少年少女世界童話全集の第20巻は…
グリム兄弟の作品です。
三人兄弟の末っ子が見つけたのは…
その鵞鳥を売れば、お金持ちに…
善行を行えば、幸せが訪れるという物語です。
童話と民話が四作ずつ収録されています。
ある所に三人の兄弟がいました。
兄弟の末っ子が森へ木を切りに行くと、そこには小人がいました。
『あんた、何か食べ物を恵んでくれないか?』
小人は末っ子に頼みました。
『僕が持っているのは、灰まみれの菓子とビールだけだよ。
それでもいいなら、一緒に食べよう』
そう言って、末っ子は包みを広げました。
すると、不思議なことに、お菓子は上等なケーキに、
そしてビールはワインに変わりました。
二人はお菓子と高級なワインを存分に味わいます。
食事が済むと、小人は言いました。
『あんたは親切な人だね。お礼に幸せを授けてあげよう。
木の根元を調べてごらん』
末っ子が木の根元を見ると…
そこには金の鵞鳥が隠してありました。
その夜、末っ子は金の鵞鳥を持って、宿屋に泊まりました。
金の鵞鳥を見て、宿屋の主人の娘たちは目を輝かせます。
『美しいわ』
『すごく値打ちがありそうよ』
『せめて金の羽を一本だけでも…』
末っ子がいないときを狙って、長女が鵞鳥の羽を取ろうとしました。
途端、手が鵞鳥から離れなくなってしまったのです。
『どうなっているの!?』
そこへ次女がやってきました。
『姉さん、金の鵞鳥を独り占めにはさせないわ』
次女は後ろから手を伸ばしました。
ところが、長女の背中に触れてしまって…
『こ、これは!?』
次女の手は離れなくなってしまいます。そこへ三女がやってきました。
長女と次女は叫びました。
『触っちゃいけない!』
しかし、三女は構わずに金の鵞鳥に近づきました。
『私も鵞鳥の羽が欲しいわ』
三女の手が次女の背中に触れました。そして離れなくなってしまいます。
互いにくっついたままで宿屋の娘たちは夜を過ごすことになりました。
翌朝、末っ子は娘たちに構わずに金の鵞鳥を持って宿屋を出ます。
三人の娘は仕方なく、末っ子と歩き続けるのでした。
末っ子たちの行列を見て、止めようとした牧師や教会の番人、
二人の百姓なども手を触れてしまって、大行列になります。
奇妙な行列は町へ着きました。末っ子は町の人から不思議な話を聞きます。
この町のお姫様(王様の娘)は一度も笑ったことがないそうです。
もし笑わせることができたら、お姫様と結婚できるらしいのです。
『会ってみたい…』
宿屋の娘、牧師さん、番人、百姓たちを連れて、末っ子は城へ向かいます。
末っ子たちの奇妙な行列を見た途端、お姫様は笑いました。
これには王様も大喜びです。
しかし、それだけで結婚を許してくれる王様ではありませんでした。
『娘が欲しければ、わしの出す問題を解くのじゃ』
『はい…』
『では、始めるぞ。地下室にはワインの入った樽が詰まっている。
それらのワインを一滴も残さずに飲める者を連れてこい』
いきなり難題です。どうすれば…
『そうだ!』
末っ子は小人と出会った森へ行ってみることにしました。
森に入ると、倒れた木の上に一人の男が座っていました。
『ああ、喉が渇いた』
末っ子は男に聞きました。
『喉が渇いたなら、水を飲めば…』
『水だけじゃ我慢できねえ。ああ、樽に入ったワインを飲み干したい…』
『よし、僕と一緒に城へ行こう』
末っ子は男を城の地下室へ連れていきました。
積み上げられたワインの樽を見て、男は喜びました。
そして一滴も残さずに飲み干してしまいました。
『さあ、お姫様を僕にください』
末っ子が頼むと、王様は言いました。
『いや、まだじゃ。この問題を解いてもらおう。
わしは国中の小麦粉を使って、中庭にパンの山を作らせる。
それを残さずに食べる者を連れてこい』
またまた難題です。末っ子は森へ行きました。
森に入ると、前とは違う男が木の上に座っていました。
『ああ、パンが食いてえなぁ… いくら食べても腹が減る…』
『一緒に城へ行こう』
末っ子は男を城の中庭へ連れていきました。
大きなパンの山を見た途端、男は飛び付きました。
そして一片も残さずに食べてしまうのでした。
『最後の問題だ。これができなければ、娘は渡さん』
王様は悔しそうな顔で言いました。
『陸も海も自由に走れる船を持ってこい』
王様は意地でも末っ子にお姫様を取られたくないようです。
またまた末っ子は森へ行きました。
そこにいたのは、末っ子がお菓子とビールを分けてやった小人です。
『あんたが親切にしてくれたから、わしもお礼ができるんだよ』
小人は陸も海も自由に走れる船を出してくれました。
さすがの王様も降参して、末っ子とお姫様の結婚を許しました。
やがて王様の亡き後、末っ子が王位を継ぐことになるのです。
仕事の報酬は大きな金塊!
それを一頭の馬なんかと交換してしまうなんて…
おまけに馬に振り落とされる始末…
自身が描いた絵を見て満足…
赤ずきんちゃん、それはお婆さんじゃありませんよ!
人々の財産を奪った魔女…
成敗!
明かりに映し出される顔…
たくさんの動物…じゃなくて、剥製に囲まれて…
愛する人を追って、懸命に泳ぐ美女…
何とか年内に20巻までの記事を書くことができました。
さて、次は文学? それとも伝記?
年が明けてから考えることにしましょう。
グリム兄弟の作品です。
三人兄弟の末っ子が見つけたのは…
その鵞鳥を売れば、お金持ちに…
善行を行えば、幸せが訪れるという物語です。
童話と民話が四作ずつ収録されています。
ある所に三人の兄弟がいました。
兄弟の末っ子が森へ木を切りに行くと、そこには小人がいました。
『あんた、何か食べ物を恵んでくれないか?』
小人は末っ子に頼みました。
『僕が持っているのは、灰まみれの菓子とビールだけだよ。
それでもいいなら、一緒に食べよう』
そう言って、末っ子は包みを広げました。
すると、不思議なことに、お菓子は上等なケーキに、
そしてビールはワインに変わりました。
二人はお菓子と高級なワインを存分に味わいます。
食事が済むと、小人は言いました。
『あんたは親切な人だね。お礼に幸せを授けてあげよう。
木の根元を調べてごらん』
末っ子が木の根元を見ると…
そこには金の鵞鳥が隠してありました。
その夜、末っ子は金の鵞鳥を持って、宿屋に泊まりました。
金の鵞鳥を見て、宿屋の主人の娘たちは目を輝かせます。
『美しいわ』
『すごく値打ちがありそうよ』
『せめて金の羽を一本だけでも…』
末っ子がいないときを狙って、長女が鵞鳥の羽を取ろうとしました。
途端、手が鵞鳥から離れなくなってしまったのです。
『どうなっているの!?』
そこへ次女がやってきました。
『姉さん、金の鵞鳥を独り占めにはさせないわ』
次女は後ろから手を伸ばしました。
ところが、長女の背中に触れてしまって…
『こ、これは!?』
次女の手は離れなくなってしまいます。そこへ三女がやってきました。
長女と次女は叫びました。
『触っちゃいけない!』
しかし、三女は構わずに金の鵞鳥に近づきました。
『私も鵞鳥の羽が欲しいわ』
三女の手が次女の背中に触れました。そして離れなくなってしまいます。
互いにくっついたままで宿屋の娘たちは夜を過ごすことになりました。
翌朝、末っ子は娘たちに構わずに金の鵞鳥を持って宿屋を出ます。
三人の娘は仕方なく、末っ子と歩き続けるのでした。
末っ子たちの行列を見て、止めようとした牧師や教会の番人、
二人の百姓なども手を触れてしまって、大行列になります。
奇妙な行列は町へ着きました。末っ子は町の人から不思議な話を聞きます。
この町のお姫様(王様の娘)は一度も笑ったことがないそうです。
もし笑わせることができたら、お姫様と結婚できるらしいのです。
『会ってみたい…』
宿屋の娘、牧師さん、番人、百姓たちを連れて、末っ子は城へ向かいます。
末っ子たちの奇妙な行列を見た途端、お姫様は笑いました。
これには王様も大喜びです。
しかし、それだけで結婚を許してくれる王様ではありませんでした。
『娘が欲しければ、わしの出す問題を解くのじゃ』
『はい…』
『では、始めるぞ。地下室にはワインの入った樽が詰まっている。
それらのワインを一滴も残さずに飲める者を連れてこい』
いきなり難題です。どうすれば…
『そうだ!』
末っ子は小人と出会った森へ行ってみることにしました。
森に入ると、倒れた木の上に一人の男が座っていました。
『ああ、喉が渇いた』
末っ子は男に聞きました。
『喉が渇いたなら、水を飲めば…』
『水だけじゃ我慢できねえ。ああ、樽に入ったワインを飲み干したい…』
『よし、僕と一緒に城へ行こう』
末っ子は男を城の地下室へ連れていきました。
積み上げられたワインの樽を見て、男は喜びました。
そして一滴も残さずに飲み干してしまいました。
『さあ、お姫様を僕にください』
末っ子が頼むと、王様は言いました。
『いや、まだじゃ。この問題を解いてもらおう。
わしは国中の小麦粉を使って、中庭にパンの山を作らせる。
それを残さずに食べる者を連れてこい』
またまた難題です。末っ子は森へ行きました。
森に入ると、前とは違う男が木の上に座っていました。
『ああ、パンが食いてえなぁ… いくら食べても腹が減る…』
『一緒に城へ行こう』
末っ子は男を城の中庭へ連れていきました。
大きなパンの山を見た途端、男は飛び付きました。
そして一片も残さずに食べてしまうのでした。
『最後の問題だ。これができなければ、娘は渡さん』
王様は悔しそうな顔で言いました。
『陸も海も自由に走れる船を持ってこい』
王様は意地でも末っ子にお姫様を取られたくないようです。
またまた末っ子は森へ行きました。
そこにいたのは、末っ子がお菓子とビールを分けてやった小人です。
『あんたが親切にしてくれたから、わしもお礼ができるんだよ』
小人は陸も海も自由に走れる船を出してくれました。
さすがの王様も降参して、末っ子とお姫様の結婚を許しました。
やがて王様の亡き後、末っ子が王位を継ぐことになるのです。
仕事の報酬は大きな金塊!
それを一頭の馬なんかと交換してしまうなんて…
おまけに馬に振り落とされる始末…
自身が描いた絵を見て満足…
赤ずきんちゃん、それはお婆さんじゃありませんよ!
人々の財産を奪った魔女…
成敗!
明かりに映し出される顔…
たくさんの動物…じゃなくて、剥製に囲まれて…
愛する人を追って、懸命に泳ぐ美女…
何とか年内に20巻までの記事を書くことができました。
さて、次は文学? それとも伝記?
年が明けてから考えることにしましょう。