アンデルセンの作品です。
子供の頃に読みましたが、あらすじを覚えていません…
というわけで、ケースから取り出して…
改めて読んでみましょうか。
働かずして生活は成り立ちませんよ。
六つの作品が収録されています。
偉大な商人が亡くなり、息子が財産を受け継ぎました。
しかし、彼は働きもせずに、いつも遊んでばかり…
時には金貨を川へ投げ込んでしまうことも…
そんなわけで、数日後には文無しも同然になってしまいます。
ある日、商人の息子を哀れんだ友達が大きなトランクをくれたのですが…
商人の息子はトランクに入れられるような物を持っていません。
仕方なく、自分が入ってみると…
突然、トランクが浮き上がり、空へ舞い上がったのです!
しばらく飛ぶと、少しずつトランクが降下してきました。
そして地面に墜落してしまいます。
驚いたことに、そこはトルコの森の中でした。
息子はトランクを隠すと、歩いていきます。
やがて大きな城が見えてきました。
息子は通りすがりの女性に聞きました。
『あの城ですが、なぜ高い所に窓があるんですか?』
『あそこには美しい王女が住んでいらっしゃいます。
ある日、占い師が言ったのです。
王女に恋人ができると、不幸が訪れるとか…』
『美しい王女…』
息子はトランクに乗って、城へ飛びました。そして王女の寝室へ…
王女は驚きましたが、怒りはしませんでした。
『退屈していたのよ…』
『私はトルコの神です。楽しい話をお聞かせしましょう』
『神様ですって!?』
『では、始めます…』
息子が作り話を聞かせると、王女は嬉しそうに微笑みます。
『あなたって、すごいわね!』
『お気に召しましたか。では、はっきり言います。結婚してください!』
『まあ! せっかちな神様ね。そうそう、私の両親も楽しい話は大好きよ。
あなたが両親を楽しませれば、私たちは結婚できるかもしれないわ』
『わかりました!』
王女にもらった刀を売って、商人の息子は新しいガウンを買いました。
さて、いよいよ王女の両親に楽しい話を聞かせる日が来たのです。
果たして王様と妃を喜ばせることができるでしょうか。
・
・
・
自慢話をするマッチ…
『僕たちは大きな松の木から生まれたのさ。
ある日、木こりがやってきて、その松の木を切り倒した。
太い幹は船のマストに… 他の枝も様々な物に変えられた。
そして僕たちマッチは火を生み出すという役割を授かったんだ』
マッチに負けじと鍋が口を開きました。
『私は生まれると、火で炙られたり、体を擦られたりしたわ。
それでも私は幸せなの。この台所が大好きよ。
夕飯の後、体を磨いてもらうのが一番の楽しみなの』
鍋の話を聞いた火打ち箱が火花を散らします。土鍋が叫びます。
箒や椅子たちも騒ぎ始めました。
そのとき、ドアが開いてお手伝いさんが入ってきました。
お手伝いさんがマッチを擦ると、マッチは嬉しそうに言います。
『この輝きには誰も勝てまい』
しかし、直後に燃え尽きてしまいました…
・
・
・
『すごく楽しかったわ!』
王女は感激しました。
『見事じゃ! そなたと娘の結婚を許そう』
『結婚式は次の月曜日がいいわね』
王様と妃も楽しめたようです。二人の結婚を認めてくれました。
『王女が結婚!?』
たちまち町中に噂が広まりました。
商人の息子はトランクで空を飛びながら花火を打ち上げます。
初めて花火を見たトルコの人たちは驚きました。
『空が燃えているぞ!』
『飛んでいるわ。間違いなく飛んでいるわ!』
『神様だ。あれは神様だ』
人々の声を聞いて、商人の息子は有頂天になります。
『さて、そろそろ寝るか。明日は早いしな』
ところが、トランクを隠すために森に入ったとき、悲劇は起こりました。
『ああ!!』
花火の火でトランクが燃えているのです。もう空を飛ぶことはできません。
愛しい王女に会うことも叶わなくなってしまったのです…
『王女様、さようなら…』
商人の息子は歩いて旅をすることにしました。
何も知らない王女は婚約者を待ち続けます。いつまでも…
長い冬が終われば…
春が来ます。さあ、大空へ飛び立ちましょう。
お人形さんの寝床は…
優秀なピアニスト!
優雅な曲に合わせてヒヤシンスとチューリップが踊ります。
この巻には《にんぎょひめ》も収録されています。
凛々しい王子を見た瞬間、人魚姫の胸は熱くなりました。
その夜、嵐がやってきました。人魚姫は必死に王子を助けます。
『人間になりたい。そして王子様と結婚したいわ…』
人魚姫は魔女に頼んで、自分の声と引き換えに人間の足を手に入れました。
ところが、王子は隣の国の王女と結婚することになっていました。
声を失っているので、人魚姫は嵐の日の事実を王子に話すことができません。
『王子が私以外の人と結婚すれば、私は海の泡になってしまう…』
人魚姫は魔女の言葉を思い出しました。
悲しむ人魚姫の所に姉たちがやってきました。
『魔女から魔法のナイフをもらってきたわ』
『このナイフで王子の胸を刺しなさい。
王子の血を足に掛ければ、あなたは人魚に戻れるのよ』
『早くしなさい! みんなが心配しているわ』
人魚姫はナイフを受け取ると、王子の寝室へ入りました。
そして王子の優しそうな寝顔を見た途端…
『できない… 私には…』
人魚姫は海へ飛び込みました。体が泡になっていきます。そして空へ…
(どこまで飛んでいくのかしら…)
不思議な声が聞こえてきました。
『あなたは風の精になったのです』
『新しい旅が始まるのよ』
『さあ、世界中に花の香りを振り撒きましょう』
『私が風の精…』
人魚姫は涙を流しながら神様に感謝するのでした…
いつだって男は女性の味方です。
すごい形相で追ってきます!
空から舞い降りた美女…
息子が結婚… しかし、母親は一人ぼっちに…
《空とぶかばん》ですが、思ったよりも楽しい話でした。
やっぱり真面目に働かなければ、幸せは巡ってこないのですね。
そして《にんぎょひめ》… 悲しい結末でした…
子供の頃に読みましたが、あらすじを覚えていません…
というわけで、ケースから取り出して…
改めて読んでみましょうか。
働かずして生活は成り立ちませんよ。
六つの作品が収録されています。
偉大な商人が亡くなり、息子が財産を受け継ぎました。
しかし、彼は働きもせずに、いつも遊んでばかり…
時には金貨を川へ投げ込んでしまうことも…
そんなわけで、数日後には文無しも同然になってしまいます。
ある日、商人の息子を哀れんだ友達が大きなトランクをくれたのですが…
商人の息子はトランクに入れられるような物を持っていません。
仕方なく、自分が入ってみると…
突然、トランクが浮き上がり、空へ舞い上がったのです!
しばらく飛ぶと、少しずつトランクが降下してきました。
そして地面に墜落してしまいます。
驚いたことに、そこはトルコの森の中でした。
息子はトランクを隠すと、歩いていきます。
やがて大きな城が見えてきました。
息子は通りすがりの女性に聞きました。
『あの城ですが、なぜ高い所に窓があるんですか?』
『あそこには美しい王女が住んでいらっしゃいます。
ある日、占い師が言ったのです。
王女に恋人ができると、不幸が訪れるとか…』
『美しい王女…』
息子はトランクに乗って、城へ飛びました。そして王女の寝室へ…
王女は驚きましたが、怒りはしませんでした。
『退屈していたのよ…』
『私はトルコの神です。楽しい話をお聞かせしましょう』
『神様ですって!?』
『では、始めます…』
息子が作り話を聞かせると、王女は嬉しそうに微笑みます。
『あなたって、すごいわね!』
『お気に召しましたか。では、はっきり言います。結婚してください!』
『まあ! せっかちな神様ね。そうそう、私の両親も楽しい話は大好きよ。
あなたが両親を楽しませれば、私たちは結婚できるかもしれないわ』
『わかりました!』
王女にもらった刀を売って、商人の息子は新しいガウンを買いました。
さて、いよいよ王女の両親に楽しい話を聞かせる日が来たのです。
果たして王様と妃を喜ばせることができるでしょうか。
・
・
・
自慢話をするマッチ…
『僕たちは大きな松の木から生まれたのさ。
ある日、木こりがやってきて、その松の木を切り倒した。
太い幹は船のマストに… 他の枝も様々な物に変えられた。
そして僕たちマッチは火を生み出すという役割を授かったんだ』
マッチに負けじと鍋が口を開きました。
『私は生まれると、火で炙られたり、体を擦られたりしたわ。
それでも私は幸せなの。この台所が大好きよ。
夕飯の後、体を磨いてもらうのが一番の楽しみなの』
鍋の話を聞いた火打ち箱が火花を散らします。土鍋が叫びます。
箒や椅子たちも騒ぎ始めました。
そのとき、ドアが開いてお手伝いさんが入ってきました。
お手伝いさんがマッチを擦ると、マッチは嬉しそうに言います。
『この輝きには誰も勝てまい』
しかし、直後に燃え尽きてしまいました…
・
・
・
『すごく楽しかったわ!』
王女は感激しました。
『見事じゃ! そなたと娘の結婚を許そう』
『結婚式は次の月曜日がいいわね』
王様と妃も楽しめたようです。二人の結婚を認めてくれました。
『王女が結婚!?』
たちまち町中に噂が広まりました。
商人の息子はトランクで空を飛びながら花火を打ち上げます。
初めて花火を見たトルコの人たちは驚きました。
『空が燃えているぞ!』
『飛んでいるわ。間違いなく飛んでいるわ!』
『神様だ。あれは神様だ』
人々の声を聞いて、商人の息子は有頂天になります。
『さて、そろそろ寝るか。明日は早いしな』
ところが、トランクを隠すために森に入ったとき、悲劇は起こりました。
『ああ!!』
花火の火でトランクが燃えているのです。もう空を飛ぶことはできません。
愛しい王女に会うことも叶わなくなってしまったのです…
『王女様、さようなら…』
商人の息子は歩いて旅をすることにしました。
何も知らない王女は婚約者を待ち続けます。いつまでも…
長い冬が終われば…
春が来ます。さあ、大空へ飛び立ちましょう。
お人形さんの寝床は…
優秀なピアニスト!
優雅な曲に合わせてヒヤシンスとチューリップが踊ります。
この巻には《にんぎょひめ》も収録されています。
凛々しい王子を見た瞬間、人魚姫の胸は熱くなりました。
その夜、嵐がやってきました。人魚姫は必死に王子を助けます。
『人間になりたい。そして王子様と結婚したいわ…』
人魚姫は魔女に頼んで、自分の声と引き換えに人間の足を手に入れました。
ところが、王子は隣の国の王女と結婚することになっていました。
声を失っているので、人魚姫は嵐の日の事実を王子に話すことができません。
『王子が私以外の人と結婚すれば、私は海の泡になってしまう…』
人魚姫は魔女の言葉を思い出しました。
悲しむ人魚姫の所に姉たちがやってきました。
『魔女から魔法のナイフをもらってきたわ』
『このナイフで王子の胸を刺しなさい。
王子の血を足に掛ければ、あなたは人魚に戻れるのよ』
『早くしなさい! みんなが心配しているわ』
人魚姫はナイフを受け取ると、王子の寝室へ入りました。
そして王子の優しそうな寝顔を見た途端…
『できない… 私には…』
人魚姫は海へ飛び込みました。体が泡になっていきます。そして空へ…
(どこまで飛んでいくのかしら…)
不思議な声が聞こえてきました。
『あなたは風の精になったのです』
『新しい旅が始まるのよ』
『さあ、世界中に花の香りを振り撒きましょう』
『私が風の精…』
人魚姫は涙を流しながら神様に感謝するのでした…
いつだって男は女性の味方です。
すごい形相で追ってきます!
空から舞い降りた美女…
息子が結婚… しかし、母親は一人ぼっちに…
《空とぶかばん》ですが、思ったよりも楽しい話でした。
やっぱり真面目に働かなければ、幸せは巡ってこないのですね。
そして《にんぎょひめ》… 悲しい結末でした…