夏目漱石の「三四郎」を読んだ。
まさか自分から進んで、夏目漱石を読みたいと思う日が来るとは。
しかも読んだほうが自分の教養が深まるからという理由ではなく、エンタメとして読みたいとおもえる日が来るとは。びっくり。
先だって「カラマーゾフの兄弟」を読んでから、純文学のようなしっかりした本を読めるようになりました。
⇒ 【読書】 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、小説の濃縮原液
「カラマーゾフの兄弟」は、読書交換会をオンライン開催に切り替えて、再びお会いする形の会を初めて開催したときに譲ってもらった本でした。
と考えると、まだつい最近。そして、猫たちが亡くなった後の話です。猫たちが亡くなった世界がどんどんと進行していくことに不思議を感じます。
夏目漱石の「三四郎」、面白かったです。青春小説、そして唯一読んだことがある「こころ」と比較すると、軽快でポップ。
朝日新聞に連載されていた小説だったそうです。文豪の小説が、昔の新聞に連載されていたと聞くと、少し身近になる気がします。
熊本から上京してきた大学生、三四郎青年の東京での生活が描かれた作品で、登場人物ひとりひとりの個性が面白かったです。
なんだか今の小説よりも、顔色を窺うキャラが少ない気がしました。そこはちょっと気持ちよかったです。また、小説のなかに、芸術を楽しむ文化的な話が出てきて、その部分を読むと芸術に興味が湧いてきます。
であると同時に、やはり明治のころの小説なので、身分の差のようなものを感じ、恵まれていることを当たり前にとらえているところが不思議な気がしました。どうしても自分の気持ちがそこにひっかかってしまう。
以前、「こころ」を読んだときもそうでした。
けれども引っ掛かりつつも、面白い。何が面白いのかわからないけれど、また夏目漱石の小説を読みたいと思わされます。
これからの時代は、あたしたちはどういう世の中をつくっていくのがいいのでしょうね。今、時代の節目だとおもいます。自分の人生について、日本について、世界について考えさせられます。
東京都豊島区池袋で読書交換会を開催しております。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
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※今後の予定は11月13日(金)夜、11月28日(土)夜、です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
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