今週になって少し暑さ和らぎほっとしました。久しぶり本の感想投稿です。
貫井徳郎さんの小説「転生」を読んだ。貫井徳郎さんは、このところ好きな作家のひとりで今回も貫井ワールドを堪能させていただいた。おもしろかった。
貫井さんの本は好きで、今まで「私に似た人」「慟哭」「愚行録」「悪党たちは千里を走る」「神のふたつの貌」「殺人症候群」「失踪症候群」「誘拐症候群」を読んだ。
「転生」は臓器移植をテーマとした小説で、臓器移植が日本で導入され始めたころに書かれたようです。
主人公の青年は心臓病。猫太陽を心臓病で亡くしていることもあり、心臓病という言葉に反応してしまう。狙って買ったのではなくたまたま買ったのですが、心臓病の本によく巡り合う気がする。きっと昔から読んでいたのだろうな、ただかつては今ほど反応しなかった。
「転生」の主人公は、大学生の男性。無事心臓移植を受けた途端、好みが変わったり、自分では知らない記憶が思い出されたりするようなる。これはドナーの記憶に違いないと、ドナーを探し当てて遺族に会いに行く。しかしそれはドナーの記憶ではなかった。となると、この記憶は一体……。
と物語が進行していきます。
ミステリーなので、できるだけネタバレを避けたく、書けることが限られてしまうのですが、ぜひ最後まで読んでほしい展開でした。
シロクロつけない、グレーのまま、あるいはマダラまま進行するという貫井ワールドが今回も全開。
そして自身がエネルギーを調整するときに考えていることでも、インスピレーションをいただくような内容でした。
考えさせられることが多いです。
「生命とは?」「生きるとは?」、臓器移植がかつてより一般的になった現在でも、決して色あせることなく、さまざまなことをあたしたちにつきつけてくれるような気がします。
読んでよかったー。どうもありがとうございました。
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