本の感想。
佐藤多佳子著「黄色い目の魚」(新潮文庫)を読んだ。
黄色い目の魚 (新潮文庫) | |
佐藤 多佳子 | |
新潮社 |
あまり自分の思い出をつづらず、本の感想ばかり。「ばかり」というとおおげさだけど、その時間があれば自分の日記書けばいいのに、、、とちょっとおもった。
それで気づいた。あたしは「何があった」「何をした」ということよりも「どう感じた」「何を思い出した(記憶)」「何が変わった(記憶の変化)」のような自己の内面が好きなんだなと。
その変化を楽しんだり、自分がどう感じているかを味わったりするのが好きみたい。
佐藤多佳子さんの本を拝読するのは「しゃべれども しゃべれども」に続いて2冊目。「しゃべれども しゃべれども」は落語がテーマだった。
一方、「黄色い目の魚」は絵の話。今のあたしには「黄色い目の魚」のほうが面白い。
画家の父を持つ男子高校生と、イラストレータの叔父を持つ女子高校生の恋愛物語。
とにかく絵を描くときの描写が大量に出てくる。
つぶつぶタンタンを読んでくださっている方はご存知かもしれませんが、あたしは抽象画しか描けない。デッサンは苦手意識があるし、実際苦手で、やったことがない。
中学校の授業で少しあったけれど、とくには教えてもらわなかった。(あるいは理解できなかった。)
けれども小説のなかで、男子高校生がひたすらデッサンしているものだから、少しデッサンをやりたくなってしまったよ。実際、本当にやるとおもう。
ついこの間読んだピエール・ルメートルの「その女アレックス」にもデッサンの場面が出てきた。主人公のひとりであるヴェル―ベン警部は、デッサンをしながら犯人について考える。
⇒ピエール・ルメートル著「その女アレックス」(文春文庫)読書感想 狂気が善悪をつくる
昨日読み終えた小説、福井晴敏著「亡国のイージス」は物語のなかで絵が重要な要素を占める。作中の主要人物二人を結びつけるものが絵を描くという行為だった。そしてデッサンの描写もいっぱい出てくる。
デッサンの出てくる作品が続いて、なんだかとても刺激されてしまった。あと正直なところ、最近やりたいことがいっぱいあり、もっともっと飛躍したくて、デッサンができない、具象画が描けないというコンプレックスが、とても重い。
別に描かなくてもいいけれど、わざわざコンプレックスにしているという事実が、重い。エネルギーを発揮することが阻害されている。
だから、ひとまずもくもくアート会で、鉛筆画デッサン、少しやってみようかな。
それで目標と申しますか、カンフル剤としては、文房堂の「人物デッサン集中講座」に参加する。
文房堂の「人物デッサン集中講座」
この講座は、一日集中講座で描いた作品が、そのまま文房堂ギャラリーで1週間展示されるという企画。
いま初回の展示がされていて、、、、実は、早いのだけど、今日その展示を下見に行ってきている。
たまたま知り合いが参加していて知ったのよね~。
次回はあるかどうかわからないみたいだけどあったらいいな。
もっともかなりレベルが高いので、エントリーするのはチャレンジング。
だけどさ、ひとまず視野に入れておこうかなと。それくらいいいよね。
むふふふふふふふ~
個人的な感想だけど、「黄色い目の魚」のおかげ。いつかまたこの本を読んだとき、別の感想を書きたい。
ではまた
月2回、東京都豊島区池袋で、読書交換会をやっています。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
⇒東京読書交換会ウェブサイト
※今後の予定は6月7日(金)夜、6月29日(土)夜、です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
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