西尾維新さんの小説「掟上今日子の推薦文」(講談社BOX)を読んだ。
掟上今日子の推薦文 (講談社BOX) | |
VOFAN | |
講談社 |
面白かった!
西尾維新さんの本を拝読するのは、実は記憶にある限り初めて。有名な方なので本当かな?実は読んだことあるんじゃないかな?と自分でもおもうのだけれど覚えていない。
掟上今日子を主人公にした小説は複数あり、「掟上今日子の推薦文」はその1冊になる。
忘却探偵・掟上今日子(おきてがみきょうこ)。
天才的な推理能力で知られる探偵だけど、記憶が1日しか持たない。正確には居眠りをしたり、気絶をしたり、意識がなくなると、その時点で記憶がリセットされてしまう。だから1日以内に解決できる事件のみ、彼女は引き受ける。
あたしにとって初めての掟上今日子本、「掟上今日子の推薦文」は、絵画がテーマになっていた。自身が絵を描いていることもあり、掟上今日子の世界にぐっと引き込まれたよ。
美術館の警備員を務めるある男性。その男性は美術館で、たびたびある女性を目撃する。とてもおしゃれで白髪頭。いつもある絵の前に長時間たたずんでいる。故あって話しかけた結果、その女性、忘却探偵・掟上今日子から名刺をもらう。
ある日、男性がいつものように警備をしていると杖をついた老人がやってきた。老人は突然杖を振り上げて、男性が警備していたエリアにある絵画を杖で叩き割ってしまった。
その理由を知りたい男性は、掟上今日子に推理を依頼すべく、彼女に連絡をとる。そして掟上今日子は、老人が額縁匠であると推理した。
後日、その額縁匠から、警備員の男性のもとに連絡がありという話の展開。
額縁匠は、画家の卵を大量に自身の家に住まわせていた。
何が起こったかは書かないけれど、その住居の様子や、それについての掟上今日子の推理が、とても正鵠を射た指摘というか、いちいち勉強になるとか、そんな感じ。努力をしつづける環境、福利厚生とか、いろいろ。
考えさせられた。
物語の冒頭につづられていた警備員男性の自己分析が興味深く、おもいっきり共感してしまい、一気に物語に引き込まれた。
何か向かって努力をされている方にお勧めしたい一冊だなとおもったよ。
掟上今日子シリーズはさらにすでにもう3冊読んでいる。また別の機会に書くね。
ではまた
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