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ロスチャイルド物語SEASON1⑪/11初代ロスチャイルドの4つの遺言

2024-02-21 15:30:37 | ロスチャイルド物語

初代ロスチャイルド・マイアーは、1812年に古傷が悪化して68歳で亡くなります。

その2日前に遺言を残しています。

1.長男がロスチャイルド家の当主となること。本家も分家も長男が継ぐこと。

2.財産の分散を防ぐために、結婚は一族内で行うこと。

3.一族の財産を秘匿すること。いかなる形でも絶対に公表しないこと。

4.一族は間断なく連携し、一族の財産を統一的に管理すること。

そもそも伝統的にユダヤ人は身内のことについて外部に話しません。

常に迫害を受けてきた歴史からの防衛策です。

一つ目の遺言ですが、必ずしも長男があとを継いでいるわけではなく、マイアーのあとは、ビジネスの能力が際立って高かった3男のネイサンが身内内の承認を得てあとを継いでいます。

このころマイアーが自宅に掲げていた盾章は、赤い盾に描かれた一羽のワシの爪から五人の息子を意味する五本の金の矢が広がり出るようにあしらわれていました。

マイアーが亡くなるとき、彼は世界一のお金持ちでした。

彼は、ユダヤ人は選ばれた民であり、世界を支配することが約束されていると信じていました。

そして、息子や孫たちが世界を実際に支配していきます。

フランクフルト・ゲットーのユダヤ人が、ユダヤ王として、世界の運命の決定権を持ちます。

マイアーの息子たちは、フランクフルト、ウィーン、パリ、ナポリ、ロンドンに5つの商会を作りますが、それらは全体に一つとしてまとまっていて、毎年フランクフルトで家全体の貸借対照表が作成されていました。

伸びている事業にロスチャイルド家全体のお金を重点的に注入してさらに事業を拡大することができました。

マイアーは早馬を駆使し情報伝達網を作り上げ、時には手紙の中身を盗み読みし、投資に生かしました。

ネイサンも、昼夜問わず早馬を駆けさせ、ドーバー海峡の船を全部買い取りました。

5人の息子たちは、マイアーの死後、いっそう情報を密にやりとりし、手紙の機密保持のためにヘブライ語を織り交ぜました。

ロスチャイルド家の情報は迅速かつ正確だったので、ヨーロッパ中の有力者がロスチャイルドの情報網を利用するようになります。

そして、ロスチャイルド家は、有力者の手紙もこっそり開封して、ロスチャイルド家の機密情報はどんどん増えていくのでした。

 



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