リラクゼーションとして読書をするのが好き。小説の世界へ没頭する。ものすごく脳みその休憩になる。
はずが、いまはまったく休憩になっていない。なぜなら読んでいるのが、原田マハさんの小説「暗幕のゲルニカ」だから。まだ読んでいる途中。読み終わっていない。
暗幕のゲルニカ (新潮文庫) | |
原田 マハ | |
新潮社 |
「暗幕のゲルニカ」はピカソがテーマになっている。2つの時代が平行して書かれていて、ひとつはピカソが生きていた時代、そしてもうひとつは20年くらい前、ニューヨークの同時多発テロ事件、9・11直後の時代。
どちらも芸術のあり方がテーマになっている。
ピカソは、ナチスドイツ軍に侵攻された街・ゲルニカを描いた作品をパリの万国博覧会で展示する。9・11後の世界では、ニューヨーク近代美術館に籍を置く日本人キュレーターが、ゲルニカをニューヨークで展示しようと奮闘する。
気づけば、芸術に真剣に向き合う機会を与えていただき、表現する場を享受している自分がいる。だから、かなり感情移入をしてしまう。
登場人物たちは芸術家に人生を賭けている。そして芸術の力を信じている。
反戦をテーマにした作品をつくりたいというところまで、自分の気持ちを落とし込めていない。けれどもアートをとおして、何かを伝えたい、表現したいという気持ちはある。
そしてちょっと前までは、あたしにとっては世界はこう見える、みてみて、わかってわかって、だったのが、いまはもう少し先になった気がする。
何かを伝えたい。あるいは見た人に何かを感じてもらいたい、祈りのような気持ちのほうがひょっとしたら強くなっているかもしれない。
そしてだんだんと発展させていくんだろうなという気配を感じている。
だから、小説を読みつつ、一字一字に刺激され、考えさせられる。
どうやっていけばいいんだろうね。あるいは自然に身を任せるにしてもどうなっていくのかしら。
新宿タリーズで個展をやらせてもらったとき、A Beautiful Dayというテーマでやった。
たぶん、それは今でも伝えたいとおもっていることのひとつなんだろうとおもっている。
生きているこの瞬間、この人生、あたしに何ができるんだろう。
人生はすべてプロセス、結論はない。といいつつ、考える。考えることも好きなんだと思う。
今日もどうもありがとうございました。
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