ますます寒くなってきました。個人的には嫌な季節です。
忙しかったので、更新が滞ってしまいました。
梟の姿も見えます。
どんな物語なのでしょう。
そんな粉薬が欲しい!
この巻には七つの作品が収録されています。
ある日のことです。王様の城に一人のお爺さんが訪ねてきました。
お爺さんは王様に小さな箱を差し出します。
箱の中には粉が詰まっていました。
お爺さんの話では、これは魔法の粉だそうです。
この粉の匂いを嗅いで『ムタボール』という魔法の文句を唱えれば、
動物に化けられるらしいのです。
また、動物に姿を変えている間は笑ってはいけないそうです。
笑ってしまうと、『ムタボール』という文句を忘れてしまって、
元の姿に戻れなくなるのです。
次の日、王様は大臣を連れて、魔法の粉を試してみることにしました。
池の近くに二羽の鸛がいました。
王様と大臣は粉の香りを匂いを吸い込むと、声を揃えて『ムタボール!』
たちまち二人は鸛に姿を変えました!
それと同時に、二羽の鸛の声が聞こえてきました。
『あの五位鷺の奥様って、嫌な方ですよねぇ』
『そうですわねぇ』
『この間のことですわ。カエルを捕まえたから持っていってあげましたの。
すると、『私たちはドジョウしか食べません』なんて言ったのよ』
『まあ! 失礼しちゃいますわね』
話を聞いていた王様と大臣は思わず笑ってしまいます。
『し、しまった! 大臣、魔法の文句は覚えているか?』
『それがさっぱり…』
一大事です! このままでは、二人は鸛の姿で一生を過ごすことに…
それから四~五日が過ぎました。
王様と大臣が城の上で羽を休めていると、賑やかな一団がやってきます。
『新しい王となったミズラ様に拍手を!』
町の人々が歓声を上げています。
『あのミズラが王だと!?』
王様の顔色が変わりました。ミズラというのは、非常に悪賢い男です。
今までに何度も城を乗っ取ろうとした悪人なのです。
『魔法の粉を持ってきた老人はミズラの手先だったのだ!』
ミズラは王位を奪うために、あの老人を城へ送り込んだのです。
王様たちはミズラの計略に引っ掛かって、鸛になってしまったというわけです。
『王様、これからどうしましょう?』
『とりあえず隠れよう。そして今後のことを考えるのだ』
王様と大臣は空へ飛び立ちました。
しばらく飛んでいると、廃墟が見えてきました。
崩れた柱や壁… どうやら昔は立派な城だったようです。
王様と大臣は廃墟に舞い降りました。おや? どこからか声が…
『誰かが泣いているような… 行ってみようか』
『王様、およしなさいまし』
大臣は止めましたが、王様は声の聞こえる方へ近づいていきます。
声の主は梟でした。何か悲しいことがあったのでしょう。
王様は梟に優しく声を掛けました。
『梟さん、何を嘆いていらっしゃるのかね?』
『あら? 鸛さん、こんな所に何の用が?』
『いやいや、こう見えても我々は人間なのです』
王様は今までのことを梟に話しました。
話を聞いた梟が口を開きます。
『ある日、一人の魔法使いがやってきました。
この城の一人娘である私に、『ミズラと結婚しろ』と言うのです。
私が断ると、魔法使いは父を殺しました。
そして私も梟に変えられてしまったのです』
『許せん!』
王様は腹を立てて叫びました。
『ああ、元の姿に戻れないだろうか。
そうすれば、ミズラを懲らしめてやれるのに…』
『それでしたら、いいことがございますわ』
梟の姿の姫が言いました。
『今日は魔法使いたちの宴会が開かれる日です。
この城に大勢の魔法使いが集まるはずです』
これはチャンスです!
うまくいけば、大事なことを盗み聞きできるかもしれません。
『よし、任せてください!』
王様と大臣は柱の陰に隠れて、魔法使いたちが来るのを待ちました。
やがて魔法使いたちが次々に集まってきて、宴会が始まりました。
その中には魔法の粉を作った魔法使いの姿も…!
『この間、王様と大臣に魔法の粉を使わせたんだ。
あいつらは一瞬にして鸛になっちまった』
『もう元に戻れないのか?』
『ああ、ムタボールという魔法の言葉を忘れてしまったからな!』
人間に戻る文句がわかったので、王様たちは小躍りしました。
『ムタボール!』
こうして王様と大臣は元の姿に戻ることができました。
しかし、姫は梟のままです。
『私の呪いを解く方法は一つしかありません』
『その方法とは?』
『誰かが私に結婚を申し込んでくださることです』
王様は悩みましたが…
『あなたのおかげで私は元の姿に戻れました。どうか結婚してください』
呪いが解けて、梟は美しい女の人に変わりました。
王様はミズラと魔法使いを捕まえると、魔法の粉で二人を鸛に変えました。
その後、ミズラたちの姿を見た者はいないそうです。
王様と姫は姿を変えられていたときのことを思い出しながら、
幸せに暮らしているそうです。
秘密の部屋を覗くと…
一位でゴールイン!
何を話しているのでしょう。
パンを作るカエル…?
見事なダンスです。
視線が集まります。
突然、目の前に見たこともない景色が…
氷の上で歌い続ける少女…
いくつもの嘴が襲ってきます!
世界に伝わる童話だけのことはあります。楽しく読むことができました。
他の収録作品も熟読したいですが、なかなか時間が…
忙しかったので、更新が滞ってしまいました。
梟の姿も見えます。
どんな物語なのでしょう。
そんな粉薬が欲しい!
この巻には七つの作品が収録されています。
ある日のことです。王様の城に一人のお爺さんが訪ねてきました。
お爺さんは王様に小さな箱を差し出します。
箱の中には粉が詰まっていました。
お爺さんの話では、これは魔法の粉だそうです。
この粉の匂いを嗅いで『ムタボール』という魔法の文句を唱えれば、
動物に化けられるらしいのです。
また、動物に姿を変えている間は笑ってはいけないそうです。
笑ってしまうと、『ムタボール』という文句を忘れてしまって、
元の姿に戻れなくなるのです。
次の日、王様は大臣を連れて、魔法の粉を試してみることにしました。
池の近くに二羽の鸛がいました。
王様と大臣は粉の香りを匂いを吸い込むと、声を揃えて『ムタボール!』
たちまち二人は鸛に姿を変えました!
それと同時に、二羽の鸛の声が聞こえてきました。
『あの五位鷺の奥様って、嫌な方ですよねぇ』
『そうですわねぇ』
『この間のことですわ。カエルを捕まえたから持っていってあげましたの。
すると、『私たちはドジョウしか食べません』なんて言ったのよ』
『まあ! 失礼しちゃいますわね』
話を聞いていた王様と大臣は思わず笑ってしまいます。
『し、しまった! 大臣、魔法の文句は覚えているか?』
『それがさっぱり…』
一大事です! このままでは、二人は鸛の姿で一生を過ごすことに…
それから四~五日が過ぎました。
王様と大臣が城の上で羽を休めていると、賑やかな一団がやってきます。
『新しい王となったミズラ様に拍手を!』
町の人々が歓声を上げています。
『あのミズラが王だと!?』
王様の顔色が変わりました。ミズラというのは、非常に悪賢い男です。
今までに何度も城を乗っ取ろうとした悪人なのです。
『魔法の粉を持ってきた老人はミズラの手先だったのだ!』
ミズラは王位を奪うために、あの老人を城へ送り込んだのです。
王様たちはミズラの計略に引っ掛かって、鸛になってしまったというわけです。
『王様、これからどうしましょう?』
『とりあえず隠れよう。そして今後のことを考えるのだ』
王様と大臣は空へ飛び立ちました。
しばらく飛んでいると、廃墟が見えてきました。
崩れた柱や壁… どうやら昔は立派な城だったようです。
王様と大臣は廃墟に舞い降りました。おや? どこからか声が…
『誰かが泣いているような… 行ってみようか』
『王様、およしなさいまし』
大臣は止めましたが、王様は声の聞こえる方へ近づいていきます。
声の主は梟でした。何か悲しいことがあったのでしょう。
王様は梟に優しく声を掛けました。
『梟さん、何を嘆いていらっしゃるのかね?』
『あら? 鸛さん、こんな所に何の用が?』
『いやいや、こう見えても我々は人間なのです』
王様は今までのことを梟に話しました。
話を聞いた梟が口を開きます。
『ある日、一人の魔法使いがやってきました。
この城の一人娘である私に、『ミズラと結婚しろ』と言うのです。
私が断ると、魔法使いは父を殺しました。
そして私も梟に変えられてしまったのです』
『許せん!』
王様は腹を立てて叫びました。
『ああ、元の姿に戻れないだろうか。
そうすれば、ミズラを懲らしめてやれるのに…』
『それでしたら、いいことがございますわ』
梟の姿の姫が言いました。
『今日は魔法使いたちの宴会が開かれる日です。
この城に大勢の魔法使いが集まるはずです』
これはチャンスです!
うまくいけば、大事なことを盗み聞きできるかもしれません。
『よし、任せてください!』
王様と大臣は柱の陰に隠れて、魔法使いたちが来るのを待ちました。
やがて魔法使いたちが次々に集まってきて、宴会が始まりました。
その中には魔法の粉を作った魔法使いの姿も…!
『この間、王様と大臣に魔法の粉を使わせたんだ。
あいつらは一瞬にして鸛になっちまった』
『もう元に戻れないのか?』
『ああ、ムタボールという魔法の言葉を忘れてしまったからな!』
人間に戻る文句がわかったので、王様たちは小躍りしました。
『ムタボール!』
こうして王様と大臣は元の姿に戻ることができました。
しかし、姫は梟のままです。
『私の呪いを解く方法は一つしかありません』
『その方法とは?』
『誰かが私に結婚を申し込んでくださることです』
王様は悩みましたが…
『あなたのおかげで私は元の姿に戻れました。どうか結婚してください』
呪いが解けて、梟は美しい女の人に変わりました。
王様はミズラと魔法使いを捕まえると、魔法の粉で二人を鸛に変えました。
その後、ミズラたちの姿を見た者はいないそうです。
王様と姫は姿を変えられていたときのことを思い出しながら、
幸せに暮らしているそうです。
秘密の部屋を覗くと…
一位でゴールイン!
何を話しているのでしょう。
パンを作るカエル…?
見事なダンスです。
視線が集まります。
突然、目の前に見たこともない景色が…
氷の上で歌い続ける少女…
いくつもの嘴が襲ってきます!
世界に伝わる童話だけのことはあります。楽しく読むことができました。
他の収録作品も熟読したいですが、なかなか時間が…