アンデルセンの作品です。
ちょっと悲しい物語…
一本足の兵隊が主人公です。
紙工作の城の庭…
錫の兵隊の想いはバレリーナに届くのでしょうか。
アンデルセンの作品が四つも収録されています。
男の子が箱から兵隊の人形を取り出して遊んでいます。
兵隊は全部で二十五人いましたが、その中の一人だけは一本足でした。
材料の錫が足らなかったらしいのです。
一本足の兵隊は箱の陰からバレリーナの人形を見つめます。
彼女は白いドレスを着て、額には大きな宝石が付いています。
すごく美しいバレリーナです。一本足の兵隊は一目惚れしました。
そんな兵隊を小鬼が嘲笑います。しかし、兵隊は小鬼を無視しました。
怒った小鬼は兵隊に呪いの言葉を浴びせます。
すると、男の子が部屋に来て一本足の兵隊を窓際に置きました。
風が吹き、兵隊は窓から真っ逆さまに落ちていきます。
男の子が兵隊を窓際に置いたのも、そのときに吹いた風も、
きっと小鬼の魔法の力に違いありません。
男の子は一本足の兵隊を探しましたが、見つけられませんでした。
兵隊は逆さまの状態で敷石の間に挟まっていたのです。
やがて激しい雨が降り始めたので、男の子は探すのを諦めます。
雨が上がると、通りすがりの二人の少年が錫の兵隊を見つけました。
彼らは古新聞で作った小舟に兵隊を乗せると、川へ浮かべます。
急な流れの中を小舟は進みます。
ネズミが通行証の提示を求めますが、どうすることもできません。
錫の兵隊は動けないですし、小舟も止まらないのですから。
波が激しくなり、小舟に水が… 一本足の兵隊は沈んでいきます。
そして大きな魚に飲み込まれてしまうのでした。
・
・
・
不意に辺りが明るくなりました。
兵隊を飲み込んだ魚は川で釣られて、それを女の人が買ったのです。
そして魚を捌くと、一本足の兵隊が出てきたというわけです。
『まあ、錫の兵隊が帰ってきたわ』
そう、幸運にも兵隊は元の家に帰ることができたのです!
あの男の子がいる… 紙工作の城がある… そして…
『美しいバレリーナも…』
バレリーナの顔が見れて、錫の兵隊は幸せでした。
そのときです。男の子が一本足の兵隊を暖炉へ投げ込みました。
なぜ…!? あの意地悪な小鬼の魔法に決まっています!
熱い炎の中から兵隊はバレリーナを見つめました。
すると、バレリーナも兵隊を追うように暖炉の中へ…
二人は燃え尽きてしまいました…
翌朝、暖炉の中からハート型の錫の塊と美しい宝石が見つかりました。
これらは兵隊とバレリーナの永遠の愛の印なのです…
《赤いくつ》も有名な作品です。
鮮やかな赤色の靴に魅せられたカーレン…
教会へ行くなら黒い靴を履かなければならないのに、
カーレンは赤い靴を選びます。
赤い靴を履いているカーレンに冷たい視線が…
次の日曜日のことです。
教会の入り口でカーレンは片足の兵隊に出会いました。
兵隊が赤い靴に手を触れると…
カーレンの足が踊り始めたではありませんか!
いや、正確に言うならば、赤い靴が勝手に踊っているのです。
カーレンが疲れても、赤い靴は踊るのをやめませんでした。
脱ごうとしても、足から外れません。
『ああ、お願いだから休ませて…』
そのとき、カーレンの前に天使が現れました。
『私をお助けください…』
『何を言う。お前は永遠に踊り続けねばならんのだ』
『そんな…』
カーレンは思いました。
これは赤い靴を履いて教会へ行った自分への罰なのだと…
森の中でカーレンは罪人の首を切る役人に出会います。
カーレンは役人に頼みました。
『まだ死ぬわけにはいかないのです。罪を償いたいのです』
『ならば、どうしろと言うのだ?』
『首ではなく、足を切ってください』
役人は頷くと、斧を振り下ろしました。
こうしてカーレンは踊ることから解放されました。
しかし、切り落とされたカーレンの両足は踊り続けています。
もちろん、赤い靴を履いたままで… カーレンは目を覆いました。
役人はカーレンに木の義足と松葉杖を作ってくれました。
カーレンは教会へ向かいますが…
道中で赤い靴が踊っているのを見て、震え上がるのでした。
カーレンは人々のために働くことで罪を償うことにしました。
派手な色の靴なんかいらない… 本当に大事なのは人間らしい心…
カーレンの前に天使が現れました。
手には剣ではなく、美しい花の枝を持っています。
『カーレン、お前は許された。もう苦しまなくてもいいのだ』
天使が壁に花の枝を当てると、部屋が広がっていきます。
そして目の前に大きなパイプオルガンが現れました。
讃美歌を歌っている子供たちの姿が見えます。お祈りをする人がいます。
いつの間にかカーレンは教会にいたのです。
麗らかな光に包まれて、カーレンは天に召されました。
もう赤い靴なんかに惑わされることはありません。
いつまでも幸せに過ごしていけるでしょう…
力強く育つ姿…
一人の美少女が救われました。
十二人の乗った馬車… 何頭の馬が引いているのでしょう?
嫉妬する女王…
火事には気を付けましょう。
青空の下で…
何が入っているのか? 気になる…
大人になった今でも楽しめます。どの作品も名作です。
ちょっと悲しい物語…
一本足の兵隊が主人公です。
紙工作の城の庭…
錫の兵隊の想いはバレリーナに届くのでしょうか。
アンデルセンの作品が四つも収録されています。
男の子が箱から兵隊の人形を取り出して遊んでいます。
兵隊は全部で二十五人いましたが、その中の一人だけは一本足でした。
材料の錫が足らなかったらしいのです。
一本足の兵隊は箱の陰からバレリーナの人形を見つめます。
彼女は白いドレスを着て、額には大きな宝石が付いています。
すごく美しいバレリーナです。一本足の兵隊は一目惚れしました。
そんな兵隊を小鬼が嘲笑います。しかし、兵隊は小鬼を無視しました。
怒った小鬼は兵隊に呪いの言葉を浴びせます。
すると、男の子が部屋に来て一本足の兵隊を窓際に置きました。
風が吹き、兵隊は窓から真っ逆さまに落ちていきます。
男の子が兵隊を窓際に置いたのも、そのときに吹いた風も、
きっと小鬼の魔法の力に違いありません。
男の子は一本足の兵隊を探しましたが、見つけられませんでした。
兵隊は逆さまの状態で敷石の間に挟まっていたのです。
やがて激しい雨が降り始めたので、男の子は探すのを諦めます。
雨が上がると、通りすがりの二人の少年が錫の兵隊を見つけました。
彼らは古新聞で作った小舟に兵隊を乗せると、川へ浮かべます。
急な流れの中を小舟は進みます。
ネズミが通行証の提示を求めますが、どうすることもできません。
錫の兵隊は動けないですし、小舟も止まらないのですから。
波が激しくなり、小舟に水が… 一本足の兵隊は沈んでいきます。
そして大きな魚に飲み込まれてしまうのでした。
・
・
・
不意に辺りが明るくなりました。
兵隊を飲み込んだ魚は川で釣られて、それを女の人が買ったのです。
そして魚を捌くと、一本足の兵隊が出てきたというわけです。
『まあ、錫の兵隊が帰ってきたわ』
そう、幸運にも兵隊は元の家に帰ることができたのです!
あの男の子がいる… 紙工作の城がある… そして…
『美しいバレリーナも…』
バレリーナの顔が見れて、錫の兵隊は幸せでした。
そのときです。男の子が一本足の兵隊を暖炉へ投げ込みました。
なぜ…!? あの意地悪な小鬼の魔法に決まっています!
熱い炎の中から兵隊はバレリーナを見つめました。
すると、バレリーナも兵隊を追うように暖炉の中へ…
二人は燃え尽きてしまいました…
翌朝、暖炉の中からハート型の錫の塊と美しい宝石が見つかりました。
これらは兵隊とバレリーナの永遠の愛の印なのです…
《赤いくつ》も有名な作品です。
鮮やかな赤色の靴に魅せられたカーレン…
教会へ行くなら黒い靴を履かなければならないのに、
カーレンは赤い靴を選びます。
赤い靴を履いているカーレンに冷たい視線が…
次の日曜日のことです。
教会の入り口でカーレンは片足の兵隊に出会いました。
兵隊が赤い靴に手を触れると…
カーレンの足が踊り始めたではありませんか!
いや、正確に言うならば、赤い靴が勝手に踊っているのです。
カーレンが疲れても、赤い靴は踊るのをやめませんでした。
脱ごうとしても、足から外れません。
『ああ、お願いだから休ませて…』
そのとき、カーレンの前に天使が現れました。
『私をお助けください…』
『何を言う。お前は永遠に踊り続けねばならんのだ』
『そんな…』
カーレンは思いました。
これは赤い靴を履いて教会へ行った自分への罰なのだと…
森の中でカーレンは罪人の首を切る役人に出会います。
カーレンは役人に頼みました。
『まだ死ぬわけにはいかないのです。罪を償いたいのです』
『ならば、どうしろと言うのだ?』
『首ではなく、足を切ってください』
役人は頷くと、斧を振り下ろしました。
こうしてカーレンは踊ることから解放されました。
しかし、切り落とされたカーレンの両足は踊り続けています。
もちろん、赤い靴を履いたままで… カーレンは目を覆いました。
役人はカーレンに木の義足と松葉杖を作ってくれました。
カーレンは教会へ向かいますが…
道中で赤い靴が踊っているのを見て、震え上がるのでした。
カーレンは人々のために働くことで罪を償うことにしました。
派手な色の靴なんかいらない… 本当に大事なのは人間らしい心…
カーレンの前に天使が現れました。
手には剣ではなく、美しい花の枝を持っています。
『カーレン、お前は許された。もう苦しまなくてもいいのだ』
天使が壁に花の枝を当てると、部屋が広がっていきます。
そして目の前に大きなパイプオルガンが現れました。
讃美歌を歌っている子供たちの姿が見えます。お祈りをする人がいます。
いつの間にかカーレンは教会にいたのです。
麗らかな光に包まれて、カーレンは天に召されました。
もう赤い靴なんかに惑わされることはありません。
いつまでも幸せに過ごしていけるでしょう…
力強く育つ姿…
一人の美少女が救われました。
十二人の乗った馬車… 何頭の馬が引いているのでしょう?
嫉妬する女王…
火事には気を付けましょう。
青空の下で…
何が入っているのか? 気になる…
大人になった今でも楽しめます。どの作品も名作です。