猫たちとの思い出をつづります。記憶は薄れていくものだから、忘れないように、思い出すたびに綴っていこうと思っています。どうぞここに置かせてください。
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さあ今日も猫たちのことを書こう。
猫がいない生活は20年ぶり以上だし、太陽君や蓮ちゃんの投薬もない。いまこそ旅行をという感じなのに、コロナというのも何かのタイミングなんだろうな。今は旅行したいという気持ちはないけど、コロナが発生していなかったら遠出がしたくなったのだろうか。
あたしの部屋のドアの外には由芽がドアの下側をかじった後がある。かじって板を剥がして、べニアのような木地がむき出しになっている。
あたしの部屋のドアは、水の入ったミニサイズのペットボトルを転がすなどして、ドアが完全に閉まらないように工夫していた。猫が自由に出入りできるようにするためだ。だけどそのときは閉まっていたのだろうね。不精なのか、何か事情があったのか覚えていない。
覚えてないけれど、ベッドで眠っているときに、外で由芽がドアをかじっていたのを覚えている。なんというかドアの向こうに部屋があることを知っているから、開いていないのなら壊してでも入ろうとするタイプだった。何か腹を立てていたのだと思う。
由芽ちゃんは引っ越す前に住んでいた家で、子猫時代にふすまに穴を開けて部屋に侵入したことがある。障子じゃないよ、ふすまだよ。ちょっとずつ穴を開けて最終的に中に入った。すごい猫。しかも閉じ込められていて出れなくて怒るとかじゃなくて、遊びたいから母が眠っているのが嫌で、部屋に入りこんでとびかかった。
とても活動的な猫で、眠るときは子猫なので突然倒れるのだけれど、充電がすぐに完了して、ひたすら人にとびかかってきた。四六時中とびかかってくるから、テレビみたりできない感じ。食事中にもとびかかってきた気がする。こっちが準備できてなくても普通にとびかかる。子猫だからさ、ダイブみたいな感じでジャンプしてしがみつき、それなりに痛い。
由芽がやってきて、同じ年の数か月後に同じく子猫だった蓮がやってくるわけだけど、蓮ちゃんがきて、注意がそっちに行って、少しほっとしたなあ。そのあとはほとんど人間にとびかかってくることはなかった。
由芽が来て、まだ蓮が来る前のタイミングで、あたしはひとりパリに出かけていて、まだメールが一般的じゃなかったから自宅に国際電話をかけて、「由芽ちゃんは元気?」と訊いたのを覚えているな。
由芽はとても気位が高く、自分が一番偉いとおもっていたので、人間に本気で怒った。なんというか気に入らないときに触ると、普通にシャーっとやられました。よくやられていて、なんというか日常でした。
でも原則頭がいいというか、優しいところもあり、落ち込んで眠っていると、やってきてゴロゴロ言いながら添い寝してくれたりして、びっくりした。うれしかった。
由芽は家のなかのどこが暖かいかをすぐに理解した。めったにつけないあたしの部屋の暖房にスイッチが入っていると、確実に温風が来る真下に来た。面白がってその位置に棚を置くと絶対乗ったし、風がやってくるベッドの足元にも来た。しばらくするとそんな由芽をみて、蓮が真似して同じ場所にいるようになった。
一方、石油と電気の両方を使うタイプのヒーターは音が苦手らしく、絶対に近づかなかった。蓮ちゃんも。
太陽君がヒーターを怖がらないときは衝撃だった。太陽は、ヒーターの前の椅子の上にすぐに滞在した。人間もそこが好きだから取り合いになった。太陽君は人間をどかしたり、どけといったりそういうことはないのだけど、本当は座りたいとおもっているから、ちょっと離席すると、すぐにその場に座っていた。ちゃんとチェックしているんだよね。
ごはんもそう。魚とかおいしいものをテーブルの上に置いておいてもほしそうなそぶりは見せない。だけどその状態でしばらく離れたり、出かけたりしたら確実に食べる。人間がいなくなると猫が変わる。現実的な猫でした。
だからあたしが眠っているけれど、起きているときになんとなく台所の音が聞こえていて、太陽は目の前にあるドライフードには見向きもせずにおいしいご飯をもらえるのを期待していて、待っているわけだけど、母が出かけてしまうと、5秒で見向きもしなかったドライフードを食べ始めた。太陽がカリカリと食べるのをうたた寝をしながら聞いていた。
恥ずかしくてあまり書きたくないのだけれど、かつてはあまり節電という意識がなかった。だから冬でも猫たちはエアコンの下で、お腹出して長くなって眠っていた。だけどあるときから節電を意識するようになって、由芽がなくなる2つ前の冬くらいからかな。猫たちは段ボールハウスをよく使うようになった。
由芽ちゃんが亡くなる年の前の冬、デスクの隣の引き出しだけある低めの棚の上に段ボールハウスを置いていて、由芽ちゃんはそこで眠るが好きだった。だけどそのときは一気にひょいと身軽に垂直移動でその箱の中に入れなくなっていた。一度エステベッドに乗って、エステベッドの端から箱に飛び移る感じだった。そのとき、なんとなく由芽の老化を感じていた。由芽ちゃんは元気で気が強く、頭のよい猫だったから、なんというか老化しているのが違和感があった。そのときから体に少しずつ症状が出ていたのだろうね。
由芽は庭の手入れをしているとほぼ必ずやってきた。手が届かないけれど視界に入るという位置にいて、なんとなくうろうろして人が追いかけてくるのを期待していた。わざと目の前を走ったりした。
そんなとき蓮ちゃんはうっかり一人家にいると、太陽が来る前はよく眠っていたから、そのまま眠っていることも多かったけれど、目が覚めると一人置いて行かれていると気づき、大声で鳴いた。外まで聞こえる大きさだった。そんなこともあったねえ、楽しかったよ。
ありがとう。大切なときです。
◆臼村さおり twitter @saori_u
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