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八王子城へ行ってきました
城攻め(東京・埼玉)
/
2021年01月11日 17時42分28秒
年末から新型コロナの感染者が激増して、また東京と周囲の県で緊急事態宣言が出てしまいました。前回より文言はソフトですけど、またしばらくはインドア生活にいそしむことになりそうです。
それはそれとして、去年の夏から冬にかけて、あちこちで書けながら記事にしていなかったことがいろいろとあります。とりあえずお城関係の話から片づけていくべく、今となっては2か月以上前のことですが、八王子城へ行ってきたときのお話です。
八王子城は東京都八王子市にある山城で、日本100名城にも選定されています。
八王子城の城主・北条氏照はもともと滝山城に居を構えていたのですが、武田に攻められた際に滝山城の防御力の弱さを感じ、新たに八王子城を築きました。そんな経緯で築かれた城なので、滝山城と比べてもかなり険しい山に築かれた堅固な城となっています。
もっとも、そんな八王子城も、秀吉の北条征伐の際に落城していまうのですが。
ちなみに、滝山城は一昨年訪れています。
滝山城跡に行ってきました
スタート地点は高尾駅。ここから八王子城の近くまでバスも出ているのですが、歩いて一時間かからないくらいなので、歩いていくことにします。
ただ、その前に、前からちょっと気になっていた、高尾駅の近くにある廿里山へ向かいます。
廿里山は高尾駅から北西へ1km ほどのところにある、標高230m の小さな山です。ただし地図を見る限りでは、山中に破線ルートは走っているものの、山頂への明確なルートは無いようです。
廿里山周辺にはいくつか道が走っているのですが、一番わかりやすそうな西側から登っていきます。
廿里山の西側には白山神社があります。
社の左側には、本殿への参道があります。
本殿の横の道をさらに登ると、奥宮の祠があります。ここから廿里山の山頂を目指していきます。
ただ、ここからの破線ルートが結構厄介。途中道だか何だかわからない所を通っていきます。
目印は木に記された白いマーク。道っぽく見える踏み跡もありますが、それよりもこのマークを目印に進まなくてはなりません。
それからGPS ですね。とにかく道がわかりにくいので、こまめに現在位置をチェックしながら進みます。
この檻みたいなものが出てきたら、廿里山山頂まであと少し。地図上では破線ルートですらなくなりますが、尾根伝いに行けば分かりやすく山頂まで行けます。
眺望はまるでありませんが、気になっていた山のピークを踏んだことで満足です。
さて、改めて八王子城を目指します。
これは八王子城手前にあった案内図。さすが日本100名城だけあって、なかなか観光客に優しくなっています。
八王子城の手前に、八王子城主・北条氏照とその家臣の慰霊碑があるので寄っていきます。
八王子城の手前から道を外れて、少し登っていったところに墓所はあります。
北条氏照の墓と銘打ってありますが、正確には氏照の死後100年経ってから建てられた供養塔です。この後ろにも大量に石碑が並んでいるのですが、文字が読めず、どれが何の碑なのかはよくわかりませんでした。
八王子城の入り口にはガイダンス施設があるのですが、ここが開くのは9時から。まだ少し時間が早いので、先に城のふもとにある御主殿を見学します。
御主殿への道は、北条時代に使われていた古道と、のちに作られた新道があります。まずは古道を通り、曳橋から御主殿へと向かいます。
古道の南側には東西に長く伸びる尾根があり、そこに太鼓曲輪があったようです。可能なら行ってみようかと思っていたのですが、尾根へ登るための道っぽい道もないようなので、今回はやめておくことにしました。
御主殿へ渡るための曳橋。これは復元されたもので、安全のためにそれなりにがっちり作られており、そう簡単には落とすことはできなそうです。
曳橋の先には石垣があり、虎口になっています。
この辺りの作りはなかなか立派で、ここはまだ城本体ではなく御主殿なのですが、ちょっとした城並みの防御力はありそうです。
門を入れば御主殿の敷地――なのですが、今は広場で何もありません。
ただ、調査されてどこにどんな建物があったのかはわかっており、各所に案内板が設置されています。想像力を発揮して、往時の御主殿の様子を頭の中で再現しましょう。
御主殿の奥から降りていくと、御主殿の滝があります。
この滝には、秀吉勢に責められた際に、女子供を含む多くの人がこの場所で自害したため、川の水が三日三晩赤く染まったという伝説があります。
御主殿をぐるっと一周している間に9時を回ったので、ガイダンス施設へ。
ガイダンス施設で、100名城スタンプを押すことができます。
スタンプの図案は御主殿と曳橋ですね。
100名城に認定されると、こんなのもあるのね。
本当はガイダンス施設もじっくり見学したかったのですが、新型コロナ対策のためか、一部の光ったり音が出たりするものは停止中でした。
そんなに広くないので、鎧兜とか、ポスターとかを眺めて、すぐに出てしまいました。
本丸への登り口の近くに管理棟があります。
中には入りませんでしたが、ここでも100名城スタンプを押せるようです。
建物の外にもいろいろ八王子城に関する資料があります。
さて、いよいよ八王子城本体に入っていきます。
ここからは割としっかりとした山登り。防御のためか、道も結構急坂です。階段がついているところでも、一段一段が大きくて、お世辞にも歩きやすいとは言えません。観光気分だとちょっとキツイかもしれませんね。
10分ほど登ったところにあるのが金子曲輪。金子三郎衛門家重が守っていたそうです。
さらにひたすら山登り。
こっちはただ登るだけだからいいですけど、ここを登った後に戦闘が待ち受けているかと思うと、当時の兵士の苦労が偲ばれますね。
本丸の手前で、突然八王子城最高のビューポイントが現れます。
ビューポイントの少し先に、八王子神社があります。
本丸へは、八王子神社からもうひと登り。
ようやく本丸に到着。
本丸のある八王子城山は標高446m。山登りとして考えれば、標高自体は大したことありませんけど、戦場と考えるとあんまり攻めたくはありませんね。
本丸はそれほど広くはなく、兵は100人も入れば一杯でしょう。攻めたくはないけど、守る方としても、ここまで追い込まれちゃったらどのみちアウトですよねぇ。
八王子神社まで下り、今度は本丸の南にある松木曲輪へ。
ここもなかなかのビューポイント。本丸手前よりは若干木が多いですけどね。
あともう一つ、近くに小宮曲輪と言うところもあったのですが、行き忘れていました……。
次の機会というのも当分ないと思いますが、また訪れるときがあったなら、忘れずに見学していきましょう。
本丸の奥には、詰の城もあります。
この、富士見台方向へ歩いていきます。
詰の城なのですが、大天守と呼ばれていたようです。
実際、八王子城本丸よりも、詰の城の方が標高は高くなっています。おかげで登るのが結構大変。しかも本丸までと比べて観光客も減るためか、歩きやすさも低下していきます。
途中あまり写真撮っていなかったので、あっという間に詰の城に到着。本丸からおよそ20分ほどでしょうか。
しかし、大天守ではありますが、木が多くて眺望はありませんでした。
八王子城の見学はこれで終了したので、後は山歩きをしながら高尾駅に戻ります。
まずは詰の城からさらに奥へ進み、富士見台へ。
富士見台の標高は558m で、詰めの城よりさらに高くなっており、まだまだ登り道が続きます。そろそろ疲労がふくらはぎに来はじめました。
詰の城から約15分で富士見台に到着。
分岐の案内板に「富士見台」って書いてあったのに、富士山全然見えないじゃん、と思っていたら……。
富士山のビューポイントは、分岐から少し南に行ったところにありました。
ちょうど木の切れているところから、しっかりと富士山が覗いています。なるほど、これなら立派な富士見台だ。
富士見台の分岐から南へ進み、およそ15分ほどで熊笹山に到着
熊笹山は標高530m。富士見台からはほぼ下りなので、それほどキツイということはありませんでした。
その名の通り、熊笹山周辺の道は、両脇に熊笹が生い茂っています。
そのまま高尾駅方面へ向かって、尾根道を下っていきます。
そういえば、途中で八王子城の御主殿方面に下っていくルートがあったはずなのですが、チェックするのを忘れていました。
また、これは後で調べて分かったのですが、太鼓曲輪へ下る分岐もあったみたいです。あまり整備された道ではないようですが、次の機会にはそこから八王子城へ行くというのもアリかなぁ。
唐沢山に到着。
唐沢山は標高390m。だいぶ降りてきました。
地図上では地蔵平とか地蔵峰とか書かれているところ。お地蔵さまがいます。
後はろくに写真を撮っていなかったのですが、特に特筆すべきところはありません。登山道が終わったと思ったら中央道で、そこをくぐってもうしばらく山道を進むと街に到着。少し距離がありますが高尾駅まで歩いて、この日の城攻め兼山行は終了です。
高尾駅 to 高尾駅で、歩行距離15.2㎞、累積上りは811m、累積下りも811m、行動時間は休憩込みで5時間31分、消費カロリーは2583kcal でした。
八王子城へ行ったのは
江戸城に行った日
の翌週だったのですが、やっぱり全然感じが違いますね。江戸城は戦のことも考えられているとはいえ、平時における権力の象徴といった城でしたが、八王子城は戦国時代バリバリの戦のための城。まあ、どっちにしろ、大変そうだからあんまり攻める気がしないという点だけは共通していましたけど。
しかしそんな八王子城も、天下統一を目前にした秀吉の大軍の前に、城主不在とはいえわずか1日で落城。北条家も大名同士の争いならそうそう遅れをとることもなかったでしょうけど、秀吉率いる全国の大名連合軍の前にはなす術もありませんでした。世の中も、戦のやり方も、常識がすごいスピードで移り変わっていった時代だったんでしょうね。
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