18世紀に書かれた物語なのですね。
21世紀になっても、名作の魅力は色褪せません。
獅子の顔を持つ男… 向かい合っているだけで怖いです。
心優しき少女の名はベル…
ベルを待ち受ける野獣とは…?
相変わらず美麗な挿絵です。すごく豪華な感じです。
商人である父親が事業に失敗して、ベルたちは粗末な家に住むことに…
しかし、ベルは一生懸命に洗濯や炊事をするのでした。
また、自分で畑を作って、野菜を育てたりもしました。
そんなベルを見ても、姉たちは嘲笑うだけです。
さて、不慣れな生活が始まってから一年が過ぎた頃です。
ベルたちの父親に一通の手紙が届きました。
『あなたが数年前に仕入れた品物を積んだ船が港に着いた』と書いてあります。
商人は全てを失ったわけではなかったのでした。
それらの品物を売れば、また裕福な生活に戻れるはずです。
『お金が入ったら、私は絹のドレスが欲しいわ』
『私は毛皮のマフラーよ』
二人の姉は好き勝手なことを言っています。商人はベルに聞きました。
『ベル、お前は何が欲しい?』
ベルは小さな声で『薔薇の花を一輪だけ…』と答えました。
商人は港を目指して出発します。
しかし、港に着いてみると、商人の品物は無くなっていました。
商人は多額の借金を抱えていたので、取り上げられてしまったらしいのです。
肩を落として帰ろうとすると、空が暗くなってきます。
瞬く間に大粒の雨が降ってきました。嵐です!
商人は必死に馬を走らせましたが、森の中に迷い込んでしまいます。
『このまま死んでしまうのか…』
そう思ったとき、森の奥に小さな光が見えたような気がしました。
商人は手綱を握ると、光の方へ馬を走らせます。
しばらく行くと、大きな城が見えてきました。
馬小屋には秣が用意され、部屋の中には暖炉があります。
そしてテーブルには温かい料理が並んでいました。
商人は料理を食べると、ベッドの上に転がりました。
そして朝まで眠り込んでしまいます。
翌朝、目を覚ますと、汚れた自分の服の代わりに、
豪華な服が置いてありました。
商人は着替えると、城の人を待ちましたが、誰も現れません。
『申し訳ないが、帰らせてもらおう』
商人は馬小屋の方へ向かいます。庭には見事な薔薇が咲いていました。
『そういえば…』
ベルとの約束を思い出して、商人は薔薇を摘み取りました。すると…
野獣の顔を持つ男が現れました!!
『お前は何という恩知らずだ! 私はお前を城へ迎えてやった。
温かい料理とベッドも用意してやった。
それなのに、私が大事にしている薔薇を盗もうとするとは…』
『申し訳ありません。娘のことを思えばこそ…』
『娘だと!?』
商人の言葉を聞いた野獣は言いました。
『ならば、代わりに娘の一人を連れてくれば、許してやろう。
だが、三ヵ月以内に戻ってこい』
商人は城を出て、娘たちの待つ家に帰りました。
そしてベルに薔薇を渡すと、野獣のことを話します。
『ベル、あなたが薔薇なんか頼んだせいよ!』
『どうするの!?』
二人の姉がベルを責めます。ベルは答えました。
『わかりました。私が野獣の城へ行きます…』
商人とベルを乗せた馬は、野獣の城へ向かいます。
城に着くと、二羽の小鳥が商人とベルを出迎えました。
小鳥たちはベルの周りを飛び回ります。『どうぞ』とでも言うように…
不思議な力に引き寄せられ、ベルは城に入ります。
部屋の中には美しいドレスが置かれていました。
『ベル、そのドレスに着替えなさい』
小鳥たちに言われるままに、ベルはドレスを着ました。
そのとき、恐ろしい音が響いたかと思うと、あの野獣が現れたのです!
『ベル、お前は父親の命令でやってきたのかね?
それとも自分の意思でやってきたのかね?』
『私は自分の意思で来ました』
ベルの言葉を聞いて、野獣は商人に言いました。
『明日の朝、お前は一人で帰るのだ。心優しい娘に感謝するんだな』
商人は言われた通りにしました。
ベルは野獣の城で過ごすことになりました。
『神様、私をお守りください…』
涙が頬を伝います。
『いいえ、私自身が勇気を出さないと…』
ベルは自分自身を励ますように独り言を言って立ち上がると、
美しい泉の前に腰を下ろします。
お昼になれば、野獣とベル以外に誰もいないはずなのに、
広間には食事が並んでいました。
夕食の時間にも同じように、テーブルには料理が置かれているのでした。
ある日の夕食のときです。野獣はベルを見つめながら言いました。
『ベル、私の妻になってくれないかね?』
『えっ!?』
ベルは驚いて野獣の顔を見つめました。
断ったら、野獣は怒るかもしれない。しかし…
『それは無理です…』
『……』
ベルが答えると、野獣は静かに広間を出ていきました。
それから数日後のことです。城にある魔法の鏡にベルの家が映りました。
ベルの父親である商人が病気で倒れてしまったようです。
『今回限りです。一週間だけでいいんです。
私を父の所へ行かせてください』
ベルは野獣に懇願しました。
『どうしても行くのだね。じゃあ、行っておいで。
ここへ戻りたくなったら、この指輪をテーブルの上に置くのだよ。
必ず七日以内に帰ってきてくれ』
指輪を受け取ると、ベルは寝室で眠りに就きました。翌朝、目が覚めると…
ベルは懐かしい我が家の前に立っていました。
商人は寝込んでいましたが、ベルの顔を見た途端、元気を取り戻します。
二人の姉はベルの着た服を見て驚きました。
『見事なドレスだと思わない?』
『ベルは幸せなんだわ。だけど、なぜ野獣はベルを殺さないのかしら』
『確か野獣との約束は七日だったわよね』
『できるだけベルを長く引き留めておきましょう。
期日を守らなければ、ベルは野獣に殺されるわよ』
姉たちは野獣にベルを殺させるために、無理に優しくしました。
そのせいで約束の日が来ても、ベルは城へ戻る気にはなれません。
しかし、野獣のことが気掛かりなのでした。
『私が帰ってこないので、あの野獣は悲しんでいるに違いないわ…』
その夜、ベルは泣きながら目を覚ましました。
野獣が小川の近くにある草村に倒れている夢を見たのです。
『私って、何て恩知らずなの…』
ベルは城へ戻ろうとしましたが、指輪が見当たりません。
意地悪な姉たちが隠してしまっていたのです。
『ああ、どうしたら…』
ベルは泣きじゃくり、いつの間にか眠ってしまいました。
ところが、目が覚めたとき、ベルは城の中の美しい広間にいたのです。
『いつの間に…?』
ベルは急いで庭へ行きました。
野獣は小川の近くの草村に倒れていました。夢で見た通りです。
ベルは夢中で駆け寄ると、野獣の胸に手を当てました。
『まだ動いている。きっと助かるわ』
ベルは小川の水を野獣の顔に浴びせました。
『うう…』
野獣が目を開けました。
『ベルだね。ああ、やっと戻ってきてくれたのか。
お前が留守の間に私は生きる望みを失ったんだよ。
だけど、死ぬ前に会うことができた。もう思い残すことは…』
ベルは泣きながら叫びました。
『私は優しいあなたが好きです。死なないで!』
すると、不思議なことが起こりました。
野獣の倒れていた草村に凛々しい王子が立っていたのです。
『ベル、ありがとう!』
城に美しい音楽が流れ出しました。
『あなたは…!?』
ベルが聞くと、王子は優しく微笑みながらベルを見つめました。
そして今までのことを話すのでした。
『私は恐ろしい魔法で野獣の姿にされてしまったのです。
しかし、あなたのおかげで魔法は解けました。
ベル、私の妻になってください』
『はい、喜んで!』
ベルは王子の告白に答えると、両手を差し出しました。
『ベル、あなたの優しい心は決して忘れません』
『姿や形ではなく、心の美しさこそが真実だと思います。
野獣の姿だったときも、あなたは私に乱暴なことをしなかった…』
『ベル…』
王子はベルを抱き締めました。二人は結婚して、幸せに暮らしたそうです。
夏に頑張っていないと、冬に苦労するという話…
都会と田舎… どちらに住むのがいいのか…
食べられるリスクを負いながらの診察…
狐には飲みづらい容器…
ああっ、ミルクの壺が!
もう少しで届くのに…
どれだけ食べたのでしょうね。
羊さん、逃げたほうがいいですよ!
互いに助け合って…
青い鳥と美女…
フィアンセを裏切ってしまった…!
水面を優雅に滑る白鳥…
誰だって自分の子は大切です。
畑を荒らす犯人は? 待ち伏せる人たち…
さあ、目覚めの口づけを…
《美女とやじゅう》は名作ですね。
ありがちなストーリーですが、夢中になってしまいました。
21世紀になっても、名作の魅力は色褪せません。
獅子の顔を持つ男… 向かい合っているだけで怖いです。
心優しき少女の名はベル…
ベルを待ち受ける野獣とは…?
相変わらず美麗な挿絵です。すごく豪華な感じです。
商人である父親が事業に失敗して、ベルたちは粗末な家に住むことに…
しかし、ベルは一生懸命に洗濯や炊事をするのでした。
また、自分で畑を作って、野菜を育てたりもしました。
そんなベルを見ても、姉たちは嘲笑うだけです。
さて、不慣れな生活が始まってから一年が過ぎた頃です。
ベルたちの父親に一通の手紙が届きました。
『あなたが数年前に仕入れた品物を積んだ船が港に着いた』と書いてあります。
商人は全てを失ったわけではなかったのでした。
それらの品物を売れば、また裕福な生活に戻れるはずです。
『お金が入ったら、私は絹のドレスが欲しいわ』
『私は毛皮のマフラーよ』
二人の姉は好き勝手なことを言っています。商人はベルに聞きました。
『ベル、お前は何が欲しい?』
ベルは小さな声で『薔薇の花を一輪だけ…』と答えました。
商人は港を目指して出発します。
しかし、港に着いてみると、商人の品物は無くなっていました。
商人は多額の借金を抱えていたので、取り上げられてしまったらしいのです。
肩を落として帰ろうとすると、空が暗くなってきます。
瞬く間に大粒の雨が降ってきました。嵐です!
商人は必死に馬を走らせましたが、森の中に迷い込んでしまいます。
『このまま死んでしまうのか…』
そう思ったとき、森の奥に小さな光が見えたような気がしました。
商人は手綱を握ると、光の方へ馬を走らせます。
しばらく行くと、大きな城が見えてきました。
馬小屋には秣が用意され、部屋の中には暖炉があります。
そしてテーブルには温かい料理が並んでいました。
商人は料理を食べると、ベッドの上に転がりました。
そして朝まで眠り込んでしまいます。
翌朝、目を覚ますと、汚れた自分の服の代わりに、
豪華な服が置いてありました。
商人は着替えると、城の人を待ちましたが、誰も現れません。
『申し訳ないが、帰らせてもらおう』
商人は馬小屋の方へ向かいます。庭には見事な薔薇が咲いていました。
『そういえば…』
ベルとの約束を思い出して、商人は薔薇を摘み取りました。すると…
野獣の顔を持つ男が現れました!!
『お前は何という恩知らずだ! 私はお前を城へ迎えてやった。
温かい料理とベッドも用意してやった。
それなのに、私が大事にしている薔薇を盗もうとするとは…』
『申し訳ありません。娘のことを思えばこそ…』
『娘だと!?』
商人の言葉を聞いた野獣は言いました。
『ならば、代わりに娘の一人を連れてくれば、許してやろう。
だが、三ヵ月以内に戻ってこい』
商人は城を出て、娘たちの待つ家に帰りました。
そしてベルに薔薇を渡すと、野獣のことを話します。
『ベル、あなたが薔薇なんか頼んだせいよ!』
『どうするの!?』
二人の姉がベルを責めます。ベルは答えました。
『わかりました。私が野獣の城へ行きます…』
商人とベルを乗せた馬は、野獣の城へ向かいます。
城に着くと、二羽の小鳥が商人とベルを出迎えました。
小鳥たちはベルの周りを飛び回ります。『どうぞ』とでも言うように…
不思議な力に引き寄せられ、ベルは城に入ります。
部屋の中には美しいドレスが置かれていました。
『ベル、そのドレスに着替えなさい』
小鳥たちに言われるままに、ベルはドレスを着ました。
そのとき、恐ろしい音が響いたかと思うと、あの野獣が現れたのです!
『ベル、お前は父親の命令でやってきたのかね?
それとも自分の意思でやってきたのかね?』
『私は自分の意思で来ました』
ベルの言葉を聞いて、野獣は商人に言いました。
『明日の朝、お前は一人で帰るのだ。心優しい娘に感謝するんだな』
商人は言われた通りにしました。
ベルは野獣の城で過ごすことになりました。
『神様、私をお守りください…』
涙が頬を伝います。
『いいえ、私自身が勇気を出さないと…』
ベルは自分自身を励ますように独り言を言って立ち上がると、
美しい泉の前に腰を下ろします。
お昼になれば、野獣とベル以外に誰もいないはずなのに、
広間には食事が並んでいました。
夕食の時間にも同じように、テーブルには料理が置かれているのでした。
ある日の夕食のときです。野獣はベルを見つめながら言いました。
『ベル、私の妻になってくれないかね?』
『えっ!?』
ベルは驚いて野獣の顔を見つめました。
断ったら、野獣は怒るかもしれない。しかし…
『それは無理です…』
『……』
ベルが答えると、野獣は静かに広間を出ていきました。
それから数日後のことです。城にある魔法の鏡にベルの家が映りました。
ベルの父親である商人が病気で倒れてしまったようです。
『今回限りです。一週間だけでいいんです。
私を父の所へ行かせてください』
ベルは野獣に懇願しました。
『どうしても行くのだね。じゃあ、行っておいで。
ここへ戻りたくなったら、この指輪をテーブルの上に置くのだよ。
必ず七日以内に帰ってきてくれ』
指輪を受け取ると、ベルは寝室で眠りに就きました。翌朝、目が覚めると…
ベルは懐かしい我が家の前に立っていました。
商人は寝込んでいましたが、ベルの顔を見た途端、元気を取り戻します。
二人の姉はベルの着た服を見て驚きました。
『見事なドレスだと思わない?』
『ベルは幸せなんだわ。だけど、なぜ野獣はベルを殺さないのかしら』
『確か野獣との約束は七日だったわよね』
『できるだけベルを長く引き留めておきましょう。
期日を守らなければ、ベルは野獣に殺されるわよ』
姉たちは野獣にベルを殺させるために、無理に優しくしました。
そのせいで約束の日が来ても、ベルは城へ戻る気にはなれません。
しかし、野獣のことが気掛かりなのでした。
『私が帰ってこないので、あの野獣は悲しんでいるに違いないわ…』
その夜、ベルは泣きながら目を覚ましました。
野獣が小川の近くにある草村に倒れている夢を見たのです。
『私って、何て恩知らずなの…』
ベルは城へ戻ろうとしましたが、指輪が見当たりません。
意地悪な姉たちが隠してしまっていたのです。
『ああ、どうしたら…』
ベルは泣きじゃくり、いつの間にか眠ってしまいました。
ところが、目が覚めたとき、ベルは城の中の美しい広間にいたのです。
『いつの間に…?』
ベルは急いで庭へ行きました。
野獣は小川の近くの草村に倒れていました。夢で見た通りです。
ベルは夢中で駆け寄ると、野獣の胸に手を当てました。
『まだ動いている。きっと助かるわ』
ベルは小川の水を野獣の顔に浴びせました。
『うう…』
野獣が目を開けました。
『ベルだね。ああ、やっと戻ってきてくれたのか。
お前が留守の間に私は生きる望みを失ったんだよ。
だけど、死ぬ前に会うことができた。もう思い残すことは…』
ベルは泣きながら叫びました。
『私は優しいあなたが好きです。死なないで!』
すると、不思議なことが起こりました。
野獣の倒れていた草村に凛々しい王子が立っていたのです。
『ベル、ありがとう!』
城に美しい音楽が流れ出しました。
『あなたは…!?』
ベルが聞くと、王子は優しく微笑みながらベルを見つめました。
そして今までのことを話すのでした。
『私は恐ろしい魔法で野獣の姿にされてしまったのです。
しかし、あなたのおかげで魔法は解けました。
ベル、私の妻になってください』
『はい、喜んで!』
ベルは王子の告白に答えると、両手を差し出しました。
『ベル、あなたの優しい心は決して忘れません』
『姿や形ではなく、心の美しさこそが真実だと思います。
野獣の姿だったときも、あなたは私に乱暴なことをしなかった…』
『ベル…』
王子はベルを抱き締めました。二人は結婚して、幸せに暮らしたそうです。
夏に頑張っていないと、冬に苦労するという話…
都会と田舎… どちらに住むのがいいのか…
食べられるリスクを負いながらの診察…
狐には飲みづらい容器…
ああっ、ミルクの壺が!
もう少しで届くのに…
どれだけ食べたのでしょうね。
羊さん、逃げたほうがいいですよ!
互いに助け合って…
青い鳥と美女…
フィアンセを裏切ってしまった…!
水面を優雅に滑る白鳥…
誰だって自分の子は大切です。
畑を荒らす犯人は? 待ち伏せる人たち…
さあ、目覚めの口づけを…
《美女とやじゅう》は名作ですね。
ありがちなストーリーですが、夢中になってしまいました。