熊本県菊池市に住んでいる弟が、手土産に買ってきてくれたお菓子。
これが、なかなか面白いお菓子だったので紹介したい。
熊本県菊池市にある老舗菓子舗、正観寺 丸宝の"松風”。
"日本一うすい和菓子"を謳っている、シンプルな焼き菓子。
お茶菓子として、茶道家の方はじめ、地元の人々から愛され続けているお菓子らしい。
かなり渋い包装紙。
鎌倉時代に菊池市を支配していた菊池武時が討ち死にを覚悟し、
辞世の句を詠んで息子に託すというエピソードが描かれているとか。
箱を開けると、和紙風の包装紙に包まれた四角いお菓子が並んでいた。
個包装をひとつ手にとり、これを開けて驚く。
細くて薄っぺらいお菓子が重なって包まれていたのだ。
実は、個包装を開くまで、"日本一うすい和菓子"って謳い文句をちゃんと見てなかった。
どんなお菓子なのかも知らずに開けて、びっくりした。
なるほど、お茶受けにぴったりなサイズだ。
24枚だったかな?
極薄のお菓子が、こんな感じで重なって包まれていた。
せんべいの表面には、けしの実がふりかけられている。
長さは4cmくらいで厚さは1.2mmの薄いせんべい。
食べると、なんとも歯ごたえがいい。
味は、まあごくふつうの玉子せんべいのそれ。
その薄さと表面にまぶされた けしの実がアクセントになっていて、食感がいい。
甘さは控えめで、砂糖は甜菜糖を使用しているとか。
本来は上品に、一枚ずつ つまんで食べるのだろうが、
じれったいので、2・3枚ずつ食べてしまう。
形状で想像つくが、非常に湿気に弱い。
個包装のみならず、外装のビニールを開封した時点で劣化が始まる。
個包装を開けたら、その時点で食べ切るのはもちろん、
外装のビニールを開けたら、未開封の残りも数日のうちに食べ切った方がいい。
もらったのが、ちょうど梅雨時だったこともあり、
食べ残したぶん、個包装未開封の状態で一気にしっけてしまった・・・。
厚さ1.2mmで、日本一うすい和菓子らしい。
箱に同封されていた栞を見ると、皇室にも献上されている由緒あるお菓子。
全国菓子博覧会などでも受賞歴が多数ある。
ただ、よく解らないのが、
>「正観寺 松風」は弊舗の銘菓として三百年の古き歴史を有し・・・
とあるのに、この菓子舗、創業明治30年って書いてるんですけど・・・?
計算が合わない。
300年前っていったら、江戸中期だよね?
徳川吉宗が将軍に就いて享保の改革やった年だよね?
この菓子舗の創業前は違う菓子舗が作っていて、
明治に入って のれん分けしてレシピもらって受け継いだとかかな?
栞の表紙には、頑固そうなおっさんが、この松風を作ってる様子の写真。
この菓子舗の三代目店主だそう。
あのちっちゃい欠片でなく、この三代目が手にしている、
カットする前のでっかいのバリバリと食べてみたい!
そんな無粋なことを考えながらも、これより薄いお菓子ないかな?
なんてことを考えて、すぐに思いついたのが、菓道の蒲焼さん太郎。
さっそく購入してきて、薄さを比較してみた。
あ、立ち寄ったスーパーが、蒲焼さん太郎が売ってなくて、焼肉さん太郎にした。
微妙だけど、焼肉さん太郎の方が薄いかな。
まあ、焼肉さん太郎は、駄菓子であって和菓子ではないので、
"日本一うすい和菓子"という謳い文句は破られていない。
和菓子で薄いの・・・。
京都の生八ツ橋,水戸の のし梅・・・どっちも確実にこれより厚いな。
他に薄いのあったっけ・・・?
そんな感じで、熊本では有名なお菓子、
日本一うすい和菓子、正観寺 丸宝の松風。
栞には、松風しか紹介されていない。
他にどんなお菓子作ってんのかな?
この菓子舗のサイトをのぞいてみたら・・・この松風ひと品だけで経営していた!
商材一種のみで、今日までやってきているなんて、松風どんだけ凄いお菓子なんだよ!
ところ変われば色々なお菓子があるんですね〜
私もカットする前の大きいの、
バリバリ食べたいなぁ。
それにしても、
一品だけで商売成り立つとは、スゴイです。
コメントありがとうございます。
繊細な雰囲気の上品なお菓子ですよね。
夏だけど熱い煎茶で食べたい逸品です。
日本全国、まだまだ知らないお菓子がたくさんあります。
日本じゅうの銘菓を制覇してみたい!
このお菓子屋さん、信じられないけれど、
本当にこの松風だけしか作ってないんですよ。
商品が数点あるんですが、
単なる入数違いと、桐箱入の贈答用のものとか、
そういう違いでの商品数で、お菓子は本当にこれのみ!
抹茶味とか、生姜味とか、
せめて味にバリエーションがあってもいいと思うんですが、
あの写真の大将、頑固一徹そうだからなあ・・・。