2月16日 (日)
2月4日に当地に初雪あり、かなりの積雪をみたが、これまでの経験からいずれ2,3日もすれば溶け去るであろうとたかをくくっていた。
その雪がまだ溶け切っていない2月7日の夜半になって、再び雪が降り始め、8日朝には大雪に変わった。
当地に降る雪はおおむね「牡丹雪」といわれる花びらを思わせる大型の雪で風情あるものだが、今回の雪は違う。横殴りの風に煽られた細かい雪粒で軒下までも吹き込んでどんどん雪嵩を増していく。30センチを超えても一向に降りやむ気配はない。
一夜を通して終日降り続き、庭はすっぽり雪に埋まって高低も定かならず、ところによっては50から60センチを優にこえている。
翌朝、雪そのものは降りやんだとはいえ気温は低く、これまでと何処かが違う雪嵩はまったく減る気配はない。いやそれだけではなく屋根から滑り落ちた雪でベランダは雪の山になっている。
このような積雪の道を車で走ることなど論外、歩くことすらできない。このまましばらくは家に蟄居するほかないと覚悟していた。ところが、あろうことか追い打ちをかけるように13日夜にはまたまた大雪となり、状況は悪くなる一方、大室高原は完全に孤立化し「雪国」と化してしまった。
時に停電もあったりして、毎日の生活が脅かされるようになった。大室高原は足腰弱い高齢者所帯が大半をしめているから、他の人はどうしているのだろうか。雪の中で買い出しに出かけられないとするなら備蓄していた食料でなんとか食いつなぐしかない。幸い我が家の食糧庫にはいくばくかの食料品があるので飢えることはなさそうだが、「食料難」「「孤立生活」「難民」などの言葉が脳裏をよぎる。
こんな困窮の事態に立ち至ったのは当地が開発されて以来のことであろう。これまで当地を高齢者にとっての「理想境」と考えてきていたが、これからも地球規模の気候変動が続いて、こんな事態がしばしば当地を襲うとなれば大室高原別荘地からの脱出すら視野に入る。
とにかく、ひどいことになった。
雪に閉ざされて孤立していた日数が13日を超えた今日、ようやく暖かくなり鮮やかな青空と海が広がりを見たが雪はまだまだ深い。
ようやく、玄関まで膝まで没する深雪の中を出てみたら、なんとカーポートが倒壊して駐車してあった車を直撃している。車の上部やボンネットは大きく傷つきリアウインドウは木端微塵。今回の雪は粉雪ではなく湿った重い雪で荷重に耐えられなかったのであろう。それにしても大変な損害だ。
しかし、思いを翻せばその程度の被害で済んだことは良しとしなければなるまい。命あっての物だね。ニュースでは崩れ落ちたカーポートの下敷きになって亡くなった人もいたというから。
そんなところに、IKOI農場のMr. & Mrs.IT、IWなど皆さんが心配されて来てくれただけでなく、車庫周りの雪かきまでして下さった。カーポートの残骸を取り外し、大破した車を引き出すのは業者がやってくれるとしても、その前に雪かきだけはやらねばならない当面の作業だが、超高齢者の私にとってこれだけの雪量では到底手出しできない大作業である。
下手に出だしして怪我などしたら救急車もこられない。黙って作業をみるだけでなんとも申し訳ない格好になったが、感謝、感謝のほかない。