「AI」 マイナス面や課題は

　人間がつくり出したような文章や画像、動画や音楽を作成する生成ＡＩ（人工知能）。スマホでも使えるようになるなど私たちのくらしに入り込んでいます。
　人と同じように会話ができる。文章で質問すると知りたいことをまとめてくれる。急速に進化するＡＩですが、多くの企業が利用している米国では開発競争が過熱。マイナス面や課題もあらわに。
　ＡＩによって仕事を奪われる労働者や教育現場からは、規制や適切な使い方を求める声が次々にあがっています。ＡＩに頼ることで生徒の思考力や創造性が失われると懸念する教諭。膨大なネット情報を取り込むＡＩには差別や偏見もあり、批判的にみることも必要と説く識者も。
　さらに、サイバー攻撃や偽情報の発信、偽画像や偽動画を使った投資詐欺などＡＩを悪用した犯罪や不正も相次いでいます。それは軍事面でも。標的選びから攻撃までを人間の指示なしで行う自律型致死兵器と呼ばれるものにも転用されています。
　イスラエルのガザ虐殺やロシアのウクライナ侵略にも使用されているＡＩ兵器。火薬、核兵器に次ぐ第３の軍事革命といわれますが、国連は危機感をもって法的拘束力のある禁止や規制を各国に呼びかけています。
　人類が築き上げてきた科学・技術の発展でもあるＡＩとの共生。経済研究者の友寄英隆さんは本紙連載「ＡＩと科学的社会主義」(１７日付）でこう指摘します。「核兵器にしても、ＡＩにしても、その国際的管理に失敗したら、人類破滅の危機に陥る危険がある」