先日、帰宅して食事中。
うちに来ていた甥っ子6号が自分のもとへやってくる。
「おいちゃん、これ見てー。」
満面の笑みで手には紙切れ。
いつものようにお絵描きしたものを見せにきたようだ。
おそらく、普通のひとには何を描いているのかさっぱりだろう。
だが自分はひとめ見てそれが何であるのか判った。
「おっ!、スペースコロニーやん!」
スペースコロニー・・・。
アニメ、機動戦士ガンダムのシリーズに登場する架空の居住施設。
宇宙空間で人が住まうために建造された、巨大な人口施設。
全長35km,直径6.5kmにも及ぶ巨大な円筒状シリンダーで、
シリンダー内部の周りが大地となり、中心が軸となる。
外側には太陽光を取り込むためと、電力を供給するために、
巨大なミラーが三枚取り付けられてある。
常に回転することによって重力を得て、人が地球と同じように生活することができる。
5年前に行った、ガンダムワールドで展示されていた、
1/30,000スケールのスペースコロニーの模型。
機動戦士ガンダム、冒頭のナレーションで登場する、
ジオン軍のブリティッシュ作戦、コロニー落としのシーン。
機動戦士ガンダムZZに登場する、アイルランドのダブリンにコロニーが落とされるシーン。
機動戦士ガンダムF91に登場したスペースコロニー、サイド5のフロンティアⅣ。
F91はコロニーの構造が良く解る描写が多い。
戦闘によってコロニー外壁に穴が開き、内部の物質が宇宙空間に流出する描写もリアルに描かれる。
草木や土,岩,建造物のがれきや車,人や動物までも宇宙空間へどんどん放出されゆく。
放出される物のなかに、“ばりた”ってひらがなで書かれた看板を発見した。
“ばりた”って何?
甥っ子の描いたスペースコロニー、
先端に付いた、プロペラだか花びらのような4枚の物体。
これは宇宙船が出入港するスペースポート、
もしくはコロニー内部に太陽光を取り入れるための、外側に展開するミラーだろう。
反対側の先端には丸いフタだか栓のようなもの。
こっちがスペースボートを表しているのかもしれない。
本体が緑色しているのは、ガラスから見えるコロニー内部の大地の緑を表しているのだろう。
小学校一年生になったばかりの甥っ子6号。
小さい頃から、自分の家でガンダムのDVDやゲームを見て育った甥っ子。
部屋には所狭しとガンダムグッズも溢れている。
まだ幼いこの子を、よくもここまでガノタに仕上げたものだ。
それにしてもコロニーを描くなんて、なかなかしぶい子だ。
ちゃんとバーニアの噴射まで赤く塗って描いてある。
うん?
ここにポツンとあるのは何だ?
これ・・・ガンダム?
コロニーの脇に、一見ハエだかアブだか小さな羽虫のようなものが描かれていた。
だが、これもよく見りゃ、たぶんガンダム。
「うん、これガンダム。」
「コロニーをおしようと!」
得意げに答える甥っ子。
甥っ子がうちに来ていた春休み。
そのときに観せた、“機動戦士ガンダム 逆襲のシャア”。
あのラストシーンを描いたらしい。
「みんなで おちんように、こうやって おすんばい!」
効果音付きで両手を広げて喋る甥っ子。
「こっちの手に、シャアがのっちょった、こわれた まるいやつ もっちょんばい!」
凄いやん!
誉めつつも、頭のなかで修正する。
甥っ子よ、あれはコロニーじゃなくてアクシズだ。
小惑星アクシズ。
その前には“機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリーを見せた。
後半、敵のコロニー落としを阻止せんと、主人公たちが奮闘するシーンがあった。
甥っ子のなかで記憶がごっちゃになっていたのかもしれない。
まあ、ガンダムの世界をきちんと理解できるようになるまでは、
もうしばらくは時間がかかりそうだ。
おじさんは、じっくりと期待して待つぞ。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのラスト、シャアとアムロの対決に決着がついた後、
アムロはシャアの脱出ポッドを持ったまま、アクシズ落下を阻止しようと、
乗機 ν(ニュー)ガンダムでアクシズを直接押し返そうとする。
交戦していたロンド・ベルの他のモビルスーツたちも、アムロに続いてアクシズへ集結する。
援軍に来た連邦軍の他の部隊のモビルスーツたちも、ネオ・ジオンの残存部隊には目もくれず、
一直線にアクシズへ向かい集結する。
「ロンド・ベルだけにいい思いはさせませんよ!」
決死の覚悟でアクシズに取り付き、アムロへ強がりを言う連邦軍のパイロット。
名もなきキャラクターだけど、きっとパイロットとして一流の兵だったに違いない。
「地球がだめになるかならないかなんだ・・・やってみる価値はありますぜ!」
地球へアクシズを落下させ、人が住めないようにする作戦を決行した、シャア率いるネオ・ジオン。
その兵士たちまでもが銃を捨て、アクシズを押し返すのに加勢し始める。
スペースノイドにとっても、地球が人類の故郷として、かけがえのない存在だと気付いたのだろうか、
涙が込み上げてきてたまらないシーンでもある。
だが、νガンダム以外の機体は、地球の大気圏の摩擦熱に耐えられず、
バーニアが爆発し、そのまま機体とともに宇宙の塵となってゆく者も。
νガンダムは他すべてのモビルスーツを弾き飛ばして、
サイコフレームの光に包まれながら、単機でアクシズを押し戻す。
この頃にはもう号泣。
アクシズが地球から離れてゆき、地球上では新たな産声が聞こえる。
そのまま流れる、TM NETWORKのBEYONFO THE TIMEまでの流れは反則だ。
この逆襲のシャアのラストの一連のシーンが、
甥っ子の心に印象深く残ったのであれば、こんなに嬉しいことはない。
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