内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

大阪市再建かギリシャ的破綻か、問われる市長選挙 (全編) -地方再活性化応援寄稿 再掲

2011-11-26 | Weblog
大阪市再建かギリシャ的破綻か、問われる市長選挙 (全編) -地方再活性化応援寄稿 再掲
 11月13日、大阪市長選挙が告示され、現職の平松市長と任期を3か月残して大阪府知事を辞職した橋本前知事が立候補した。27日に投票となる。一地方選挙ではあるが、その結果は日本政治に大きな意味を持つことになろう。
 1、大阪市再建かギリシャ的破綻への道かの選択
 大阪市は、かねてより財政悪化に直面しており、改革が進まなければ財政再建団体に転落するのではないかと懸念されている。平松候補は、同市はアジアで最も住みやすい市としているが、大阪市は全国で生活保護受給者が最多の14.4万にも達し、給付総額は2,916億円になる。その多くは国が負担するが、同市負担も153億円にのぼる。人口に対する受給率も5.6%強で、全国平均の1.6%と全国平均の3倍半になる。犯罪率も高い。その一方で、大阪府の浄水場とは別に市の浄水場を持っているなど、府との重複施設、制度があり、無駄が指摘されている。
 これに対し、橋本候補は大阪府としてこれら施設や制度を統合、整理し、経費節減を訴えているが、市側は応じていない。地方公共団体が保有している施設や公有地などは、国有地同様、維持管理費、人件費などが掛かる上、民間に売却・移管すれば不動産税等が入ってくるが税金収入の機会を逸していることになるので、財政が潤沢であれば別だが、財政負担軽減のため極力少なくすることが望ましい。成長期やバブル期に蓄えた公用地や施設等を停滞期に民間に払い下げ、その資金を景気対策等に回すことこそが、財政政策と言えるものであり、増税に先駆けて行うべきことであろう。このままでは4、5年で財政破綻することが懸念されている。生活保護についても、国の負担、従って納税者である一般国民の負担となっており、また大阪市が財政破綻となれば国、国民の負担となるばかりか日本経済に与える影響も大きい。大阪市民がこのような広い視点に立って新市長を選択されることが望まれる。
 この点は大阪市だけの問題ではなく、国はもとより、各地方公共団体が総点検すべきことであろう。
 2、地方自治の促進か既成制度の維持か
 平松候補は、下からの積み上げ(ボトムアップ)による従来型の行政手法を主張しており、民主、自民両党と共産党が支援している。他方橋本候補は、大阪都構想を掲げ、大阪府全体としての再建と地方自治の促進を掲げ、その中での市政の簡素化、改善を主張している。その実現のため強いリーダーシップ(トップダウン)を主張し、自らが率いる大阪維新の会が支援している。大阪都構想については精査を要するが、いずれが市長となるかは知事選にも影響すると共に、地方行政のみならず国政に大きな影響を与えることになろう。
 下からの積み上げ自体は、方針を実施に移す際などに必要なことはあるが、稟議制と言われ、決定の遅さや政策の硬直性などが指摘されて来た。また各行政組織内での「積み上げ」方式が民意を受けて選ばれた首長の基本方針や政策上の優先度を阻む結果となる可能性がある。審議会や委員会等があるが、それらは各行政組織が選んだ委員により行政組織の考え方を反映するためのものであることが多い。他方、「独裁者が必要」との橋本候補の発言は、リーダーシップの強さを強調した発言と見られるが、基本的な方針、ヴィジョンや政策上の優先度を明確に示し、その結果に対し責任を取ることがリーダーシップなのであり、それを選ぶのは有権者ということになる。従って、本来であれば民意を受けて新市長や新政権が誕生した際には、諸審議会や委員会は一旦解散し、必要に応じ新たな体制で行うか、或いは新首長や新政権の下で諮問機関や政策グループなどを発足させることが望ましい。人と人、組織と組織の間の選挙であるので、何らかのしこりが残ることは仕方が無いが、敗者側も負けは負けとして敗因を分析、調整し、次の選挙で出直すしかない。スポーツ界でもそうである。どのような選手でも常に勝つとは限らない。それがゲームのルールだ。
 また平松候補は与野党の2大政党他に支持されており、基本的には中央と地方の関係を含め、既成の制度に立脚しているのに対し、橋本候補は非既成政党の大阪維新の会を背景として地方行政の細部に亘る中央の関与、規制を簡素化し、地方自治の拡大する目標としている。既成制度を変更しようとするのであるから強力なリーダーシップとそれを支える民意か支持層を必要とするのは無理からぬところである。どちらを選ぶかは大阪市民の選択となろうが、橋本候補が選択されれば行政手法や中央と地方の関係、地方自治のあり方に変化が出て来よう。特に大阪知事も維新の会の候補が当選すれば地方自治の拡大に大きな動きが出ることになろう。橋本候補はいわば大阪のプーチンとなる。
 大阪は東京に次ぐ日本の大都市であり経済圏であるので、同市の市長選は知事選と相俟って日本全体にも大きな影響を与えよう。日本の将来にとって強く活気に満ちた地方を作ることが強く望まれるところであり、それにより日本の社会経済の厚みと総合力を高めて行けば、日本はまだまだ発展・成長の余地があるし、恐らくそれが各地方の願いであろう。そのためには大阪を含め地方が、中央依存から卒業して地方自治を拡大し、自らの努力で発展出来るようにして行くことが望まれる。それは結果への責任も地方が取るということに他ならないが、それが発展、成長の原動力になろう。
 大阪市と大阪府の市民が賢明な選択をされることを願っている。(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その3)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その3)
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避 (その1に掲載)
 2、ギリシャは対岸の大火 (その2に掲載)
 3、予算の節減、組み換えか増税か
 財政健全化を行うには、歳出の節減や無駄の排除と優先度に基づく予算の組み換えか、増税による増収によることになる。
野田首相は、G20 首脳会議の全体会合で、日本の経済・財政状況に言及し、「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる方針」を表明した。これを一部紙が、“国際公約”として報じている。G20 首脳会議は、各国が取るべき具体的な措置を約束する場ではない上、租税は各国の主権に委ねられている国内事項であり、野田政権としての方針を説明したとしても“国際公約”などになりようがない。しかし同時に関係法案を今年度中に提出する意向を表明したことは、同政権として消費税増税に大きく傾斜したことを意味する。
 同首相は、今臨時国会での施政方針演説において、増税の一方で予算の節減をとことん行う旨表明しているので、消費税増税までに歳出の節減や無駄の排除がとことん行われると期待して良いのであろう。他方、これが十分に行われないまま復興税や消費税増税が次々と出されれば、ギリシャのように旧来の放漫財政が引き継がれ、それが増税により更に歳出が膨らむ恐れがある。ギリシャの財政・金融破綻に学ぶべきであろう。現状であれば、日本の将来ビジョンを描きながら、日本の政・官・民の努力で財政健全化と合わせて経済の再建の道を選択出来る。歳出の節減や無駄の排除と優先度に基づく予算の組み換えにより、局部的な痛みはあろうが、今回のギリシャのように管理デフォルトに陥り、国際金融社会の監視の下での緊縮財政となれば財政、金融全般に亘る抑制が義務付けられるので、日常生活全般に亘り悲惨な緊縮を強いられることになろう。
 ここはギリシャの破綻に学び、政・官・民が英知と力を結集してまず抜本的な財政の簡素化に道筋をつけることが強く望まれる。
(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その3)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その3)
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避 (その1に掲載)
 2、ギリシャは対岸の大火 (その2に掲載)
 3、予算の節減、組み換えか増税か
 財政健全化を行うには、歳出の節減や無駄の排除と優先度に基づく予算の組み換えか、増税による増収によることになる。
野田首相は、G20 首脳会議の全体会合で、日本の経済・財政状況に言及し、「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる方針」を表明した。これを一部紙が、“国際公約”として報じている。G20 首脳会議は、各国が取るべき具体的な措置を約束する場ではない上、租税は各国の主権に委ねられている国内事項であり、野田政権としての方針を説明したとしても“国際公約”などになりようがない。しかし同時に関係法案を今年度中に提出する意向を表明したことは、同政権として消費税増税に大きく傾斜したことを意味する。
 同首相は、今臨時国会での施政方針演説において、増税の一方で予算の節減をとことん行う旨表明しているので、消費税増税までに歳出の節減や無駄の排除がとことん行われると期待して良いのであろう。他方、これが十分に行われないまま復興税や消費税増税が次々と出されれば、ギリシャのように旧来の放漫財政が引き継がれ、それが増税により更に歳出が膨らむ恐れがある。ギリシャの財政・金融破綻に学ぶべきであろう。現状であれば、日本の将来ビジョンを描きながら、日本の政・官・民の努力で財政健全化と合わせて経済の再建の道を選択出来る。歳出の節減や無駄の排除と優先度に基づく予算の組み換えにより、局部的な痛みはあろうが、今回のギリシャのように管理デフォルトに陥り、国際金融社会の監視の下での緊縮財政となれば財政、金融全般に亘る抑制が義務付けられるので、日常生活全般に亘り悲惨な緊縮を強いられることになろう。
 ここはギリシャの破綻に学び、政・官・民が英知と力を結集してまず抜本的な財政の簡素化に道筋をつけることが強く望まれる。
(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その3)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その3)
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避 (その1に掲載)
 2、ギリシャは対岸の大火 (その2に掲載)
 3、予算の節減、組み換えか増税か
 財政健全化を行うには、歳出の節減や無駄の排除と優先度に基づく予算の組み換えか、増税による増収によることになる。
野田首相は、G20 首脳会議の全体会合で、日本の経済・財政状況に言及し、「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる方針」を表明した。これを一部紙が、“国際公約”として報じている。G20 首脳会議は、各国が取るべき具体的な措置を約束する場ではない上、租税は各国の主権に委ねられている国内事項であり、野田政権としての方針を説明したとしても“国際公約”などになりようがない。しかし同時に関係法案を今年度中に提出する意向を表明したことは、同政権として消費税増税に大きく傾斜したことを意味する。
 同首相は、今臨時国会での施政方針演説において、増税の一方で予算の節減をとことん行う旨表明しているので、消費税増税までに歳出の節減や無駄の排除がとことん行われると期待して良いのであろう。他方、これが十分に行われないまま復興税や消費税増税が次々と出されれば、ギリシャのように旧来の放漫財政が引き継がれ、それが増税により更に歳出が膨らむ恐れがある。ギリシャの財政・金融破綻に学ぶべきであろう。現状であれば、日本の将来ビジョンを描きながら、日本の政・官・民の努力で財政健全化と合わせて経済の再建の道を選択出来る。歳出の節減や無駄の排除と優先度に基づく予算の組み換えにより、局部的な痛みはあろうが、今回のギリシャのように管理デフォルトに陥り、国際金融社会の監視の下での緊縮財政となれば財政、金融全般に亘る抑制が義務付けられるので、日常生活全般に亘り悲惨な緊縮を強いられることになろう。
 ここはギリシャの破綻に学び、政・官・民が英知と力を結集してまず抜本的な財政の簡素化に道筋をつけることが強く望まれる。
(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その2)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その2)
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避 (その1で掲載)
 2、ギリシャは対岸の大火
 ギリシャにおいて、2009年10月に新民主主義党から全ギリシャ社会主義運動党に政権が交代し、パパンドレウ政権が成立した。しかし旧政権下では、財政赤字が国民総生産(GDP)の4%程度と発表されていたが、統計操作により抑えられていたもので、実際には13%前後に拡大していたことが発覚した。そして国家の債務残高も約3,000億ユーロ(30兆円強)、GDPの113%程度に達していた。
EU27か国中、共通通貨のユーロ圏に加盟しているのは17か国であるが、加盟条件の一つは財政赤字がGDPの3%以内ということになっており、厳しい財政規律が求められている。ギリシャは、2001年にユーロ・グループの一員として認められた。加盟当初より財政赤字の比率が3%を超えていたものの、ぎりぎりで加盟が認められたが、実際は3%台以上ではないかと疑問視されていた。それだけにギリシャの財政健全化が期待されていたが、実際には財政が悪化の一途を辿っていたことが政権交代により表面化したのである。要するに自己改革出来なかったどころか、悪化を容認して来たのである。
しかし今回は、破綻状態のギリシャ経済の救済策と引き換えに、緊縮財政が義務付けられることになったので、実施せざるを得ない。
ところがそのギリシャと財政赤字や公的債務の状況を比較すると、日本はそれどころではない。日本の財政赤字は、GDPの10%前後に達しており、公的債務は2011年度末には1,000兆円を超えると見られている。国内総生産の約2年分、200%で、毎年その10%、即ち一般歳出のほぼ全額を返済に充てたとしても20年も掛かる借金を抱え込んでいる!無論、そのベースとなる国民経済の規模や産業の競争力、1,400兆円内外に及ぶ個人金融資産の存在など、経済力が異なる。しかし、もしこの状況が将来世代に先送りされれば、日本はいずれギリシャのような財政、金融破綻の状況に追い込まれる恐れがある。ギリシャは他人事ではないのである。自らの努力で出来る内に財政の健全化を行うことが望ましい。
現在の円高は、日本経済の強さや健全性を反映したものでは決して無く、ドル安、ユーロ安によるものであるので何時までも続くものではない。なんらかのきっかけで利益を確保するために、国際機関投資家やヘッジファンドにより円が投げ売られる可能性がある。そうなれば1997年7月のタイ・バーツ投売りに端を発するアジア金融危機以上の日本発国際金融危機に発展するであろう。
(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その2)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その2)
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避 (その1で掲載)
 2、ギリシャは対岸の大火
 ギリシャにおいて、2009年10月に新民主主義党から全ギリシャ社会主義運動党に政権が交代し、パパンドレウ政権が成立した。しかし旧政権下では、財政赤字が国民総生産(GDP)の4%程度と発表されていたが、統計操作により抑えられていたもので、実際には13%前後に拡大していたことが発覚した。そして国家の債務残高も約3,000億ユーロ(30兆円強)、GDPの113%程度に達していた。
EU27か国中、共通通貨のユーロ圏に加盟しているのは17か国であるが、加盟条件の一つは財政赤字がGDPの3%以内ということになっており、厳しい財政規律が求められている。ギリシャは、2001年にユーロ・グループの一員として認められた。加盟当初より財政赤字の比率が3%を超えていたものの、ぎりぎりで加盟が認められたが、実際は3%台以上ではないかと疑問視されていた。それだけにギリシャの財政健全化が期待されていたが、実際には財政が悪化の一途を辿っていたことが政権交代により表面化したのである。要するに自己改革出来なかったどころか、悪化を容認して来たのである。
しかし今回は、破綻状態のギリシャ経済の救済策と引き換えに、緊縮財政が義務付けられることになったので、実施せざるを得ない。
ところがそのギリシャと財政赤字や公的債務の状況を比較すると、日本はそれどころではない。日本の財政赤字は、GDPの10%前後に達しており、公的債務は2011年度末には1,000兆円を超えると見られている。国内総生産の約2年分、200%で、毎年その10%、即ち一般歳出のほぼ全額を返済に充てたとしても20年も掛かる借金を抱え込んでいる!無論、そのベースとなる国民経済の規模や産業の競争力、1,400兆円内外に及ぶ個人金融資産の存在など、経済力が異なる。しかし、もしこの状況が将来世代に先送りされれば、日本はいずれギリシャのような財政、金融破綻の状況に追い込まれる恐れがある。ギリシャは他人事ではないのである。自らの努力で出来る内に財政の健全化を行うことが望ましい。
現在の円高は、日本経済の強さや健全性を反映したものでは決して無く、ドル安、ユーロ安によるものであるので何時までも続くものではない。なんらかのきっかけで利益を確保するために、国際機関投資家やヘッジファンドにより円が投げ売られる可能性がある。そうなれば1997年7月のタイ・バーツ投売りに端を発するアジア金融危機以上の日本発国際金融危機に発展するであろう。
(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その2)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その2)
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避 (その1で掲載)
 2、ギリシャは対岸の大火
 ギリシャにおいて、2009年10月に新民主主義党から全ギリシャ社会主義運動党に政権が交代し、パパンドレウ政権が成立した。しかし旧政権下では、財政赤字が国民総生産(GDP)の4%程度と発表されていたが、統計操作により抑えられていたもので、実際には13%前後に拡大していたことが発覚した。そして国家の債務残高も約3,000億ユーロ(30兆円強)、GDPの113%程度に達していた。
EU27か国中、共通通貨のユーロ圏に加盟しているのは17か国であるが、加盟条件の一つは財政赤字がGDPの3%以内ということになっており、厳しい財政規律が求められている。ギリシャは、2001年にユーロ・グループの一員として認められた。加盟当初より財政赤字の比率が3%を超えていたものの、ぎりぎりで加盟が認められたが、実際は3%台以上ではないかと疑問視されていた。それだけにギリシャの財政健全化が期待されていたが、実際には財政が悪化の一途を辿っていたことが政権交代により表面化したのである。要するに自己改革出来なかったどころか、悪化を容認して来たのである。
しかし今回は、破綻状態のギリシャ経済の救済策と引き換えに、緊縮財政が義務付けられることになったので、実施せざるを得ない。
ところがそのギリシャと財政赤字や公的債務の状況を比較すると、日本はそれどころではない。日本の財政赤字は、GDPの10%前後に達しており、公的債務は2011年度末には1,000兆円を超えると見られている。国内総生産の約2年分、200%で、毎年その10%、即ち一般歳出のほぼ全額を返済に充てたとしても20年も掛かる借金を抱え込んでいる!無論、そのベースとなる国民経済の規模や産業の競争力、1,400兆円内外に及ぶ個人金融資産の存在など、経済力が異なる。しかし、もしこの状況が将来世代に先送りされれば、日本はいずれギリシャのような財政、金融破綻の状況に追い込まれる恐れがある。ギリシャは他人事ではないのである。自らの努力で出来る内に財政の健全化を行うことが望ましい。
現在の円高は、日本経済の強さや健全性を反映したものでは決して無く、ドル安、ユーロ安によるものであるので何時までも続くものではない。なんらかのきっかけで利益を確保するために、国際機関投資家やヘッジファンドにより円が投げ売られる可能性がある。そうなれば1997年7月のタイ・バーツ投売りに端を発するアジア金融危機以上の日本発国際金融危機に発展するであろう。
(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)
 ギリシャが財政、金融破綻状態に陥り、ユーロ経済全体への波及を懸念する欧州連合(EU)は、同国政府に対し、金融支援と債権の50%削減を中心とする救済策を提示すると共に、財政緊縮策を要請した。これに対しパパンドレウ・ギリシャ首相は、緊縮財政に反発を強める国民の抗議デモを背景として、野党、及び一部与党の不信任などの動きを見て、EU救済策について国民投票に付すことを提案した。
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避
 救済策で主導的な役割を担っている独、仏両国を中心とするユーロ・グループ首脳は、折角土壇場で救済策を纏めたにも拘わらず、ギリシャで国民投票に付されれば、緊縮財政への反発から救済策が否決される可能性があることから、パパンドレウ首相の説得に努めた。もし救済策が国民投票で否決されれば、金融救済策を受けられず、ギリシャの財政、金融が破綻し、通貨ユーロに対する国際的な信用を失い、ユーロ売りが一気に加速し、それが国際的に波及して国際的な金融危機を招くことが恐れられていた。財政赤字比率などでは、アイルランド、スペイン、ポルトガルなどが高率となっており、イタリアはこれら諸国より低いが、ギリシャが破綻すれば一気に波及する恐れがある。
 11月上旬にカンヌで主要経済国首脳会議(G-20)が開催されたこともあり、議場内外で独、仏などのEU諸国首脳のみならずオバマ米大統領など関係国首脳によるパパンドレウ首相説得やギリシャ要路への説得が精力的に行われ、同首相は国民投票は行わないことを表明すると共に、同国議会における同首相不信任案を僅差ではあるが否決(300議席中の153票)することに成功し、当面の危機を回避した。これでギリシャは、EUや国際通貨基金(IMF)より金融救済を受けられるが、ギリシャはいわば管理デフォルト(債務不履行)の状態になり、公務員給与の節減や財産税等による増税などによる緊縮財政、財政の建て直しの義務が課される。しかし同国における公務員を含む緊縮財政への反発は強く、その実効性が問われている。(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)
 ギリシャが財政、金融破綻状態に陥り、ユーロ経済全体への波及を懸念する欧州連合(EU)は、同国政府に対し、金融支援と債権の50%削減を中心とする救済策を提示すると共に、財政緊縮策を要請した。これに対しパパンドレウ・ギリシャ首相は、緊縮財政に反発を強める国民の抗議デモを背景として、野党、及び一部与党の不信任などの動きを見て、EU救済策について国民投票に付すことを提案した。
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避
 救済策で主導的な役割を担っている独、仏両国を中心とするユーロ・グループ首脳は、折角土壇場で救済策を纏めたにも拘わらず、ギリシャで国民投票に付されれば、緊縮財政への反発から救済策が否決される可能性があることから、パパンドレウ首相の説得に努めた。もし救済策が国民投票で否決されれば、金融救済策を受けられず、ギリシャの財政、金融が破綻し、通貨ユーロに対する国際的な信用を失い、ユーロ売りが一気に加速し、それが国際的に波及して国際的な金融危機を招くことが恐れられていた。財政赤字比率などでは、アイルランド、スペイン、ポルトガルなどが高率となっており、イタリアはこれら諸国より低いが、ギリシャが破綻すれば一気に波及する恐れがある。
 11月上旬にカンヌで主要経済国首脳会議(G-20)が開催されたこともあり、議場内外で独、仏などのEU諸国首脳のみならずオバマ米大統領など関係国首脳によるパパンドレウ首相説得やギリシャ要路への説得が精力的に行われ、同首相は国民投票は行わないことを表明すると共に、同国議会における同首相不信任案を僅差ではあるが否決(300議席中の153票)することに成功し、当面の危機を回避した。これでギリシャは、EUや国際通貨基金(IMF)より金融救済を受けられるが、ギリシャはいわば管理デフォルト(債務不履行)の状態になり、公務員給与の節減や財産税等による増税などによる緊縮財政、財政の建て直しの義務が課される。しかし同国における公務員を含む緊縮財政への反発は強く、その実効性が問われている。(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)

2011-11-26 | Weblog
ギリシャの財政・金融破綻に学べ!―復旧・復興応援寄稿ー (その1)
 ギリシャが財政、金融破綻状態に陥り、ユーロ経済全体への波及を懸念する欧州連合(EU)は、同国政府に対し、金融支援と債権の50%削減を中心とする救済策を提示すると共に、財政緊縮策を要請した。これに対しパパンドレウ・ギリシャ首相は、緊縮財政に反発を強める国民の抗議デモを背景として、野党、及び一部与党の不信任などの動きを見て、EU救済策について国民投票に付すことを提案した。
 1、欧州連合ユーロ・グループによる当面の危機回避
 救済策で主導的な役割を担っている独、仏両国を中心とするユーロ・グループ首脳は、折角土壇場で救済策を纏めたにも拘わらず、ギリシャで国民投票に付されれば、緊縮財政への反発から救済策が否決される可能性があることから、パパンドレウ首相の説得に努めた。もし救済策が国民投票で否決されれば、金融救済策を受けられず、ギリシャの財政、金融が破綻し、通貨ユーロに対する国際的な信用を失い、ユーロ売りが一気に加速し、それが国際的に波及して国際的な金融危機を招くことが恐れられていた。財政赤字比率などでは、アイルランド、スペイン、ポルトガルなどが高率となっており、イタリアはこれら諸国より低いが、ギリシャが破綻すれば一気に波及する恐れがある。
 11月上旬にカンヌで主要経済国首脳会議(G-20)が開催されたこともあり、議場内外で独、仏などのEU諸国首脳のみならずオバマ米大統領など関係国首脳によるパパンドレウ首相説得やギリシャ要路への説得が精力的に行われ、同首相は国民投票は行わないことを表明すると共に、同国議会における同首相不信任案を僅差ではあるが否決(300議席中の153票)することに成功し、当面の危機を回避した。これでギリシャは、EUや国際通貨基金(IMF)より金融救済を受けられるが、ギリシャはいわば管理デフォルト(債務不履行)の状態になり、公務員給与の節減や財産税等による増税などによる緊縮財政、財政の建て直しの義務が課される。しかし同国における公務員を含む緊縮財政への反発は強く、その実効性が問われている。(2011.11.11.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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オリンパス問題で再注目される先駆的著書

2011-11-26 | Weblog
オリンパス問題で再注目される先駆的著書
 オリンパスの損失隠し、粉飾決算問題で、「日本の倫理融解ー心の再生を国民的プロジェクトとして取り組むべき時ー提言編」が再注目されている。
オリンパスが行っていたことが発覚した1990年代からの損失隠し、粉飾決算は、総額で千数百億円に及ぶと見られ、同社株はこれが発覚以来連日ストップ安の深刻な事態となっている。同社は、胃カメラなどの分野で国際的にもトップクラスのシェアーを持っており、技術力や製品の品質などで優良企業になっているので、それが生かされる形での対応が望まれる。
 しかしこのような経営管理は、会計規則違反であり、一般投資家や株主に損失を与える行為であり、株式市場、投資市場の信頼性を害することとなるので、迅速な適正化が望まれる。
 このようなことは今に始まったことではなく、最近でも大王製紙の会長(当時)の100億円以上の不明朗な借金問題などかある。
「日本の倫理融解(モラル メルトダウン)ー提言編」(発売元 星雲社 Tel 03-3947-1021 Fax 03-3947-1617)は、1990年前後以来の家庭、一般社会、公務員、企業など各分野での不正、犯罪の具体的な事例を挙げて、日本の各層における倫理融解(モラル メルトダウン)に警鐘を鳴らすと共に、家庭から学校、企業・組織、行政、一般社会に亘り、基本的な対応策を提言しつつ、日本全体での「心の再生」に取り組む必要性を強調している。
2007年5月の出版であるが、具体的な事例が挙げられているので説得力があると共に、これらの不正、犯罪は今日起きている不正、犯罪と類似するものであり、先駆的な考え方、提言として注目される。電子書籍(パピレス)やネットでも購入できます。
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オリンパス問題で再注目される先駆的著書

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オリンパス問題で再注目される先駆的著書
 オリンパスの損失隠し、粉飾決算問題で、「日本の倫理融解ー心の再生を国民的プロジェクトとして取り組むべき時ー提言編」が再注目されている。
オリンパスが行っていたことが発覚した1990年代からの損失隠し、粉飾決算は、総額で千数百億円に及ぶと見られ、同社株はこれが発覚以来連日ストップ安の深刻な事態となっている。同社は、胃カメラなどの分野で国際的にもトップクラスのシェアーを持っており、技術力や製品の品質などで優良企業になっているので、それが生かされる形での対応が望まれる。
 しかしこのような経営管理は、会計規則違反であり、一般投資家や株主に損失を与える行為であり、株式市場、投資市場の信頼性を害することとなるので、迅速な適正化が望まれる。
 このようなことは今に始まったことではなく、最近でも大王製紙の会長(当時)の100億円以上の不明朗な借金問題などかある。
「日本の倫理融解(モラル メルトダウン)ー提言編」(発売元 星雲社 Tel 03-3947-1021 Fax 03-3947-1617)は、1990年前後以来の家庭、一般社会、公務員、企業など各分野での不正、犯罪の具体的な事例を挙げて、日本の各層における倫理融解(モラル メルトダウン)に警鐘を鳴らすと共に、家庭から学校、企業・組織、行政、一般社会に亘り、基本的な対応策を提言しつつ、日本全体での「心の再生」に取り組む必要性を強調している。
2007年5月の出版であるが、具体的な事例が挙げられているので説得力があると共に、これらの不正、犯罪は今日起きている不正、犯罪と類似するものであり、先駆的な考え方、提言として注目される。電子書籍(パピレス)やネットでも購入できます。
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