写真は、秋の夕暮れ。幽玄(ゆうげん)とは、神秘的(しんぴてき)な奥深さを感じさせる静かでものさびしい美しさをさします。
声に出して、聞いてもらおう。前回に続き、和歌(わか)のなかから、伝えたい気持ちを対比(たいひ)して強調(きょうちょう)する表現(ひょうげん)をみつけます。いつ・どんなときと比べて、「ものさびしい」のかを読みとろう。
あきのこえ【秋の声】
秋の、木の台にのせた布を木づちで打つ砧(きぬた)の音や風の音など、ものさびしい秋の情趣(じょうちょ)を感じさせる音。和歌では、何の音というのではないが、ものの哀れ(あわれ)を深くおぼえさせる静かでものさびしい幽玄な音の意にもいう。
奥山(おくやま)に / 紅葉(もみじ)ふみわけ / 鳴く鹿の / 声きく時ぞ / 秋は悲しき
山の奥深くで、つもったもみじをふみわけて、雌(めす)の鹿を恋(こ)い慕(した)って鳴いている鹿の声を聞くときには、何にもまして秋が悲しく感じられる。
鹿の鳴き声がきこえる奥山。赤や黄色のもみじは、色がにぎやかだ。でも、人はいなくてたいそう静かだ。夏にはあれほど鳴いていたセミの声も、もうしない。色と音を対比してみた。
み吉野(よしの)の / 山の秋風 / さ夜(よ)更(ふ)けて / ふるさと寒く / 衣(ころも)打つなり
吉野の山から冷たい秋風が吹(ふ)き降(お)ろし、夜もふけて、かつて都(みやこ)であったこの吉野の里(さと)はさらに寒くなり、砧(きぬた)で衣を打つ音が寒々(さむざむ)と聞こえてくることだよ。
都は、政治の中心地。都だったむかしは、ここもたいそうにぎわっただろう。いまは、冷たい秋風が吹き、砧のトントンという音ぐらいしかしない。むかしといまを対比してみた。
和歌のなかの秋は、なんとはなくさびしい。でも、おちついた静かな美しさがあります。にぎやかだった夏やこれからきびしくなる冬と対比して、「ものさびしい」気持ちを強調しているのですね。(塾長)
声に出して、聞いてもらおう。前回に続き、和歌(わか)のなかから、伝えたい気持ちを対比(たいひ)して強調(きょうちょう)する表現(ひょうげん)をみつけます。いつ・どんなときと比べて、「ものさびしい」のかを読みとろう。
あきのこえ【秋の声】
秋の、木の台にのせた布を木づちで打つ砧(きぬた)の音や風の音など、ものさびしい秋の情趣(じょうちょ)を感じさせる音。和歌では、何の音というのではないが、ものの哀れ(あわれ)を深くおぼえさせる静かでものさびしい幽玄な音の意にもいう。
奥山(おくやま)に / 紅葉(もみじ)ふみわけ / 鳴く鹿の / 声きく時ぞ / 秋は悲しき
山の奥深くで、つもったもみじをふみわけて、雌(めす)の鹿を恋(こ)い慕(した)って鳴いている鹿の声を聞くときには、何にもまして秋が悲しく感じられる。
鹿の鳴き声がきこえる奥山。赤や黄色のもみじは、色がにぎやかだ。でも、人はいなくてたいそう静かだ。夏にはあれほど鳴いていたセミの声も、もうしない。色と音を対比してみた。
み吉野(よしの)の / 山の秋風 / さ夜(よ)更(ふ)けて / ふるさと寒く / 衣(ころも)打つなり
吉野の山から冷たい秋風が吹(ふ)き降(お)ろし、夜もふけて、かつて都(みやこ)であったこの吉野の里(さと)はさらに寒くなり、砧(きぬた)で衣を打つ音が寒々(さむざむ)と聞こえてくることだよ。
都は、政治の中心地。都だったむかしは、ここもたいそうにぎわっただろう。いまは、冷たい秋風が吹き、砧のトントンという音ぐらいしかしない。むかしといまを対比してみた。
和歌のなかの秋は、なんとはなくさびしい。でも、おちついた静かな美しさがあります。にぎやかだった夏やこれからきびしくなる冬と対比して、「ものさびしい」気持ちを強調しているのですね。(塾長)