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ドルアーガの塔 外伝 冒険記その3

2006年12月03日 02時26分05秒 | ゲームブック(その他)
 創土社から刊行予定のゲームブック、『ザ・タワー・オブ・ドルアーガ 悪魔に魅せられし者』の発売延期記念に、勁文社から刊行された、北殿光徳・文、スタジオ・ハード・編のゲームブック『ドルアーガの塔 外伝』をプレイ開始。

 これ以降、「ドルアーガの塔 外伝」のネタバレを含んでいます。ご注意ください。



 あたし、レイン・デシンセイ。国を捨てて、旅から旅への気ままな生活を送っている、20歳のか弱い女の子、兼、冒険者。
 祖国に忍び寄る、悪魔ドルアーガの脅威。祖国のため、そしてあたしが密かに想いを寄せいていた王子ギルのため、あたしはドルアーガの塔の秘密を探ろうと、ドルアガノンの内部へと侵入したのだった。
 苦労しながらも、あたしはようやく2階にたどり着いた。残り5フロア。先は長いけれど、くじけるわけにはいかないのだ。
 あたしは改めて剣を握りなおすと、決意も新たに階段を登っていった。



<冒険記録紙>

基本設定
体力 4
剣技 5
魔術 1

バトルポイント
A:5  B:1  C:0  D:4  E:6
F:9  G:8  H:2  I:7  J:3

宝物リスト
つるはし



 階段を登りきると、通路は東西2方向へと伸びていた。地図を見てみると、一応ここではないかと思われる場所を確認することが出来た。
 地図の信頼性は今ひとつなのだが、ともかく宝箱がある(と思われる)東へ進むことにした。

 行き止まりの分岐を無視して進むと、丁字路に出た。通路は南北に分かれている。
 地図によれば、南よりも北の方にいろいろと何かがありそうだ。あたしは北へ折れる。

 緊張しながら進んでいったが、とくに魔物の気配もないようだ。
 地図によれば、この先に宝箱があるはずだ。ええと、この十字路の西側に……。
 あった! 宝箱だ。
 喜び勇んであけて見ると、その中には雪のように白く輝く一振りの剣が納められていた。まったく、惚れ惚れとするほど美しい光を放っている。
 あたしはその剣を手にとると、一つ、二つと素振りをする。うん、バランスも丁度いい。
 あたしはこれまで使っていた愛用の剣をその場に残していくことにした。この剣にも愛着はあるし、今まで何度も助けられてきた。しかし2本の剣を抱えていくのは非効率だし、なによりこの塔では、新しい剣の方が何かと役に立つことが多いだろう。
 これも全ては、ドルアガノン攻略のためだ。愛用の剣に別れを告げると、塔の探索を続けた。



 あたしが歩みだそうとしたそのとき、突然目の前にマントを羽織った老人が現れた。あたしは白い剣に手を掛ける。その老人の邪悪そうな顔つきを見れば、彼がドルアーガの手下であることは明白だ。
「よく来たな、命しらずの騎士殿。名は?」
 あたしはごくりと唾を飲み込む。少し考えをめぐらせるけれど、この老人には小細工は通用しないだろうとあたしは判断した。
「レイン。レイン・デシンセイ」
「わしはメイジ、ドルアーガ様のしもべじゃ。レインよ、すぐここから立ち去れ。さもなくば命をもらうぞ」
 メイジってのは一般名詞なのか、それとも固有名詞なのか。
 しかしいずれにしろ、この相手が容易ならざる者なのは確かだ。今やりあうのは得策ではなさそうだ。
 あたしは駆け出すと、今来た道を戻っていった。しかし数歩走ったところで、あたしの身体を激痛が襲う。メイジがなにやら魔法をかけているのだ。
 くそう。あたしは痛みをこらえてなんとか通路の角へと這い込んだ。するとメイジから距離を取ることが出来たためか、身体から痛みが引いていく。
 メイジがあたしのことを追ってくる気配はない。どうやら逃げ延びることが出来たようだ。
 ここから上の階に進むためには、メイジをどうにかするか、あるいは別のルートを見つける必要がありそうだ。



 ガチャリ、ガチャリ。
 一難去ってまた一難。今度は全身真っ黒な鎧に身を包んだ不気味な騎士――ブラックナイトがあたしの行く手をさえぎった。
 ブラックナイトはあたしが剣に手をやるのと同時に、動きを止めた。どうやらあたしの隙をうかがっているようだ。
 スライムとかメイジとか、これまではイレギュラーがヤツばっかりだったけれど、こういう単純な武力だけのヤツなら幾分やりやすい。あたしは剣を低く構えると、一気にブラックナイトとの間合いを詰めた。

 ボカ、スカ。

 なかなか手強い相手だったけれど、あたしはどうにかブラックナイトを斬り捨てた。こちらも少し傷を負ったけれど、むしろ清々しいと感じてしまうのは我ながらどうかとも思う。



 通路は北と東に分かれている。特に根拠はないが、あたしは北へと進んだ。
 通路は随分と長く続いている。自分がどこを歩いているのかも、だんだんとわからなくなってきている。
 やがて、通路は壁にさえぎられた。また引き返すのも、ちょっと面倒くさい。

 ……そうだ、いいものがあった。
 あたしは背負っていたつるはしを取り出すと、目の前の壁に向かって思い切り振り下ろした。

 ボコ!

 つるはしはそれほど頑丈なものではなかったようで、叩きつけているうちに柄の部分からポッキリと折れてしまった。しかし幸いなことに、その壁はそれほど厚くはなく、あたしが通れるくらいの穴は開けることができた。
 あたしはその穴をくぐって壁の向こうへと抜ける。
 するとその先には、宝箱が置いてあった。宝箱を開けて見ると、中にはキャンドルが入っていた。
 この塔は薄暗い。これがあれば、この先探索をするのが楽になりそうだ。
 あたしはさっそくキャンドルに火を灯す。その灯りは周囲を明るく照らし出す。うん、いい感じだ。
 キャンドルを入手したことに気を良くして、あたしは再び塔の探索を再開した。



 何者にも出会わないまましばらく進んでいく。しかし物事はそう上手くいくばかりではない。あたしの目の前に、また黒い鎧の男――ブラックナイトが現れた。
 しかしこのブラックナイト、前のヤツとは少し様子が違う。あたしを襲おうというよりは、まるで何かを守っているかのようだ。この奥に何かがあるのだろうか。
 あたしは剣を構えて、ブラックナイトに踊りかかった。

 ボカ、スカ。

 2人目だということもあり、あたしはあっさりとブラックナイトを斬り捨てた。
 ブラックナイトの死体を後にして奥へと進んでいくと、壁に光るものがあった。
 鍵だ。
 あたしはその鍵を取る。ブラックナイトが守っていたのはこれだったのだろうか。
 そして少し進んだところに扉があり、先ほどの鍵を使って開けることができた。
 その扉の先には、3階へと続く階段があった。あたしはその階段を、一歩一歩登っていった。


(つづく)



基本設定
体力 4
剣技 7
魔術 2

バトルポイント
A:5  B:1  C:0  D:4  E:6
F:9  G:8  H:2  I:7  J:3

宝物リスト
白い剣、キャンドル


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