基地と特権が温床なのは明白
「(沖縄に)米軍が駐留することによって(米兵)犯罪が起こっているという因果関係を私は存じ上げない」。石破茂首相の答弁に驚きと怒りの声が上がっています。
沖縄で相次ぐ米兵犯罪について日本共産党の赤嶺政賢議員が2月26日の衆院予算委員会で、米軍が「再発防止」「綱紀粛正」を何度口にしても一向になくならない事実を追及したことへの答弁です。
■再発防止効果なし
沖縄では、2023年12月に嘉手納基地所属の米兵が少女を誘拐し性的暴行を加える事件が起こりました。政府は半年間も事件を公表せず、県内外で激しい怒りが沸き起こりました。しかも、沖縄での米兵の性暴力事件はその後も、24年に4件立て続けに発生しました。
こうした事態を受け、米軍は24年10月から、再発防止策の一環として、午前1時~5時の基地の外での飲酒を禁止しました。
しかし、赤嶺氏の質問に坂井学国家公安委員長は、24年10月1日~25年2月12日までの米軍関係者の事件・事故が刑法犯18件、交通人身事故2件、道路交通法違反20件、特別法違反3件の計43件に上ることを明らかにしました。
事件・事故が起こるたび米軍が打ち出す再発防止策に何の効果もないことを示しています。しかも、そもそも23年12月の少女誘拐暴行事件が起きたのは午後6時で、「深夜の飲酒制限が同様の事件の再発防止になるはずがありません」(赤嶺氏)。
沖縄に米軍が駐留していなければ、駐留米兵による犯罪が起こらないことは自明です。米軍基地の縮小・撤去こそ米兵犯罪を根絶する一番の道です。
同時に、基地があるもとでも米兵犯罪を減らすには、日米地位協定の抜本的な改定が必要です。
地位協定は、公務外であっても、犯罪を起こした米兵容疑者が基地に逃げ込めば、日本側は起訴するまで身柄を拘束できないと定めています。米兵犯罪の発生を抑えることができないのは、日本側が容疑者を逮捕できず、取り調べも難しい差別的・特権的な仕組みが要因の一つです。
■地位協定改定急げ
沖縄県が、日本側が容疑者の身柄引き渡しを要請すれば米側は速やかに応じるよう規定の見直しを求めているのは当然です。
石破氏は24年9月、自民党総裁選の演説会(那覇市)で「地位協定の改定に着手すべき」だと述べました。しかし、首相就任後は口を閉ざしています。24年11月に地位協定の改定などを検討する自民党の特命委員会を発足させ、これまで3回の会合が開かれていますが、結論を出す期限は設けられていません。
赤嶺氏の追及に石破氏は「地位協定は(日米)安全保障条約と一体のものなので…セットで議論するのに、期限(を切ること)が簡単にできるはずはない」と開き直りました。1960年締結の日米地位協定はこれまで一度も改定されていません。しかし、米国の同盟国であるドイツや韓国では改定が行われています。日米地位協定改定の先延ばしは許されません。
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