ひとり ときどき ふたり旅 さんぽ 壱

静岡 岳南鉄道 かぐや姫伝説 比奈 旅行回想

 

東海道線の「吉原駅」に降り立ちます。


「硬券」を求めホームに向かいます。


ホームの屋根張りのアーチは、面白さがあります。


この先は、静岡駅に向かっています。


「ED50形電気機関車」、当時は現役で走っていました。


振り返ると雄大な「富士山」がここからくっきりと見えます。

右側に「宝永山」の噴火の名残りも見えます。


「モハ7000形」の車体カラーは、当社代表色の「インターナショナルオレンジ」


2008年12月30日のこの年は、創立60周年のヘッドマークが付けられています。


30分おきに走っているようです。


この当時、終点までなんと350円、「比奈駅」まで250円。


岳南鉄道は、全長9.2㎞、駅数はわずか10駅、片道21分で着いてしまいます。

 

この電車旅の目的は、「岳南鉄道」に乗ることと「かぐや姫伝説」を調べにうかがいました。


吉原駅から12分で、伝説の発祥地「比奈駅」で降ります。


しなびた駅舎、静かにひっそりと建っています。


ここからも「富士山」がそびえています。

毎日が富士から始まり富士で終わる日々、神々しい1日ですね。


マンホールは、大波と富士さんのがら。


「ロマンと泉の里 かぐや姫」は色々な伝説を求めて

「竹採公園」まで歩いてみます。


 

【 かぐや姫物語 】

『竹取翁の物語』とも『竹取物語』とも呼ばれた。

成立年、作者ともに不詳の仮名によって書かれた最初期の物語の一つで

日本最古の物語とされています。


物語は、光り輝く竹の中から現れ

竹取の翁夫婦に育てられたかぐや姫が成長して

5人の若者や帝に求婚されるが、中秋の名月の夜に天に昇って

月に帰ってしまうという内容です。


5人の若者は、「壬申の乱」( 672年)に活躍した実在の豪族の名が使われています。

また、天に昇った場所は、富士山頂であろうといわれています。


 

【 かぐや姫 】 

むかしむかし、その昔、京ができる前のお話です。

駿河の国、富士郡に姫名郷(現在の富士市比奈?)と呼ばれる里がありました。 

この里は、富士山を真正面に仰ぐふもとにあって

村人たちは朝な夕なにきれいな富士の山を仰ぎ

南に広がる青い海や伊豆の山々を眺めて暮らしていました。

 

この姫名の里に子どものいない老夫婦、翁と姥が住んでいました。

翁は裏山の竹を取って暮らしていたので、「竹採の翁」と呼ばれていました。 

 

そんな翁と姥は、子どもを授けてほしいと祈りながら暮らしていました。 

ある日のこと、翁が裏山へ竹を取りに行くと

1本の竹の根元が光っているではありませんか。

 

 「不思議なことがあるもんだ。」 と思いながら竹を切ると

竹の中に1寸(約3㎝)ほどの女の子がいるではありませんか。 


「子どもがいない私たちに、神さまが授けてくれた。」 と喜び

翁は急いで家に帰り、姥とともに大切に育てました。 


女の子はかわいく、美しい娘に成長しました。

村人たちは、光り輝くような美しい女の子を「かぐや姫」と呼びました。 


美しい娘が「姫名の里」にいるといううわさは

国司の耳にも届き、国司も使いを出して結婚を申し込みました。

しかし、かぐや姫は国司の求めを断りました。


あきらめきれない国司は、自らこの姫名の里にやってきて、熱心に求婚したのです。

国司の真剣な愛を受けたかぐや姫は、国司と一緒に暮らすことにしました。


 

【 静岡県富士市に伝わる、かぐや姫伝説 】

恋愛もので、わが国の最も古い小説が竹取物語だといわれています。 


皆さんがよく知っている竹取物語は

「ある日竹取の翁が、竹の中から1寸余りの少女を授かり

かぐや姫と名付け、美しく成長した。

姫は、5人の貴公子から求婚されながらも

無理難題をいって断り、時の帝のお召しにも従わず

月の世界に帰っていく。」といった内容だと思います。

 

かぐや姫の伝説には諸説がありますが

富士市に伝わる物語は多少内容が異なっています。


代表的な話は、明治17年に村々の情勢を報告した

「皇国地誌編輯(こうこくちし へんしゅう)」

比奈村古跡(ひなむら こせき)の条に記されている物語をもとにしています。 

 

このほかにも富士市には、白隠禅師(はくいんぜんじ)の

「無量寿禅寺草創記(むりょうじゆ ぜんじそう そうき)」(1718年)

の中にも竹取物語が記されています。 

 

これには、「寺は雲門と名づく、赫夜姫(かぐやひめ)の誕育の跡なり、竹取翁の居所なり」と記して物語は始まります。 


しかし、この物語には、前述の「皇国地誌編輯」と大きく異なる部分があります。

 

かぐや姫は天子の求婚を振り切るために、岩窟に隠れ

コノシロ(小魚で、あぶると屍臭を発するといわれるもの)と

綿の実を焼いて、姫が死を選んだと思わせました。

 

その後、かぐや姫は富士山頂の岩窟に身を隠すと、

いつしか、人々はかぐや姫のことを

「浅間の大神として敬い、富士山のご神体であると思うようになりました。」

 

 

 

このように、富士に伝わるかぐや姫伝説は

富士山と深いかかわりをもつ特徴があるようです。 



竹取伝説が伝わる、「比奈の竹採公園」には

白隠禅師の墓や「竹採姫」と刻まれた石碑が残されています。



また、翁と姥が住んでいたといわれる「竹採屋敷」

かぐや姫が富士山に帰った道とされる「囲いの道」

別れを惜しんで振り返ったとされる「見返し坂」という坂があります。

 

このほか、「籠畑」・「かぐや姫」と呼ばれる地名も残っています。 

 

富士山の麓に神話とかぐや姫伝説が残されています。


振り返り、ふりかえり、富士山を見ながら「比奈駅」に戻ります。


駅の改札が、かぐや姫伝説の入口のように、現代に戻ります。


駅舎の上からも「ふじさん」がひょっこり顔を出しています。


この先は、「岳南ふじおか駅」、4駅で終点です。


「吉原駅」に向かう電車が来ました

今では、電車を使い「夜景電車」や

「夜景ツアー鉄道&工場(W夜景をW撮り)」が行われています。


「吉原駅」のそばには、「田子の浦港」で「生シラス」を求められます。


全駅から富士山が望める「岳南電車鉄道」、富士山の神話とかぐや姫伝説であふれた街です。 

 

次のブログは、江戸時代からある庶民の「富士山信仰」をつづります。

 

 

 

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