ちくま文庫ですと11冊のようですが、図書館から借りて来た河出書房のものは全8冊。
ハードカバーなので、厚いと重い。ずっと手に持って読んでいると疲れるほどです。この河出書房版「千夜一夜物語 第1巻」には、第1夜から第54夜までが綴られていました。
千夜一夜物語は、おそらくイスラム世界の民間伝承が集まったもの。女性が千一夜、王様に寝物語を語り続けるという形式で綴られます。
シャーリヤル王は、毎晩若い女性と夜を共にするのですが、朝になるとその夜伽の女性を処刑してしまいました。なのでだんだんと女性がいなくなり、大臣は自分の娘を夜伽に差し出します。娘シャーラザッドには作戦がありました。シャーリヤル王に物語を聞かせ、王が続きを聞きたくなるところで話を止める。そうすれば、物語の続きを聞きたい王は、シャーラザッドを処刑しないと考えたのです。
物語をせがむ役として自身の妹のドゥニャザッドを呼び寄せたシャーリザッド。そして物事はシャーリザッドの目論見どおりになります。
自身への覚え書きとして、第1夜から第54夜までをここにメモします。
第1夜~第2夜
商人と魔人の物語
第3夜~第9夜
漁師と魔人の物語
第10夜~第19夜
バグダッドの軽子と三人の女
第20夜
三つの林檎の物語
第21夜~第24夜
ヌル・アル・ディン・アリとその息子バドル・アルディン・ハサンの物語
第25夜~第34夜
せむし男の物語
第35夜~第38夜
ヌル・アル・ディン・アリと乙女アニス・アル・ジャリスの物語
第39夜~第45夜
恋に狂った奴ガーニム・ビン・アイユブの物語
第46夜~第54夜
オマル・アル・ヌウマン王とふたりの息子シャルルカンとザウ・アル・マカンの物語
アラビア語の名前は耳慣れない。なかなか名前が頭に入ってきません。ストーリーもイスラム社会独特で興味深い。もっとも、あたしが「源氏物語」「平家物語」「忠臣蔵」を今の日本だとおもわれると突っ込みが入れなくなるように、イスラム社会にとっても「千夜一夜物語」もそんな感じなんだろうな。
読んでいると、気づくと物語世界に引き込まれていることもあれば、長いなあとおもいながらも読み進めていることもありました。
全般的には、面白い。世界でいまだに読まれているベストセラーですからね。あと7冊だけど長編は1冊目を一番長く感じことが多いから、読み終わるまでそれほど時間がかからないのかもしれません。
中東の地名が出てきて、バグダットやダマスカス、そしてイェルサレムに行ってみたくなりました。カイロも出てきて、カイロは一度行ったことがある。
高校を舞台にした漫画「となりの怪物くん」を読みました。その漫画に出て来たくだりによると、人生は19歳までを全人生の半分くらいの時間だと体感するらしいです。その19年の間に頭のなかに世界がつくられるからでしょうね。
千夜一夜物語の世界をしばらく堪能させていただきます。
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