一人称か・・・ふ~む
本日、四ツ谷に出かけてまいりやした。
日本文学館さんにいらした須藤靖貴さん。
私、ウキウキ。だってなかなか小説の話なんか…友達とも、もちろん家族とも、出来ませんから。
孤独、といえば孤独。 でも胸にある世界とはいつも一緒。
その世界を、そっくりそのまま、誰にでも読みやすく解りやすく、この世界に連れ出してあげたい・・・と常々考えてはいるものの~
良質で形いいものには、なかなか…なかなかですから。
時々、その「なかなか」を無性に語りたい、と思うのです…
しかしねえ、そういった語り、特殊ですから。
誰も付いてこれませんで…
胸に浮かぶ世界から、一人一人連れ出して並べる、そして動かす、そういった紙の上の世界のこと。
ごじゃごじゃを、いかに的確に、さらに美しく描くにはどうするか…
そして今日、須藤さんに、小説の視点ということで、ご講義いただきましたん。
一人称、つまり、「私は」「ぼくは」の世界。
作者の一方的な考えと思いで、想像の世界を進めていくわけ。
読者は、主人公と一緒に流れるこれが一番読みやすい…そして作者にも、視点のブレがなく書きやすい…
といったお勧め情報。
な、る、ほ、ど~
さらに、登場人物の人数に悩んでいた私、ご相談賜りました。
「長編ならば、なんとか七人でもいいかな。 でもねえ…」
というわけで、長々考え過ぎて絡まってしまったプロットが、パッと決まった。
この一声に消える絡まり。
なんだろ…すごいな。
なにがすごいかって、すばらしい意見を頂いたわけでもなく、特別な技を教えてもらったわけでもなく、なんとなく分かっていたことばかりなんだけど、だから、つまり、
軽くポンと背中を押されたら、がんじがらめに絡まった糸が解(ほど)けた…という感じ。それって須藤さんパワー。
体育会系の大きな身体。熱く語る力強い声。見え隠れする燃える男。でも繊細そうな目。
そんな須藤さんの「押し出せ青春」小学館文庫、読んでます。
実は、私、あまり小説読みません…それも悪い癖でしょう。
どうも人のものを読みたくない。読むとその色が染まってしまうような…というか、
例えば、洗濯機に色濃いTシャツをいれて洗濯したら、絶対大丈夫だと確信して入れたのに色落ちして、他のものまで染まってしまった、そんな事故のような、取り返しの付かない失敗、そんな感覚になるわけ。
しかし、その苦手、乗り越えてみましょうと、久しぶりに読んでます。
須藤靖貴さんの「押し出せ青春」
おもしろいです。読みやすいです。色と匂いあります。
スポーツ物、大の苦手の私が、意外にも一気に読んでます。
苦手を夢中にさせる、それってすごいじゃないですか。
これはテクニックというより、これが才能なんでしょうね。
で、伝わったのは事故のような色落ちはではなく、例えると、
マラソンで、前を走るランナーに、距離を離されないように一生懸命付いていこうする、意気込み? それが湧いてきました。
だから、
今夜も走るぞ、とキーボードを指は走ってます。