読書日記もうひとつ。
柚月麻子さんの小説「けむたい後輩」を読んだ。
柚月麻子さんの小説、面白い。癖になりそう。
柚月麻子さんの小説を読むのは、「ランチのアッコちゃん」「伊藤くんA to E」「ねじまき片想い」「ナイルパーチの女子会」に続いて5冊目。
⇒ 柚木麻子「ねじまき片想い」/小説、読書感想 おもちゃプランナーの軌跡
⇒ 柚木麻子「ナイルパーチの女子会」/小説、ネットの出会いが広がったゆえの闇
今までで一番気に入っていたのは「ナイルパーチの女子会」でした。この「けむたい後輩」は「ナイルパーチの女子会」と同じくらい気にいった。
女子心理がよく描かれているかもしれない。あたしは女子高、女子大出身なのでわかる気がする。そして当時は自分が生きるのが精いっぱいであまり周りに目が向いていないところもあり、今小説と一緒に振り返るとわかる部分もけっこうある。
そんなに気にする必要がなかったのかもなとか、悪いことしちゃったのかもなとか、気遣ってあげればよかったとか、そんななかこんなあたしと友だちでいてくれて感謝しています、とか考える。
高校のときのともだちも、大学のときの友だちもどうもありがとうございます。友だちでいてくれて感謝しています。
あたしは幸いにして同姓同名がいないので、ひょっとしたら検索していつかこの文章を読んでくれることもあるのかなとおもいながら、この場を借りてお礼を言わせてもらいます。本当にどうもありがとう。
小説の内容そのものは、そんなに明るいものではない。愛というよりは癒着だったり、執着だったり、年月が変わることによる別れだったり。
けれどもたとえそういう部分がデフォルメされていたとしても、お互いの気持ちが共鳴しあう瞬間はあったわけで、それは物語ではなく、あたしたちの日常についてもそうなのかもしれなとおもった。
そして、なんというか現実を、関係を圧倒的によいものにするスプーン1杯の気遣いというのもあるわけであって、「けむたい後輩」を通して相手のことをちょっと気遣える気持ちを学べたらいいなともおもった。
人間の顔や表情は一ミリ違うだけで大きく異なって見える。それと同じことが人間関係にもいえるとおもうのです。
小説を読むと、自分の過去を反芻できていいなあ。
どうもありがとうございました。
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