先日、仕事を休み、総合病院でいろんな検査を受けた。
8月の中旬に歯根嚢胞(しこんのうほう)という病気で歯茎の手術を控えており、それの事前検査にあたる。
前日の夜から絶食という条件があり、この暑さのなか、飲み物も飲めないという、
腹減った・・・喉乾いた・・・検査前からつらい。
まずはよくある尿検査。
紙コップを手渡され、専用のトイレへ案内される。
やべえ・・昨夜から飲まず食わずなうえ、家出る前にしてきたから一滴も出ないかもしれん・・・。
そんなことを思いながらも、紙コップを構え、必要最低量を絞りだす。
でもってトイレ内にある、処置室直通の小窓の専用のラックへ紙コップを置く。
さすが大きな病院は違うな。
こないだ小さな個人病院で健康診断受けたとき、
尿検査はふつうの窓口脇にあるトイレで、しかも男女共用のトイレでやらされた。
まあ自分は男だから、別になんということはないのだが、
直前に中学生くらいの女の子が、恥ずかしそうに紙コップを持って出てきたので、
あれは気まずくて仕方がなかった。
そして血液検査。
処置室に入り、左手に針を刺され血を抜かれる・・・。
これ苦手なのよね・・・普通の採血もだけど、
献血とかも大の苦手。
あっちは長時間で、しかも遠心分離機?の動作が、
針を通じて血管に伝わるので気持ち悪くってしょうがない。
試験管みたいなの二本分くらい血を採られた。
肘裏に絆創膏を貼られて次の検査へ。
次は出血時間検査。
耳たぶにチクっと針を刺され、故意に出血させ、
血液がきちんと凝固して止血するかどうかをチェックするもの。
しばらく放置されたが、とくに問題ないようで、すぐに終わった。
耳たぶにも小さな絆創膏を貼られ、次は処置室から移動。
放射線室へ移動。
ここで胸のレントゲン撮影。
上着を脱がされ、プレートに胸をあてがい、台の上に顎を置き、
両腕で外側のフレームを掴まされ、ヘンテコな格好で撮影される。
サクッと終了し、また移動。
心電図の検査。
心電図室へ移動して、ベッドに仰向けに寝かされ、
足首と胸部にコードが付いたものをペタペタと装着される。
シャツをめくって、地肌に何か塗られて装着される。
その作業をされながら、頭のなかで、「ちくしょう・・・なんで男なんだよ!」と。
自分よりもずっと若い男の看護師、若しくは医師。
いや装置使っているから技師とでも呼ぶべきなのかな?
まあ、それは置いといて、野郎に胸をこねくり回される微妙な感覚。
そしてラストは、肺機能検査。
肺機能検査室の前の長椅子で呼ばれるのを待つ。
自分の前には男性はブルーで、女性はピンクの専用の服を着せられた、
人間ドックの団体が順番待ちをしていた。
検査室からひとりの男性が出てきた。
大きくため息をつき胸をさすりながら、ゆっくりと椅子に腰を下ろす。
人間ドックの案内係のようなスタッフが、すぐにその男性に駆け寄る。
「お疲れ様でした!きつかったですね、この検査きついですもんね!」
そんなことを言いながら、その男性を次の検査場所へと誘導していた。
え?
そんなにもきついのか?
苦しいのとかやだなあ。
そんなことを考えながら、順番を待っていると、
検査室から、ものすごくきれいな女医さんが顔を出して名前を呼ぶ。
人間ドックの男性がひとり、返事して入って行った。
うほっ!
どれほどきつい検査なのか判らないけれど、あんな美人の先生にされるならば・・・!
そんなよこしまなことを考えながら、待っていると、
「ハァッッッ!!」
検査室から、さっきの女医さんの叫び声が!
そしてすぐに、
「ウォワッ・・・ゴホッ!ゴホッ!ゴホホホ・・・!」
男性の嗚咽と咳き込む声。
そしてまた、
「フンッ!!」
と、女医さんの叫び声。
するとすぐに男性が咳き込む。
「ゲホッ!!ゲホゲホ・・・。」
!?
なんだ?
なにやってるんだ?
しばらくして、男性が部屋から出てきた。
こわばった表情で、深いため息をついて疲れきった様子で椅子に座る。
そしてまた、すぐにあの案内係のスタッフが駆け寄り、
「お疲れ様でした!きつかったですね、苦しかったですね!」
次に入った男性も、そのまた次も・・・。
「ハァッ!」とか、「フンッ!」とか、女医さんの叫び声。
その直後に、苦しそうに、咽たり咳き込んだりする男性。
マジでどんな検査なのよ!?
肺ってことは、呼吸量とか肺活量とかそんなんじゃないの?!
頭のなかで、女医さんが掛け声とともに、男性のみぞおちを殴る光景が・・・。
そうやって、肺の頑丈さを確かめるとか・・・。
いや、そんな野蛮で原始的な検査なんかあるわけない。
でも、女医さんの叫び声と、男性患者の苦しい咳。
やっぱりどう考えても、パンチ繰り出してるわ・・・。
この空腹の状態でパンチ食らいたくはない。
そうして、とうとう自分の番がやってきた。
部屋から顔を出して、自分の名前を呼ぶ、美人の女医さん。
歳は30半ばくらいかな?
使ってるシャンプーは、ツバキか?アジエンスか?
つやの有る美しいセミロングのストレートの黒髪に、きっちりとしたメイク。
白衣の下、胸元から黒のシャツがのぞいている。
うわぁーーお!
モロにツボだわ!
こんな女性に、苦痛を与えられるならば、それもまたよし。
意を決して、案内された椅子に座る。
座標と折れ線グラフみたいなのが表示されているモニタ。
そして自分の前には、管付きのパイプが設置されている。
隣に座る女医さんが説明をはじめる。
管付きパイプを咥え、吸ったり吐いたりを繰り返してくださいと。
鼻をクリップのような器具でつまんで塞がれる。
言われるように、吸ったり吐いたりを繰り返す。
自分の呼吸に合わせ、前のモニタで線が上下に動く。
「では、小さく吸ったり吐いたりを繰り返して、
私が合図したら、もう吸えなくなる限界まで息を吸ってください。」
「はい。」
パイプを咥えたまま返事する自分。
まずは小さく吸ったり吐いたり・・・。
「では、限界まで吸ってくださーい・・・ハイッ!!!!」
外部の音が聞こえてこない密室で、すぐ隣に座っているのに、
なぜ、そんなでかい声で合図を出す必要があるのか?
「次は、息をめいっぱい吸って、
私の合図で、フンッーー!って思いっきり限界まで息を吐いてください。」
"フンッーー!"のときに、腕を前方に大きく伸ばした。
そんなジェスチャーを交えて、大きな声で説明してくれる女医さん。
外で待っているときに聞こえてきた、女医さんの叫び声の謎が解けた。
合図に合わせて限界まで息を吸い、そして限界まで思いっきり息を吐く。
が・・・別に咽たり咳き込むほどまで やる必要もなかろう。
妥協してそうなる前にやめたが、モニタで上下する線を観ながら、
女医さんは、「問題ないですねー。」と言ってくれた。
自分より前の患者さんら、本当に限界まで息を吐いたり吸ったりしていたのね。
若しくは喫煙者で、こういうのに弱いとかかな?
いや、初めての肺機能検査、
順番を待っているとき、いったいどんな検査だろうかと不安でたまらなかった。
女医さんと患者、外まで聞こえるような声で、あんなやり取り聴かされちゃ、そりゃ不安になるって。
しかしなぜだろう・・・案外普通の検査でちょっと、がっかり。
もっとこう、女医さんとガチでバーリトゥード的な・・・。
いや、そんなことより来月の手術だよ。
初めての手術、簡単なものらしいんだけど、これが不安でたまらない。
術後の痛みとかも心配だけど、手術・入院費用がもっと心配。
きちんと特約を付けて生命保険に入ってないといけないな・・・つくづくそう思った。
死亡保険金のみの安い掛け捨て保険なんて役に立たないや。
今回の検査だけで、こんだけ取られちゃったから、
手術と入院費用の総額を考えたら恐ろしい!
歯根嚢胞って初めて聞きましたが、
入院、手術とは大変ですね。
手術前には沢山検査が必要なのですね^_^;
肺機能検査は、私も何年か前に受けたことがありますが、
お医者さんの「ハァッッッ!!」「フンッ!」とかはなかったなぁ。
私も咳き込むまで息吐きませんでしたが、
今考えると、それでよかったのかな?
これから暑い時期に入院、手術と大変ですが、
どうかお大事になさって下さい(u_u)
コメントとお心遣いありがとうございます。
説明の際の叫び声、おそらくこの先生のクセというか、特長なんでしょう。
耳の遠い年配の患者さんの相手することが多くて、こうなってしまったとか?
若しくは普通のトーンで説明しても、
本気で息を吐いたり吸ったりしてくれなかったりするから、
あの気迫のこもった説明になったのかも?
病室には冷房も完備されているでしょうから、
首の壊れた扇風機とうちわしかない自分の部屋よりは快適に過ごせそうです。
いびきが凄いので、入院部屋は個室で希望を出したのですが、1日1万円・・・。
いったい出費がどれくらいになってしまうのか、そっちの方が心配です。
これまた臨場感のある実況ですね。
と言うより、私はそれを実施する側の人間ですのでこういう新鮮な感想など非常に興味深いです。
肺機能検査は、おっしゃる通り説明しても適当にしか吸い込まない人や吐き切る前に止めてしまう人とかが多いので、
あれぐらい大袈裟に一緒にそれをやっているかの様なジェスチャーになっちゃうのです。
吸い込む方はまだ良いのですが、特に吐き切る方が途中で再度息を吸ってしまったりしてやり直しになる人が多いため、
「はい!一気に吐く吐く吐く吐く~~~!」と肺を完全に搾り切る様なイメージで。
何回もやり直しになってお互いイライラしたり後ろの人を待たせるよりは、多少オーバーアクションでも一回でクリアする方が絶対良いですのでね。
ちなみにこれを臨床の現場でやっているのは女医ではなく臨床検査技師です。
医師が登場するのは基本的に診察と内視鏡の検査だけです。
心電図も眼底もエコーも胸部撮影もバリウムも技師が行います。
採血は技師もしくは看護師が行います。
個人経営の医院とかでしたら1人で全部やりますけどね。
入院手術するほどとはなかなか厄介そうですが、放置はマズい病気の様ですので頑張って治してきてくださいね。
肺機能検査(呼吸機能検査)自体の意図を。
仰る様に要するに「肺活量」などを調べる検査なのですが、
肺活量だけでしたら、
目いっぱい吸い込んで吐ききる。だけで測れますね。
一気に「フ~~~!」を全力で吐くのは何してるのかというと、「一秒率」という物を測っています。
その吸い込んで吐ききった全量(肺活量)のうちの何パーセントを1秒のうちに吐ききれるか。
普通の健常な人はほとんど吐ききれます。
しかし喘息(気管支が収縮してしまって空気を出せない)や肺気腫(肺胞がベロベロになってて弾力なく収縮できない)などがあると、
一気に吐こうとしても抵抗があったり肺を縮める力が弱かったりして吐けません。
もしこれらの成績が極端に悪かった場合、要するに呼吸機能が著しく低下している場合、
全身麻酔する様な手術を行って人工呼吸器を喉から抜管した「あと」に、
自発呼吸の回復が鈍かったりして術後肺炎などを引き起こす恐れがあるので、それを事前にチェックしているわけです。
本当は閉塞性肺疾患(上記の様な空気を出せない病気)も拘束性肺疾患(肺線維症など空気が入らない病気)も無いのに、
呼吸機能検査をする時にその意味が解らずテキトーに吸って吐いて途中で再度吸ったりして、悪い成績が出てしまったために全身麻酔手術は受けられません。
という事態は、検査する人間としては最も避けたいところですね。
なので全力で最高の成績を出してもらうためにあんな風になるわけです。
コメントとお心遣い、ありがとうございます。
えっ!?
もうこういう実務(若しくは実習)をなさってる段階だったの!?
数年前まで高校生だったはずなのに・・・時の流れは早いのう。
そう考えると自分も老けるわけで、体のあちこちもガタが来るわけで・・・。
専門家からの詳しい解説、なるほどね~と読ませていただきました。
検査の意図や必要性、しっかり把握することができました。
うむ、やっぱり、きちんとした数値を得るために、
患者に本気を出させるため、必然的にダイナミックな指導になるわけですね。
今回の手術、全身麻酔で行うそうなので、
この検査も重要だったってことですね。
歯根嚢胞については、また後日に詳しく記事にするつもりですが、
冬に顔のカタチが変わって数日間、点滴で絶対安静という目に遭いました。
その時すでに、レントゲンを見て口腔外科の先生が手術を決めました。
本来、春にやる予定でしたが、ばね指なんか発症してしまい、
仕事にも私生活にも支障があるため、ばね指の治療の方が優先だろ?!って思い、
夏にズレ込んだわけです。
けっきょく、ばね指は完治することなく仕事復帰したため、よけいに悪化してしまいましたけどね・・・。
あっちの方も、いつかちゃんと治療しなくちゃならないな・・・。