べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

「大造じいさんとガン」を読もう(1)|まず音読、ほんとうに読めてますか?

2010年10月16日 | 国語
 関連記事;「国語は勉強しなくてもわかるよ」


 まずは音読。すべて音読をしてください。


 次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。

 残雪(ざんせつ)は、大造(だいぞう)じいさんのおりの中で、ひと冬を越しました。春になると、そのむねのきずも治り、体力も元のようになりました。

 ある晴れた春の朝でした。

 じいさんは、おりのふたをいっぱいに開けてやりました。
 残雪は、あの長い首をかたむけて、とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。が、
 バシッ。
 快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。
 らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました。
「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。な、おい。今年の冬も、仲間を連れてぬま地にやって来いよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」大造じいさんは、花の下に立って、こう大きな声でガンに呼びかけました。そうして、残雪が北へ北へと飛び去っていくのを、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。

 いつまでも、いつまでも、見守っていました。

大造じいさんとガン』椋鳩十(むく・はとじゅう)

 ここまで音読です。





「次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。」
→ここも声に出して読みましたか?

「すべて音読をしてください。」
→この指示がわかっていませんね。

「学校のテストでは読まなくてもわかるよ」
→これは学校のテストではありません。指示もだしています。

「テストではだいたい取れてるから大丈夫だよ」
→読みとばすから"だいたい"しか取れないのかもしれませんよ。


 あなたが大人になり仕事をします。「この仕事を仕上げてください」「だいたいできました」。あれ?あとはだれかが仕上げてくれるのでしょうか?

 毎日使うことばだから、国語はだれでも"だいたい"わかります。でも大人になるまでに、相手の考えを"正確に"理解し自分の考えを"正確に"伝える、"対話"の訓練を済ませておく必要があります。それが国語ができたということなのです。

 続きます。(塾長)


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