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 ゲームブック「たったひとりのサバイバル・ゲーム! 極寒の雪山を脱出せよ」をプレイしました。




冷たい! キミは、びくっとして目を覚ました。
体を起こすと、目の前に、まっ白な山脈。
そうだ、家族といっしょに、
トレッキング旅行にやってきたのだった。
ところが季節外れの吹雪にあってしまった!
しばらく気を失っていたらしい。
あたりを見まわしても、
よんでみても、だれもいない……。
たったひとりのサバイバルが、始まった!


トレイシー・ターナー「たったひとりのサバイバル・ゲーム! 極寒の雪山を脱出せよ」(株式会社KADOKAWA)裏表紙より



 本作は、南米アンデスの雪山を舞台に、1人遭難してしまった少年が何とか生還しようと奮闘する物語です。家族と共にトレッキング旅行に来た主人公は、季節はずれの吹雪に見舞われて、家族とはぐれてしまったのでありました。
 原題は、「LOST:IN THE MOUNTAIN OF DEATH」。タイトルに「脱出」と付いていますけど、おそらく、昨今の脱出ゲームブームに乗っかっているだけでしょうかね。本書の主眼は、あくまでも「サバイバル」です。とにかく大事なのは、いかに生き残るかということ。生還を焦っては、いたずらに危険に身をさらすだけなのです。

 キャラクターシートなどは無く、純粋に分岐で行動を選択していくことで話が進んでいきます。
 基本的には、「トラブル発生、どうする?」から、正しい行動をすれば生き延びて先へ進み、間違えれば死亡してしまう、というような形で話は進んでいきます(必ずしも、即死してしまうわけでもありませんけど)。この手の話にはありがちな、シンプルな構造になっています。

 総パラグラフ数は110。しかし特徴的なのが、そのうち35個は、豆知識というか、雪山でのサバイバルに役立つコラムになっているということです。地形について、気候について、休憩の仕方について、暖のとり方について、食事について、動植物について、などなど。
 前述のとおり、ゲームとしてはシンプルで、あまり深みはありません。しかし、一人アンデスの雪山に取り残された際に役立つ知識は豊富で、読み物としてはなかなか楽しめます。まあ、アンデスの雪山で遭難する機会がそうそうあるとは思えませんし、生態系など違いも多いので、日本の雪山では役に立たない部分も多そうですけどね。

 同じシリーズで、「ジャングルから脱出せよ」、「灼熱の砂漠を脱出せよ」の2冊があります。そちらも読みましたけど、どの作品も、1人で極限状態に置かれた少年がなんとか生還を目指すという内容になっています。舞台が異なるだけで、基本的な構成はほぼ同じです。ただ、ジャングルにはジャングルなりの、砂漠には砂漠なりのサバイバル法があるわけで、それぞれ面白く読めました。
 どの作品でも、イラストを見る限り、主人公は小中学生くらいの少年に見えます。しかし、本書では家族で旅行に来ているという設定ですけど、「ジャングルから脱出せよ」ではコロンビアからブラジルまでの飛行機に乗っていますし、「灼熱の砂漠を脱出せよ」では一人で砂漠横断ツアーに参加しています。状況的にせめて成人してないとおかしい感じなんですよね。本文には特に年齢に関する記述はありませんので、いわゆる萌え絵ではありませんけど、日本人向けにかわいい系のイラストにしちゃったんでしょうかね。

 なお、本書で一番怖いところは、無事に生還した後、一緒に遭難したはずの家族にまるで触れられていないところです。他の2冊では、ちゃんと家族に会えるという記述があるのですが。……無事だといいね。




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