きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

小学5年生とタバコについて語り合う編

2023年01月11日 | 喫煙防止教育
当ブログでは、喫煙防止教室やがん予防教室を行ったときに子供達から寄せられた質問とそれに対する私の回答をご紹介していますが、リモート授業の様子を録画して保存していますので、少しづつご紹介したいと思います。

今回は小学5年生です。
もっと知りたい!という気持ちが止まらないといった感じの質問には、こちらもうれしくなって、思わずニンマリしてしまいました。

彼の質問へは、こんなふうに応えました。


しっかりと意見や感想を言ってくれた子もいました。
素晴らしいなあと感心する一方で、彼女のおかれている家庭環境を想像したら、複雑な気持ちになりました。


授業で子供達に一番伝えたいメッセージです。

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バラはバラ

2023年01月10日 | 喫煙防止教育
T小5年喫煙防止教室(2022年)

Q:ぼくの家族や親せきがタバコをすっていたら、ぼくにもタバコのえいきょうは出ますか?
A:家族や親せきなど、一緒に生活している人にタバコを吸う人がいる場合、もっとも心配されるのが受動喫煙で、お母さんのおなかの中にいるときから、えいきょうをうけます。それから、親がタバコをすっていると、その子供も将来タバコを吸うようになることが多いという研究結果もあります。でも、きちんとタバコの本当の話を勉強すれば、タバコを吸わない人生を送ることができます。

Q:どうして前すわなった人も、すうようになっちゃうのか?
A:いったん禁煙できていた人が、またすってしまうことがあります。まやくのこわいところです。まやくのゆうわくを遠ざけるには、まわりにいる人の助けが必要なことがあります。

Q:タバコの種類はいくつですか?
A:1種類です。バラの花には赤や白、ピンクなど、色々ありますが、バラであることに違いはありません。みなトゲがあって、気をつけないとけがをします。タバコも、姿かたちは色々にみえますが、中身はみな同じ。どれもキケンです。

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ニコチンいぞんになった人に

2023年01月06日 | 喫煙防止教育
T小学校では、5年生に喫煙防止教室、6年生にがん予防教育を行っています。

私が実際に学校で対面授業を行っていた時は、授業中にノートはとらないように指導していました。
なるべく私の話と、見せる画像に集中してもらいたかったからです。

コロナ禍以降は、養護の先生にスライドを提供して、授業をやっていただき、そのあと、リモートで質疑応答するというハイブリッド形式にしています。

先日、T小の子供たちから質問が送られてきました。
用紙の裏には、授業中に子供たちが書いたメモがぎっしり!
それを見ると、子供たちが細かいところまでとてもよく理解していることがわかり、感動しました。
と同時に、きちんとエビデンスに基づいた、責任ある発言を心がけなければいけないなあと、改めて身が引き締まる思いでした。

保護者の方と学習内容を共有してもらえるように、用紙にはご家族のメッセージ欄を設けてあります。
過去には、このことをきっかけに、禁煙を試みたという保護者もいらっしゃいました。

5年生のある子から、「ニコチンいぞんになった人にどんな説明をしたらたばこをやめてくれますか?」という質問をもらいました。
ご家族からお子さんへのメッセージ欄には、「喫煙している家族に危険性を伝えて、一緒に禁煙するよう説得しましょう!!」と書いてありました。

おそらくこのご家庭は、お父さんが吸っていて、娘さんとお母さんが悩んでいるといったかんじでしょうか。

ノートを見れば、この子がとても賢いことがわかります。

私の質問への回答は、こうです。

「いぞん症はとてもやっかいな病気です。ニコチンにいぞんしているせいで、不自由な生活をおくっていることに、本人が気づくことができると、やめるきっかけになることが多いです。では、どうしたら気づいてもらえるか?ぜひ考えてみてください。」

医療者にとっても、禁煙の動機付けというのはとても難しいです。
でも、きっとうまくいくと期待したいです。



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経験者は語る・・・?

2022年11月10日 | 喫煙防止教育
「先生は喫煙防止教室を行っていらっしゃいますが、タバコを吸ったことがありますか?」

昨日行った喫煙防止教室で、中学生から質問されました。

実はこういった質問は初めてではなく、小学生からも時々聞かれます。

「幸いなことに、これまで一度も、1本も、吸ったことはありません」と答えました。

私が子供だった頃は、今よりもずっと多くの喫煙者が世の中にいましたし、社会の受動喫煙防止環境も全く整っておらず、学校での喫煙防止教育もきちんと行われていない時代でした。

ですから、喫煙者になってしまうリスクは、今の子供たちよりもずっと大きかったけれど・・・という意味が、「幸いなことに」という言葉には含まれています。


ではなぜ彼らは、私が喫煙したことがあるかどうか、ということが気になるのでしょうか?

ひょっとしたら、「喫煙経験者だからこそ、こんなにタバコについて詳しいのだろう」と思っているのかもしれません。

かつて覚せい剤や大麻などの薬物に依存した生活を送ったことのある人が、薬物乱用防止教育の講師として話をすることがあるのを知っています。

けれども、経験者でないと真実は語れない、とは限りません。
むしろ、特に依存性薬物については、経験したことがないほうが、客観的に分析ができて、教育や治療において有利であるという考え方があります。

以前から、大麻や覚せい剤の使用はやめていても、依然タバコを吸い続けている人が多いことが気になっています。

タバコは薬物乱用の入り口にあるもの、ゲートウェイドラッグとして認識されています。
タバコを吸い続けていると、他の依存性薬物の再使用のリスクが高くなるのではないかと心配です。

依存性薬物の使用を断ち切る治療は、タバコも含めて行うことが重要だと考えます。







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増えてる?減ってる?

2022年10月29日 | 喫煙防止教育

小学5年生の喫煙防止教室で、子供達からの質問に答えました。

昔に比べると、タバコを吸っている人は減っているということを知った子供達が、「おおーっ」と喜びの声をあげたことが嬉しかったです!

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タバコの品種改良?!

2022年10月19日 | 喫煙防止教育
子供や学生たちに教える立場からすると、授業内容への質問は大歓迎です。

もちろん、疑問点が解決されたり、わかりにくい点を理解することに繋がるからですが、受講者の質問によって、授業内容が拡がったり深まったりすることがよくあります。

小学生対象の授業でも、それは例外ではありません。

調べればすぐ答えが出るような質問に対しては、あえて答えず、調べる時のキーワードだけを教えて、子供たち自身が答えを見つけるように指導することもあります。

また、答えるのが簡単ではない、深イイ質問が出ることもあり、一緒に考えたり悩んだりする時間は、本当に楽しいです。

今日のリモート授業では、最初に養護の先生にスライドを使った授業をやっていただき、後半が子供たちとの質疑応答時間という予定でした。
二人ほど質問を受けたあと、「残り10分は、先生から補足コメントを・・・」と学校の先生に提案されたのですが、時間いっぱい、子供たちからの質問を受ける時間にあててもらいました。

毒のないタバコに品種改良したらどうかという小学3年生の女の子からの質問です。
喫煙防止教育を行った子供たちから、毒のないタバコを開発したらどうかといった意見は、たまに出ます。

きっと、吸っている人への子供たちなりの気づかいなのでしょう。

喫煙しているお父さんやお母さんたちは、こんなふうに子供から気づかわれていると知ったら、禁煙しようという気持ちになってもらえるでしょうか?

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子供が吸うとどーなるの?

2022年10月19日 | 喫煙防止教育
小学3年生対象のリモート喫煙防止教室。
子供からの質問には、すぐには答えない癖があるようです(笑)

子供たちをタバコの煙から守るためには、受動喫煙や3次喫煙について理解させることが大切です。


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子供のお菓子

2022年09月26日 | 喫煙防止教育
私が子供の頃は、遠足や運動会は秋でした。

小学校の遠足のおやつは、ひとり300円以内、なんていうふうに決められていて、何を持っていくか、お店で選ぶのが楽しかったですね。

ポッキーとビスコは、いまでも「行動食」として活用します。

いつの遠足だったか、クラスにたばこチョコ(商品名:ココアシガレット)を持ってきている男の子がいました。

お弁当の時間、わざわざ女子の前にきて吸うまねをして、こちらが驚いた顔をすると、「チョコだよ~ん」と言って得意げに食べてみせる子が、クラスに一人はいたんじゃないでしょうか。
サービスよく、一本おすそわけなんかもしてくれて・・・

そんなおちゃらけ小僧が誰だったかすっかり忘れてしまいましたが、大人になった今、本物のタバコを吸ってしまっていないか、気になります。

たばこチョコなんてものは、子供に『タバコ=美味しい・楽しい』という間違った印象を与えてしまう恐れがあります。
絶対に良くありません。

今でも、ポップアップ駄菓子屋などで売られているのを見たことがあります。

たかがお菓子と言うなかれ。

大人たちは、未来ある大切な子供たちに対して、無責任でひどいことをしているのだと思ってほしいです。

以前、かっぱえびせんをタバコに見立てて吸う真似をしている3歳児を見て、背筋が凍った・・・といった話を、禁煙外来にいらっしゃった方から聞いたことがあります。

子供は、良いことも悪いことも、ぜーんぶ大人の真似をしながら成長していくのです。

そういえば、シガレットクッキーというのもありますね。
バターの香り高い、さくさくした筒状のクッキーです。
美味しいですが、名前に抵抗があり、私は買いません。

ちょっと休憩することを、「一服する」と言う人もいますが、見直したい古い習慣だと思います。


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受動喫煙で歯周病

2022年08月01日 | 喫煙防止教育
リモート喫煙防止教室の一部が音声で聞けます。


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オンライン授業

2022年08月01日 | 喫煙防止教育
私が本格的に小中学校での喫煙防止教室に取り組み始めたのは2005年でした。
出張授業をさせてもらえる学校を地道にクチコミで開拓していきました。
病院という組織で働く医者としては異端児扱いされましたが、すごく頑張りました。
頑張れた理由は、何より楽しかったからです。

コロナ禍で学校へ行けなくなった2020年度は、学校の先生方のために授業用テキストを作成し、スライドとともに提供し、授業を行っていただきました。
これまで築き上げてきたことを、コロナで衰退させたくなかったからです。

ちょうど、「医師による特別授業」を、そろそろ養護の先生方に引き継ぎたいと考え始めていた時でしたので、これが良いきっかけになるかもしれないと、私的にはポジティブに受け止めていました。
(もちろん喫煙の健康被害はきちんと保健の教科書に書かれてありますが、意外と現場ではスルーされているのが現状だった経緯があります)

そうやって学校の先生方に喫煙防止授業を実施してもらった後の子供たちの感想文をみせてもらった限り、引き継ぎはできたという実感がありました。
実際、10年間すべての小中学校で出張授業を行ってきたN市では、2020年から保健師さんたちに喫煙防止教育事業を全面的に引き継ぎました。

けれども顔なじみの養護の先生方からは、現場の医師と子供たちが対話をする貴重な機会を失いたくないといった理由で、再度「医師による授業」をしてほしいというご要望をいただきました。
ありがたいお話です。

そこで、昨年度からはご依頼いただいた学校に対しては、「リモートであれば」という条件でお引き受けしています。
養護教諭の先生方は、リモートは・・・ということで、いったんは尻込みされるのですが、せっかくなので、時代の波に乗りましょう!とお互いに勇気づけあって、試行錯誤しながら行っています。

リモート授業についての子供たちの感想(5年生):

・先生から直接お話がきけたのでうれしかったです。

・オンラインでも時間をとってくれてうれしかったし、他の人の質問もわかりました。

・オンライン授業をやってみて、ふつうの授業みたいでとても良いと思いました!

・コンピューターでの会話も大丈夫でした。

・面と向かって話すのは苦手な子もいるので、リモートはすごくいいと思います。

・Meetでも声が良く聞こえてうれしかったです。

・先生は質問だけでなく、感想を言ったときもタバコについてくわしくていねいに話をしてくれて、ありがとうございます。

・今回初めてこのようなことをMeetを使ってオンラインで話をしたり、質問できて、すごいなと思いました。


変化を恐れる大人を勇気づけてくれるのは、いつもこういう子供たちです。



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