それは全世界の指導者への警告だといいます。前年より1秒進められ、過去最短となった「世界終末時計」。人類滅亡までの残り時間は89秒で、崖っぷちに近づいていると。
終末時計は第2次大戦後、米マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加した科学者らが核戦争の危機に警鐘を鳴らす目的で創設。今年の発表では生物学や人工知能の悪用、気候変動対策の遅れ、そして核の脅威が主な要因に挙げられました。
進む終末時計は3・1ビキニデーの全国集会でも話題に。日本原水協の安井正和事務局長は、核大国や核保有国による戦争と破壊がやまず、国際社会を分断する動きが続いていると報告。その中で希望の光となっているのが核兵器禁止条約と日本被団協のノーベル平和賞だと訴えました。
実際、核禁条約を採択した国連交渉会議の議長を務めたエレン・ホワイトさんは、被団協をはじめ被爆者を「地球の外交官」と呼んでいます。長年、世界の人びとに被爆の実態を伝えてきたかれらは全人類の利益を代表すると評して。
米国の核実験がもたらしたビキニ被災は、原水爆禁止運動を日本中に広めました。その後、世界大会の開催、被団協の結成と続き核廃絶のうねりは世界中に。ところが肝心の日本政府は、被爆者への国家補償も核禁条約にも背を向け続けるお粗末さです。
平均年齢85歳をこえてなお、たたかい続ける被爆者の姿は暗闇を照らす光に。そして平和への逆流に抗し、連帯する草の根の力を、被爆80年のビキニデーは改めて。
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