠(からわく)に石を合わせてみました

2020-11-25 11:33:00 | オリジナルジュエリー
TABITHA(タバサ)のメンズリングの空枠です。

留めたい石があったので一本仕上げました。




ボリュームもあり、しっかりした質感のオリジナルリングで、このあと、黒いぶし仕上げを入れていきます。




ちなみにこのリングは原型からゴム型をつくり、そこにワックスを流すことで同じものを何個も作るという方法で製作しています。(キャスト製法)

これがゴム型というものです。




そしてシルバー925でキャストしたものがこちらです。





さて、今回、この枠に留めたかったのはラブラドライトという石(右)です。




こんな感じで、渋くかっこよく、ちょっと憂いもある感じになる予定ですが・・。




ちょっと遊び心で、手持ちのルベライトを合わせてみました。



ピンクの鮮やかな石でごつめなシルバーリングにはどうかな?と思いましたが、結構いけてますね。




残念ながら、大きさがちょっと合ってないので、このままこの枠に留めるのは無理なようです。



枠と石の間にけっこう隙間があるのがおわかりいただけるでしょうか。


この枠に上のルベライトを留めるのでしたら石座(石の入る部分)だけ、別にもう少し小さく作る必要がありそうです。


今回は、やはり、このラブラドライトで。



ひとつの空枠に違う石を合わせるのも、枠の表情がいろいろ変わって面白いですね。




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シルバーの地金吹き

2020-11-13 16:16:16 | 金属一般
シルバーアクセサリーを制作するとき、当然、銀の地金を用意するわけですが、ひとことで地金といってもいろいろな形があります。

厚みが1㎜とか2㎜とかの板状のものもあれば、縦2㎜x横5㎜で長さが80㎜の角棒だとか、直径6㎜で長さ50㎜の丸棒だとか...。

作りたいジュエリーによって、無駄が少なく、またできるだけ手間も少なくすむように考えて地金を用意するわけですね。

その地金を叩いたり伸ばしたり、ひっぱったり曲げたり、切ったり削ったり...。

そしてロー付けして組み立てていって一つのジュエリーを制作していくわけです。


さて、今日は地金吹きのお話です。

ジュエリーを制作する際に使いやすい形の地金を用意するため、一度地金を溶解し、型などに流し成型することを地金吹きとよんでいます。

私はキャスト(ワックス等で原型を作って型をとり、地金を流し込んで制作する方法)で制作することも多いので、ブログ記事にはその話題も多いのですが、今回は、昔ながらの地金吹きの様子ご紹介したいと思います。


こんな風にバーナーであぶって高熱で溶かし、横にある型に流し込んで、欲しい形を作る作業です。







今回は、板地金を切り抜いた残りの部分を集めて溶解し、下のような一本の丸い棒にするところを動画にまとめてみました。





半端な形の地金が溶けてひとまとまりになったところに、硼砂を入れ、黒鉛棒で不純物を取り除きます。

溶けた銀地金はドロドロの溶岩みたいになりますが、型に入れたとたんに冷えて固まります。

硬いはずの金属ですが、溶けるとまったく違う表情をみせるので、とても興味深いです。

2分程度の動画なので、よろしければご覧くださいね。


シルバーの地金吹き




できあがった丸い棒は、ひっぱってもっと細い棒(線)にしていったり、つぶして平たくしていったり、いろいろな形に加工していきます。

そんな様子もまた、それぞれ面白い動画になるかと思うので、またうまく撮れたらご紹介したいと思います。






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盛りワックスで制作した一点物リング

2020-11-05 10:51:44 | オーダーメイドジュエリー
今回、盛りワックスという手法で一点物リングを作らせていただきました。

まず、完成品はこちらです。





デザインは、TABITHAで5~6年前から販売している「隠し文字のリング」というセミオーダー型のリングからの展開です。

「隠し文字のリング」は、お客様からのご要望の文字(通常8文字くらいまで)をフリーハンドでデザインし、ワックスを盛って制作したオーダーリングで、全体的に空間を多くとった、遊びの多いデザインで作らせていただいています。

こちらが「隠し文字のリング」です。






今回はこのリングと同じ手法を使って、重厚感のある一点物を作らせていただきました。



リング一周全体に文字をデザインし、幅と厚みをしっかりつけたメンズリングです。




では、制作の様子をご紹介しますね。

基本的には隠し文字のリングと同じ手法です。

まずは紙に文字をデザインし、リングサイズに合わせた棒の上にセッティング。



ここにワックスペンでワックスを盛っていきます。



通常の「隠し文字のリング」は空間も多くとり、全体に軽めに作っていますが、今回はしっかり感のあるものを目指したので、ひたすら厚めにワックスを盛っていきました。



立体感もでてきました。





盛りワックスができあがったら、裏側を仕上げ、ワックス原型の出来上がりです。






その後、シルバー925でキャストします。





キャスト後、ヤスリや電動工具で仕上げていきます。

盛りワックスの場合、どうしても細かなところにバリが残ってしまうこともあるので、それらを削り取り、全体をなめらかに仕上げていきます。

また、リングの内側は、ワックスを盛っただけだとコバの立ちがきついので、ヤスリやキサゲ等でアールをつけていき、装着感がよくなるように整えていきます。

全体が仕上がりました。





いよいよ最終段階。

一度全体を古美仕上げし、真っ黒に。





その後、バフで磨き上げて完成です。



バフで磨くことで黒みが取れて銀の輝きが戻る部分と、黒く残る部分とのコントラストが出てきます。

この時にも重厚感を出すためのコツがあり、コバの部分などは特にしっかり磨いてあげると立体感も出て、良い仕上がりになると思います。




盛りワックスで作っていく造形は、削り出していく造形とまた違う難しさがありますが、その反面、重ねていけるという自由度もあります。

今回の制作も、最初に隠し文字のリングを作った時とは違う発見がたくさんあり、とても楽しかったです。

溶かす際のワックスの温度や、ワックスそのものの種類など、まだまだ研究すべきところは山ほどあって、楽しみは尽きないというところでしょうか。



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総手彫りバングル製作

2020-09-14 14:35:25 | バングル
1センチ幅のバングルに、ぐるっと一周模様を彫りこんだTABITHAの総手彫りバングル。

先日、新たにご注文をいただきまして、製作させていただきました。





こちらが彫る前のベースのバングル。
地金をしっかり叩いて丸め、表は梨地仕上げ、裏面は鏡面に磨き上げて作っています。





TABITHAのバングルは、一本の地金の状態から彫りあがりの完成まで、ひとつの工房にて丁寧に作らせていただいています。

彫りあがったばかりのものを、今回動画に撮ってみました。

総手彫りバングル



完成品はぴかぴかととてもきれいですが、ご愛用いただくうちに全体がなじんでいき、銀の持つあたたかみと深みがでてまいります。

本革のかばんなどと同じように、持ち主の方と時を刻むうちに、どんどん味わい深くなっていくのも銀の持ち味です。

末永く愛着を持っていただける、そんなバングルを今後も作っていきたいと思っています。




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総手彫りバングル(クリーマ)

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バングルの付け方

2020-08-11 14:50:42 | バングル
暑い夏に映えるアクセサリーの一つにバングルがあります。

ブレスレットよりもクールでかっこいい印象のバングルですが、うまく手が通らない、付けるときに痛い、という方もいらっしゃると思います。

今日はバングルの付け方のちょっとしたコツをご紹介しようと思います。


バングルは、付け外しの際に広げたり締めたりしないのが基本です。

付け外しのたびに広げたり締めたりを繰り返してしまうと、金属疲労を起こして折れてしまうこともあります。

そうならないように、以下の写真をご参考に試してみてください。





手首から3~4㎝くらい下、筋が2本通っている横(小指側)のあたりに押されてもあまり痛くないところがあります。




そのあたりにバングルの端をあてます。





こんな感じです。






そして、少し押しながら・・・・





くるっと回し入れます。






出来上がり。







いかがでしょうか。

比較的スムーズに付けられるのではないかと思います。

外す時には、これの逆をやってみてください。

慣れてしまえばわりと簡単に付け外しができると思います。



写真のバングルはこちら。


シルバー950プレーンバングル



このバングルの外周は16.5㎝、開きの部分は約3㎝で作りました。

付けてみると開きの部分はこんな感じです。





今日は、バングルの付け方のコツをご紹介しました。


バングルにも細いものや幅広のもの、また素材も金属だけでなく木製や樹脂製など、そしてデザインもさまざまです。

今まであまりお付けにならなかった方も、この夏ぜひ、バングルに挑戦してみてはいかがでしょうか。




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オーダーメイドリング「MMXX」製作工程その2

2020-08-05 10:32:07 | オーダーメイドジュエリー
前回、ワックス原型が完成したところまでを書きました。

今回は、ワックス原型をキャスト屋さんに出して、シルバー925で鋳造してもらったところからです。


鋳造されたものがあがってきました。

いつもどおり真っ白です。




これをヤスリやキサゲ、電動工具などを使って仕上げていきます。

リングはサイズの指定があるので内側の仕上げにもかなり気を使います。

仕上げていくうちに削られてオーバーサイズになってしまうといけないので、私の場合、少しサイズを小さめに見積もってWAX原型を作っています。

キャストでは少し縮みもでるのでその分も見込みます。

仕上げの作業ができるだけ少なくてすむようにギリギリを狙いたいのですが、なかなかそれが難しく、今回も少し小さめサイズであがってきたので、文字を彫っていない後ろ側の地金をたたいてサイズ決めを。

充分厚みもあるリングですので、たたいて少し延ばして、うまくサイズが決まりました。




内側が決まったら表面の仕上げをしていきます。


オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(ヤスリ)



上の動画はヤスリの作業。



下はキサゲという道具を使っています。
キサゲは、地金がつつつっと切れていくのが気持ちよい道具です。

オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(キサゲ)



目の細かなペーパーなども使って全体を仕上げた後、バフモーターでぴかぴかつるつるに仕上げます。


仕上がりました。





オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(黒上げ前)




今回は、文字部分のへこんだところを黒くいぶし仕上げにしようと思っていました。

シルバーの場合、白いイハダ(キャスト上がりそのままの表面)もきれいでステキなのですが、今回はカッコいいシルバーリングに仕上げたかったので、薬品をつかっていぶし仕上げをしました。



完成です。






シルバーは時間とともに色が黒ずんできて、深みのある銀独特の重厚感が出てきます。

今回のリングも完成直後はいぶしをいれた黒い部分とぴかぴか部分のコントラストもくっきりしていますが、長くご使用していただくうちに色めも落ち着いて深みがでてくると思います。

また、普段使いで小傷がはいっていくことにより、あたたかみが増し、愛着がわいてくるのもシルバージュエリーの良さです。



オーダーメイドリング「MMXX」完成




箱に入れて完成、無事に納品がすみました。





「2020をリングに刻みたい」というご希望をうかがった時は、その思いをちゃんと形にしてさしあげられるかけっこう不安でした。

しかし作り終えてみれば、このコロナ渦の中で工房にこもって、とても楽しい製作ができました。

お友達もたいへん喜んでくださって、心からホッといたしました。


この先、日本が、世界がどうなっていくのか今まだ読めませんが、幸いにも私の仕事は仕事場にこもって人と会わずにできることなので、落胆せず、コツコツと物つくりをしていこうと思います。





今回のリングをご依頼いただいたお友達のお店「ハンダヒロコ」はこちらです。

Smily Bar ハンダヒロコ

(現在はコロナ渦の中での時短営業となっていますので、営業時間等ご注意ください。)



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オーダーメイドリング「MMXX」製作工程その1

2020-07-29 14:07:12 | オーダーメイドジュエリー
2020年、とんでもない年になってしまってますが、そんな中いただいたオーダーメイド。

今年の春先、お友達で四谷の荒木町でステキなバーを営んでいる女性から
「こんな状況を忘れないためにリングつくってほしいなー」
と、オーダーのご相談をいただきました。

この方とは10数年のお付き合いになりますが、いつ会っても気兼ねなくお話のできる、とても大切なお友達です。

すでに社会全体もどんどん不安に覆われてきていて、彼女のお店もしばらくお休みせざるを得ない状況でした。

そんな中での彼女のオーダーは
「毎日つけていられて、2020が入ってて、見たら苦しい今を思い出せるようなリング」
でした。 


デザインについては、「アイデアあれば教えて~」とのこと。
サバサバとしていてかっこいい彼女のイメージと、2020を組み合わせて次のようなラフスケッチをご提案しました。




2020は、そのまま入れたのでは、ちょっとどうかなぁ~と思ったのでローマ数字にしてみました。

ラフスケッチをひと目見て「かっこいい。これで。」とデザインは即決。


さっそく製作にはいらせていただきました。




ワックスで、まずはベースの形を。
普段使いしていただけるよう高さを出しすぎず、段差のある部分もできるだけひっかかったりしにくいようにラインをまとめました。



オーダーメイドリング「MMXX」ワックス原型制作



ベース部分完成。




ベースが完成したら、次は文字を彫っていきます。


オーダーメイドリング「MMXX」ワックス制作


今回の文字彫りの部分は、大小2本のタガネで掘り出しました。

彫りが浅すぎるとよわよわしくなりますし、深すぎるとなんとなくセンスが悪い感じになってしまいます。

ちょうどよい深さめざして、こつこつと・・・(笑)

文字の下の部分は黒くいぶし処理をする予定なので、かっこよく黒がはいるように細かな荒しをいれました。

よい感じでしょうか。





今回のデザインは幅広なので重量がつきすぎる可能性があります。

重すぎると装着感もよくないので、少し裏抜き(リングの内側をフォルムに合わせて削り取る処理)をしました。




ワックス原型できあがり。






これを、キャスト屋さんに出して、シルバー925で鋳造してもらいます。

鋳造から完成までは、次の記事に書きますね。

お楽しみにしてください。




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