大阪市再建かギリシャ的破綻か、問われる市長選挙 (その2) 地方再活性化応援寄稿
11月13日、大阪市長選挙が告示され、現職の平松市長と任期を3か月残して大阪府知事を辞職した橋本前知事が立候補した。27日に投票となる。一地方選挙ではあるが、その結果は日本政治に大きな意味を持つことになろう。
1、大阪市再建かギリシャ的破綻への道かの選択 (その1に掲載)
2、地方自治の促進か既成制度の維持か
平松候補は、下からの積み上げ(ボトムアップ)による従来型の行政手法を主張しており、民主、自民両党と共産党が支援している。他方橋本候補は、大阪都構想を掲げ、大阪府全体としての再建と地方自治の促進を掲げ、その中での市政の簡素化、改善を主張している。その実現のため強いリーダーシップ(トップダウン)を主張し、自らが率いる大阪維新の会が支援している。大阪都構想については精査を要するが、いずれが市長となるかは知事選にも影響すると共に、地方行政のみならず国政に大きな影響を与えることになろう。
下からの積み上げ自体は、方針を実施に移す際などに必要なことはあるが、稟議制と言われ、決定の遅さや政策の硬直性などが指摘されて来た。また各行政組織内での「積み上げ」方式が民意を受けて選ばれた首長の基本方針や政策上の優先度を阻む結果となる可能性がある。審議会や委員会等があるが、それらは各行政組織が選んだ委員により行政組織の考え方を反映するためのものであることが多い。他方、「独裁者が必要」との橋本候補の発言は、リーダーシップの強さを強調した発言と見られるが、基本的な方針、ヴィジョンや政策上の優先度を明確に示し、その結果に対し責任を取ることがリーダーシップなのであり、それを選ぶのは有権者ということになる。従って、本来であれば民意を受けて新市長や新政権が誕生した際には、諸審議会や委員会は一旦解散し、必要に応じ新たな体制で行うか、或いは新首長や新政権の下で諮問機関や政策グループなどを発足させることが望ましい。人と人、組織と組織の間の選挙であるので、何らかのしこりが残ることは仕方が無いが、敗者側も負けは負けとして敗因を分析、調整し、次の選挙で出直すしかない。スポーツ界でもそうである。どのような選手でも常に勝つとは限らない。それがゲームのルールだ。
また平松候補は与野党の2大政党他に支持されており、基本的には中央と地方の関係を含め、既成の制度に立脚しているのに対し、橋本候補は非既成政党の大阪維新の会を背景として地方行政の細部に亘る中央の関与、規制を簡素化し、地方自治の拡大する目標としている。既成制度を変更しようとするのであるから強力なリーダーシップとそれを支える民意か支持層を必要とするのは無理からぬところである。どちらを選ぶかは大阪市民の選択となろうが、橋本候補が選択されれば行政手法や中央と地方の関係、地方自治のあり方に変化が出て来よう。特に大阪知事も維新の会の候補が当選すれば地方自治の拡大に大きな動きが出ることになろう。橋本候補はいわば大阪のプーチンとなる。
大阪は東京に次ぐ日本の大都市であり経済圏であるので、同市の市長選は知事選と相俟って日本全体にも大きな影響を与えよう。日本の将来にとって強く活気に満ちた地方を作ることが強く望まれるところであり、それにより日本の社会経済の厚みと総合力を高めて行けば、日本はまだまだ発展・成長の余地があるし、恐らくそれが各地方の願いであろう。そのためには大阪を含め地方が、中央依存から卒業して地方自治を拡大し、自らの努力で発展出来るようにして行くことが望まれる。それは結果への責任も地方が取るということに他ならないが、それが発展、成長の原動力になろう。
大阪市と大阪府の市民が賢明な選択をされることを願っている。(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
11月13日、大阪市長選挙が告示され、現職の平松市長と任期を3か月残して大阪府知事を辞職した橋本前知事が立候補した。27日に投票となる。一地方選挙ではあるが、その結果は日本政治に大きな意味を持つことになろう。
1、大阪市再建かギリシャ的破綻への道かの選択 (その1に掲載)
2、地方自治の促進か既成制度の維持か
平松候補は、下からの積み上げ(ボトムアップ)による従来型の行政手法を主張しており、民主、自民両党と共産党が支援している。他方橋本候補は、大阪都構想を掲げ、大阪府全体としての再建と地方自治の促進を掲げ、その中での市政の簡素化、改善を主張している。その実現のため強いリーダーシップ(トップダウン)を主張し、自らが率いる大阪維新の会が支援している。大阪都構想については精査を要するが、いずれが市長となるかは知事選にも影響すると共に、地方行政のみならず国政に大きな影響を与えることになろう。
下からの積み上げ自体は、方針を実施に移す際などに必要なことはあるが、稟議制と言われ、決定の遅さや政策の硬直性などが指摘されて来た。また各行政組織内での「積み上げ」方式が民意を受けて選ばれた首長の基本方針や政策上の優先度を阻む結果となる可能性がある。審議会や委員会等があるが、それらは各行政組織が選んだ委員により行政組織の考え方を反映するためのものであることが多い。他方、「独裁者が必要」との橋本候補の発言は、リーダーシップの強さを強調した発言と見られるが、基本的な方針、ヴィジョンや政策上の優先度を明確に示し、その結果に対し責任を取ることがリーダーシップなのであり、それを選ぶのは有権者ということになる。従って、本来であれば民意を受けて新市長や新政権が誕生した際には、諸審議会や委員会は一旦解散し、必要に応じ新たな体制で行うか、或いは新首長や新政権の下で諮問機関や政策グループなどを発足させることが望ましい。人と人、組織と組織の間の選挙であるので、何らかのしこりが残ることは仕方が無いが、敗者側も負けは負けとして敗因を分析、調整し、次の選挙で出直すしかない。スポーツ界でもそうである。どのような選手でも常に勝つとは限らない。それがゲームのルールだ。
また平松候補は与野党の2大政党他に支持されており、基本的には中央と地方の関係を含め、既成の制度に立脚しているのに対し、橋本候補は非既成政党の大阪維新の会を背景として地方行政の細部に亘る中央の関与、規制を簡素化し、地方自治の拡大する目標としている。既成制度を変更しようとするのであるから強力なリーダーシップとそれを支える民意か支持層を必要とするのは無理からぬところである。どちらを選ぶかは大阪市民の選択となろうが、橋本候補が選択されれば行政手法や中央と地方の関係、地方自治のあり方に変化が出て来よう。特に大阪知事も維新の会の候補が当選すれば地方自治の拡大に大きな動きが出ることになろう。橋本候補はいわば大阪のプーチンとなる。
大阪は東京に次ぐ日本の大都市であり経済圏であるので、同市の市長選は知事選と相俟って日本全体にも大きな影響を与えよう。日本の将来にとって強く活気に満ちた地方を作ることが強く望まれるところであり、それにより日本の社会経済の厚みと総合力を高めて行けば、日本はまだまだ発展・成長の余地があるし、恐らくそれが各地方の願いであろう。そのためには大阪を含め地方が、中央依存から卒業して地方自治を拡大し、自らの努力で発展出来るようにして行くことが望まれる。それは結果への責任も地方が取るということに他ならないが、それが発展、成長の原動力になろう。
大阪市と大阪府の市民が賢明な選択をされることを願っている。(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)