べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

共通テストに出ます。中学三年国語[古文(3)]

2016年10月07日 | 高校受験大学受験
[前回の解答]

1,もちいる
2,むかし
3,つけ竹によく火がつかなかったので、つけ木の代わりに使うのをやめた。
4,エ、カ


続きです。前回はこちら

時代が変われど、ひとの気持ちは変わらない。冬の早朝、部屋を温めようと冷えた廊下を急ぐキリリとした気分。1000年以上前から、ひとの気持ちは変わりません。1000年後もたぶん変わらないでしょう。読み継がれてきた古典から変わらないことを具体的に知る。わたしたちが古文を学ぶ一番の理由です


古文の配点は50点中10点。歴史的仮名づかい、主語を補(おぎな)う、会話や引用部分の把握(はあく)と素直な出題。一度身に付けば取りやすい古文を解こうよ!

※先に注釈(ちゅうしゃく・単語の説明)や問いから読んでなんの話かつかんでから、古文本文へ戻って読めばラクだよ

1,五七調に慣れる
2,現代語訳を読んで、よく扱われる内容に慣れる


[歴史的かなづかい](←必ず出るぞ!教えたぞ!写せ!!)

は→わ、ひ→い、ふ→う、へ→え、ほ→お(語頭と助詞は変わらない)

※語頭は、それぞれの単語の始めの文字。助詞は、活用のない付属語のこと。「私は」「相手を」の「~は」「~を」など

ゐ→い、ゑ→え、を→お、ぢ→じ、づ→ず、ぐあ→が、くあ→か

あう→おう、いう→ゆう、えう→よう


さて、今日の本題

区切りを予測しながら[古文本文]を音読→[現代仮名づかい]を音読→[現代語訳]で内容把握。

今日は音読で古文に慣れてください。省略された主語や会話を意識すれば内容もつかめます。登場人物は本文初めに書いてあります。主語はその登場人物の誰かだよね。なお「給ふ(う)」は尊敬語で、その主語の人物を尊敬して使います。会話や引用の後には「~と(言へり)」「~と(思へど)」なんかがあるよ。音読でまずは古文に慣れましょう


それだけで終わりじゃない。あなたの目的は物知り博士になる、ではありませんよね

後で問題を解きましょう。学校の受験用教材や中3クラブ(熊日販売店で無料でもらえる公立私立過去問冊子)が使えます。解いてやり直しをしたら得点が上がります。やり直しをしたら「必ず」上がります。読むだけじゃやり直しとは言いません。例えば知らなかったことはノートに写す。自分でやらないと得点は上がらないよ

自分だけじゃやり直しが終わらない?

先生ってそのためにいるんです。お話を聞いてるだけでいいなら先生はいらない(ビデオで充分)。受験用教材の解説とまとめのページを使い知らなかったことをノートに写してから、そのノートを持って質問へ行こう。自分でできることをやった人なら喜んで教えてくれます。先生が好きなのは(頭のいい子より)やる気を見せる子です。だって教えたら一番伸びるんだもん


平成28年度熊本県公立高校入試より

[古文本文]
菓子をあきなふ新右衛門(しんえもん)といへるは、少欲至直にして、日ごとに買ふ品の価(あたひ)をあらそふ事なく、売る人のいふままにまかせてもとめければ、家内の者いぶかりて、「商人はいづれも同じ事にて、その価の高下をあらそふならひなるに、いかなればかくいふままにはしたまふぞ。」といふをききて、「かれらは日ごとに重きを荷(にな)ひて、朝はとく出(い)で、ゆふべには遅く帰る。ことに暑寒の折からは其(そ)のくるしみいふべくもあらじ。おのれらは年中店に居て風雨のうれへもなく家業をいとなむはありがたき事ならずや。たとひ人にもの施す事はなしがたくとも、せめてはその価をあらそはずしてもとめなば、すこしはかれらがたすけともならんか。」といひけり。後々は新右衛門が情けある事をしりて、売る者も価を低くして持ち来たりしとなん。

至直=極めて正直なこと。
いぶかりて=「不審に思って」の意味。
いふべくもあらじ=「言いようもないだろう」の意味。
もの施す事はなしがたくとも=「ものを与えるのは難しいとしても」の意味。


[現代仮名づかい]
菓子をあきなう/新右衛門(しんえもん)といえるは、少欲至直にして、日ごとに/買う品の価(あたい)を/あらそう事なく、売る人のいうままに/まかせて/もとめければ、家内の者/いぶかりて、「商人は/いずれも同じ事にて、その価の高下を/あらそうならいなるに、いかなれば/かくいうままには/したまうぞ。」というをききて、「かれらは/日ごとに重きを荷(にな)いて、朝はとく出(い)で、ゆうべには遅く帰る。ことに暑寒の折からは/其(そ)のくるしみ/いうべくもあらじ。おのれらは年中店に居て/風雨のうれえもなく/家業をいとなむは/ありがたき事ならずや。たとい/人にもの施(ほどこ)す事は/なしがたくとも、せめては/その価をあらそはずして/もとめなば、すこしは/かれらが/たすけともならんか。」といいけり。後々は/新右衛門が情けある事をしりて、売る者も/価を低くして持ち来たり/しとなん。


[現代語訳]
菓子屋を営(いとな)む新右衛門という人は、欲が少なく極(きわ)めて正直で、毎日買う品物の価格を交渉もせず、売る人のいうままに買っていたので、家の者は不審(ふしん)に思って、「商人であれば誰でも同じことで、その価格の高い安いを交渉するものなのに、どうしてこのようにいうままにお買いになるのですか。」というのを聞いて、(新右衛門は)「彼らは毎日重い荷物をかつぎ、朝早く出て、夕方遅く帰る。とくに寒暖の厳しい時はその苦労はいいようもないだろう。自分たちは、年中店にいて風雨の心配もなく、家業を営むのはありがたいことではないか。たとえ人にものを与えるのは難しいとしても、せめて価格を交渉せずに買えれば、少しは彼らの助けになるだろう。」といった。この後は新右衛門が情(なさ)け深いことを知って、売る者も価格を下げて持って来たということだ。



平成25年度熊本県公立高校入試より

[古文本文]
帝(みかど)、月の夜笛吹き給(たま)ひけるに、その声竜の鳴くにたがはず。術者これを聞きて、竜の鳴くぞと思ひて、竜の声とどむる符を作りて、これを封じてけり。そのとき帝にはかに手すくみ、息つまりてえ吹き給はず。宮中さわぎて嘆くこと世に聞こえて、天下の愁(うれ)へなりけり。これを彼(か)の術者もれ聞きて、我が術のしるしあることをさとりて、符を破りてければ、帝もとのごとくになり給ひにけり。これよりぞ御笛をきはめ給へることを知り給ひける。

(「じっきんしょう」による。)

竜=想像上の動物。古来神聖なものとされていた。
術者=不老不死の術や医術、占いなどを行う人。
とどむる=「制止する」の意味。
符=まじないのふだ。
にはかに=「突然に」の意味。
え吹き給はず=「吹くことがおできにならない」の意味。
宮中=宮殿の中。ここでは、そこにいる人々のこと。
世に聞こえて=「世間に伝わって」の意味。
愁へ=心配
しるし=ききめ。


[現代仮名づかい]
帝(みかど)、月の夜/笛吹き給(たま)いけるに、その声/竜の鳴くに/たがわず。術者/これを聞きて、竜の鳴くぞ/と思いて、竜の声/とどむる符(ふ)を作りて、これを封(ふう)じてけり。そのとき帝/にわかに手すくみ、息つまりて/え吹き給わず。宮中さわぎて/嘆(なげ)くこと/世に聞こえて、天下の愁(うれ)えなりけり。これを/彼(か)の術者/もれ聞きて、我が術のしるし/あることを/さとりて、符を破りてければ、帝/もとのごとくに/なり給いにけり。これよりぞ/御笛をきわめ給えることを/知り給いける。


[現代語訳]
帝が、月の夜に笛をお吹きになったところ、その音が竜が鳴く声とそっくりであった。術者がそれを聞いて、竜が鳴いていると思って、竜の鳴き声を止めるまじないのふだをつくって、これを封じた。その時帝は急に手がすくみ、息が詰まって吹くことがおできにならなくなった。それをその術者が聞いて、自分の術の効き目があったということを悟(さと)り、ふだを破ったところ、帝はもとのようにおなりになった。これによって、帝は、自分が笛を極(きわ)めなさったことをお知りになった。

※笛を極めると、本物の竜の声だとまじないのふだでさえ勘違えましたって不思議な話


今年は五教科1冊になった過去問集を買いました。2ヶ月弱でボロボロに。資料として保存する気ならこれでもいいんですが、受験生が学習で使うには教科ごと分冊スタイルがいいなあ。あ!問題集参考書は解説が詳しいものを選ぶのが一番だからね。また高校では自力だけでいけることはまずありません。問題集は、高校での授業を受けてから、問題が少ない薄いヤツをまず買ってちょうだい(藤田)



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