スーパーで缶チューハイ売場を物色する。
毎日は飲みやしないが、風呂上がりに一本飲みたくなるときがある。
別にチューハイの類でなくてもいいのだけど、
牛乳や麦茶じゃなく、チューハイ気分のときだってある。
なので冷蔵庫に常に2・3本は缶チューハイをストックしておきたい。
ほろよい,氷結,本絞り,直絞り・・・。
定番のブランドを見渡す。
季節限定のものもあるけれど、毎年のことなのであまり代わり映えはしない。
けっきょく氷結か本絞りの柑橘系で落ち着くか。
そう思っていると、見たことのない商品が目に付いた。
グリーンとシルバーの缶。
パッケージにかつお菜によく似た、アブラナ科の葉っぱのイラスト。
中央にレモンが描かれている。
“ザ・ケールサワー”
ケールって、あのケール?
いや、この葉っぱ、確かにあのケールだわ。
ファンケルってあの化粧品のファンケル?
思わず缶を手に取って見る。
ケールといえば、アブラナ科の野菜、キャベツの原種と言われている植物。
アブラナ科特有の青臭い香りが強く、苦みもある菜っ葉。
食物繊維やビタミン類が豊富で、あのマズくて有名な健康飲料、青汁の主原料でもある。
広義にはキャベツのことも指すようだが、
日本でケールといえば間違いなく、この苦マズい菜っ葉のことだ。
ケール味のチューハイって・・・。
間違いなくマズいに決まってる。
だが・・・これは飲んでみらずにはいられない。
そんな衝動に駆られ、とくに躊躇せず二缶カゴに入れた。
ケールといっても種類がたくさんあり、
葉に独特のウェーブがかかって面白い形をしていて、
食用のみならず、アレンジメントで葉モノとして使用される品種もあるし、
品種改良が進み、苦みが抑えら、サラダでふつうに食べられるケールもあるそう。
なので、このザ・ケールサワーも、
「マズい!」と、八名信夫ばりに顔をしかめて叫ぶほどのものではないかもしれない。
色味だけだと、さわやかで実にうまそう。
冷蔵庫で冷やし、さっそく飲んでみる。
まず缶を開ける。
そのときにふわっと香る匂い。
・・・!
くさっ!
野沢菜漬けというか高菜漬けというか、菜っ葉の漬物の汁のような香り。
こりゃ匂いじゃなく、臭い(におい)だ。
これは想像以上にケールが強いかもしれない。
おそるおそるグラスに注ぐ。
淡ーいグリーン、うぐいす色というか、そんな感じのきれいな色をしている。
はじける炭酸とともに、やっぱり香ってくる漬物臭。
これを飲む。
ん!?
においを気にしなきゃ飲める・・・。
苦みもないし、案外おいしいかもしれないぞ。
あ・・・いや、やっぱ漬物だわ。
漬物の汁に砂糖とレモン果汁を加え、炭酸で割ったような、そんな味。
そう考えると、ちょっとつらくなってくる。
なのでチビチビやらず、一気に飲み干す。
缶に残っていたぶんをグラスに移す。
!
さっきと色が違う。
なんだか青みが濃い色に。
それに加えて黄ばみも・・・。
モスグリーン・・・いや違う、なんだか形容し難い濁った色だ。
沈殿していた後半のやつ。
高菜の汁のような色。
これは底の方にケールの成分が沈殿していたってことか?
缶をよく見ると、一度 逆さまにしてからお飲みくださいとあった。
やっぱりそういうことか。
となると、成分の濃い後半のこれはきついぞ。
においも味もさっきの倍くらいきつい!
これもチビチビやらず、一気に飲む。
ぶはぁ・・・まずい!
もう一杯!
・・・とはならなかった。
まずい止まり。
ふだんからグリーンスムージーなんか飲んでいるような、
健康志向の女性をターゲットにした商品だろうか?
それともこんな味を好む層が居るのかしら?
まあ昨今の異様なパクチーブームなんかを考えれば、
こんなクセのある味を好む人たちが居てもおかしくはないか。
飲めないほどではないが、少なくとも自分は美味しいとは思わなかった。
いくら体にいいと言われても、他のものをチョイスするね。
いや、本気で体のことを考えるならば、まず缶チューハイなんてチョイスせんし、
我慢してでも、本当の青汁を飲むさね。
まあ、ネタ商品ってことで。
あ、販売元は真面目かもしれんけど。
どこのメーカーだ?
って思ってみたら、三菱食品※ってなっていた。
!?
あの三菱グループか!
食品事業まで展開しているとは知らなかった。
さすが財閥。
※製造元は広島の飲料・酒造メーカー、三幸食品工業。
たぶん三菱食品からの委託製造だろう。
これは白菜。
これから鍋の季節、欠かせない野菜となる。
白菜もケール,キャベツと同じアブラナ科。
そして白菜漬の汁も、似たようなにおい・・・。
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