べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

共通テストに出ます。中学三年国語[古文(2)]

2016年10月04日 | 高校受験大学受験
[前回の解答]

1,あじわい
2,エ
3,塩を添へたる湯漬け
4,思いがけず得た感動を再び味わうのは難しいという共通点。


続きです。前回はこちら

古文の配点は50点中10点。歴史的仮名づかい、主語を補(おぎな)う、会話や引用部分の把握(はあく)と素直な出題。一度身に付けば取りやすい古文を解こうよ!

当たり前だけど、古文は日本語です。ことばのカタチが残ってますから類推(るいすい)ができます。読みにくいのは、ことばの区切りが分からないから。ポイントを知って、慣れましょう↓

※先に注釈(ちゅうしゃく・単語の説明)や問いから読んで、なんの話かつかんでから、古文本文へ戻って読めばラクだよ

1,五七調に慣れる
2,現代語訳を読んで、よく扱われる内容に慣れる


時代が変われば交通や通信、様々なことが変わっていきます。でも、ひとの気持ちは変わらない。遠く土佐から帰京した日、家の松を見ていっしょに帰れなかった幼い娘が思い出されて悲しい。1000年以上前から、ひとの気持ちは変わりません。1000年後もたぶん変わらないでしょう。読み継がれてきた古典から変わらないことを具体的に知る。わたしたちが古文を学ぶ一番の理由です


さて、今日の本題

[歴史的かなづかい](←必ず出るぞ!教えたぞ!写せ!!)

は→わ、ひ→い、ふ→う、へ→え、ほ→お(語頭と助詞は変わらない)

※語頭は、それぞれの単語の始めの文字。助詞は、活用のない付属語のこと。「私は」「相手を」の「~は」「~を」など

ゐ→い、ゑ→え、を→お、ぢ→じ、づ→ず、ぐあ→が、くあ→か

あう→おう、いう→ゆう、えう→よう

※クチで話されるうち書きことばも変わっていきます。それが歴史的かなづかい。丸ごと暗記より、ここが歴史的かなづかいだなと気付けばいい。問題を解きながら慣れればいい。必ず出るよ


前回の古文本文から、歴史的かなづかいを直してみましょう。 歴史的かなづかいを直すだけでずいぶん読みやすくなります

人に饗応(きょうおう)せられたる物をうましと思ひ、それを家にてこしらへ食する時は、外にて食したる時よりはあじはひうまからず。いかにとなれば、家にては思ひまうけて食ふがゆゑなり。食は、はからずして食する物にうまみはあり。されば粗食たりとも、うまきは思ひよらざる所にあり。また、その時と所と、わが腹中に応じて、口にかなひたるよりうまき物はあるべからず。塩を添へたる湯漬けも、空腹には山海の珍味よりもうまし。絵の道もしかなり。初めに画(か)きたるごとくと望めども、写し出(い)でなば格別、筆勢墨色すべて、前によることなく、ふたたびならひすることありがたし。



人に饗応(きょうおう)せられたる物をうましと思い、それを家にてこしらえ食する時は、外にて食したる時よりはあじわいうまからず。いかにとなれば、家にては思いもうけて食うがゆえなり。食は、はからずして食する物にうまみはあり。されば粗食たりとも、うまきは思いよらざる所にあり。また、その時と所と、わが腹中に応じて、口にかないたるよりうまき物はあるべからず。塩を添えたる湯漬けも、空腹には山海の珍味よりもうまし。絵の道もしかなり。初めに画(か)きたるごとくと望めども、写し出(い)でなば格別、筆勢墨色すべて、前によることなく、ふたたびならいすることありがたし。



人に/饗応(きょうおう)せられたる物を/うましと/思い、それを/家にて/こしらえ/食する時は、外にて/食したる時よりは/あじわい/うまからず。いかにと/なれば、家にては/思いもうけて食うがゆえ/なり。食は、はからずして/食する物に/うまみは/あり。されば/粗食たりとも、うまきは/思いよらざる/所に/あり。また、その時と/所と、わが腹中に/応じて、口に/かないたる/より/うまき物は/あるべからず。塩を/添えたる/湯漬けも、空腹には/山海の珍味よりも/うまし。絵の道も/しかなり。初めに/画(か)きたるごとくと/望めども、写し出(い)でなば/格別、筆勢墨色すべて、前によることなく、ふたたび/ならい/すること/ありがたし。


次の入試問題を解いてみよう↓。どこから読んだらつかみやすいんだったっけ?前回はこちら

5、次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

ある人、木のつひえをいとひ、乗り物の棒さへ細めしとき、むかしはささら竹に硫黄をつけ、これをつけ竹と言ひしに、今の世、つけ木をもちゐるはいかんと、こざかしき人の言へるにより、さらばとて、つけ竹に改めけれど、火よくつかずして、ほどなくやみてけり。
小事に心をもちゐるもをかし。また話のみ聞きて、いまだこころみざる事を、みだりに言ふもうらめし。

(雨森ほうしゅう著「たはれ草」による。)

つひえ=費用がかかること。
いとひ=「いやがり」の意味。
乗り物の棒=駕籠(かご)の長柄(ながえ)。(駕籠をかつぐための棒を指す絵が添えられている)
ささら竹=先をこまかく割った竹。
つけ竹=檜(ひのき)・松・杉などの薄い木片の先に硫黄(いおう)えお塗りつけた「つけ木」が、火を移すのに一般的に使われていた。「つけ竹」は、つけ木の木の代わりに竹を使ったもの。
こざかしき=「利口ぶった」の意味。
をかし=ここでは、「滑稽(こっけい)だ、おかしい」の意味。


1、傍線部(1)の部分「もちゐる」を現代かなづかいに直して、ひらがなで書きなさい。

2、傍線部(2)の部分「こざかしき人の言へる」で、「こざかしき人」が「ある人」 い言ったことばは文章中のどの部分か。その部分のはじめの三字を書きなさい。

3、傍線部(3)の部分に「やみてけり」とあるが、「ある人」は、どんな理由でどうしたのか。三十字以上、四十字以内で書きなさい。

4、この文章で述べられている内容として適当なものを次のア~カから二つ選び、記号で答えなさい。
ア、ささいなことでも軽視してはいけない。
イ、過(あやま)ちに気づいたときにはすぐ改めるべきだ。
ウ、一度始めたことは続けることが大切だ。
エ、本来の目的を見失うのは愚かなことだ。
オ、まずは試してみようという姿勢が必要だ。
カ、自分の発言には責任を持つべきである。

(平成26年度熊本県公立高校入試より)


[解説]

まず、古文本文の後にある注釈(言葉説明)と問いは目を通したね。「つひえをいとひ」だから、費用がかかることをいやがっています。つまりケチの話。登場人物は、「ある人」と「こざかしき人」の二人だけ。筆者がある人のケチをどう感じたかが最後に書かれています。筆者が言いたいことはだいたい最後。特に最後の文の文末の述語!

小事に心をもちゐるもをかし。また話のみ聞きて、いまだこころみざる事を、みだりに言ふもうらめし

「をかし」は、この文では…どっかに書いてあったな


五七調に慣れるため、一度区切りを入れながら音読しよう(慣れるには音読!)↓

ある人、木のついえを/いとい、乗り物の棒さえ/細めしとき、むかしは/ささら竹に/硫黄をつけ、これを/つけ竹と/言いしに、今の世、つけ木を/もちいるは/いかんと、こざかしき人の/言えるにより、さらばとて、つけ竹に/改めけれど、火よくつかずして、ほどなく/やみてけり。
小事に/心をもちいるも/おかし。また話のみ聞きて、いまだ/こころみざる事を、みだりに/言うも/うらめし。


つかみかけてきた。解けそうならここで問いを解いてみよう↑


難しいと思うなら、ここで現代語訳を読んでしまえ↓

[現代語訳]

ある人が、木の費用がかかることをいやがり、乗り物の長柄(=担ぐための棒)さえ細くさせた時、「むかしはささら竹に硫黄をつけて、これを『つけ竹』といっていたのに、今の時代につけ木を使うのはいかがなものか」と利口ぶった人が言っていたので、それならというわけでつけ竹を使うようにしたが、これは火があまりつかなかったために、すぐに使うのをやめてしまった。こまごまとしたことを気にかけてばかりいるのも滑稽なことだ。また、人の話だけを聞いて、実際にやってみた訳でもないことを、やたらといいふらすのも残念なことだ。

さあ、ここからは自分で解け。できるよ、日本語だもん


解答は次回。続きます(藤田)


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