内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

2022-06-22 | Weblog

      Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

 Over three-months long armed conflicts persist in Ukraine, and the Russian military forces seem to focus on the consolidation of the control in the two eastern provinces, namely Donetsk and Luhansk, in collaboration with the pro-Russian groups there. At the initial stage, the Russian leadership misjudged that the Ukrainian military might be unwilling to fight back against the Russian troops, keeping distance from President Zelensky, and decided to invade in Ukraine towards Kiev immediately after the air strikes on their Air Force facilities. But the Russian troops met severe resistance as they marched forward to Kiev and resulted in unforeseen damages. The Russian leadership, noticing their misjudgment based on some inaccurate information or wishful analysis, decided to withdraw the troops from the western front and shifted their attack in the eastern provinces and the southern provinces adjacent to Crimea. That would have been the initial military objectives after the expiration on 21st January, 2022, of the Minsk Truce Agreement of 2014.

During the eight-year long Truce Agreement, it was designed to settle the autonomy issue of the two eastern provinces. But such efforts failed, and President Zelensky, instead, openly expressed his intention to become a member of NATO. 

For Russian, the constant east-bound expansion of NATO has been seen as a threat. President V. Putin expressed his view at a press conference in April, 2008, on the occasion of the NATO summit that “any attempt to expand NATO to the Russian borders would be seen as a direct threat”. At that time, NATO expanded its membership from 16 to 26 after the Soviet Union, therefore the East-West Cold War, was over. Now it is embracing 30 countries with the U.S. military bases and the THAAD missiles in Romania.

  1. No justification for the Russian aggression in Ukraine

 Russian invasion in Ukraine cannot be tolerated and should be condemned. In particular, the initial Russian invasion in the western region leading to Kiev invited a strong criticism in the World, in addition to the damages inflicted on the Russian troops.

Every sovereign country has the right to defend itself against any aggression.

In support of such Ukraine’s efforts to defend itself, many NATO member countries including the U.S. and others have been sending weapons after weapons together with other civil support upon request from Ukraine. Also a wide range of economic sanctions against Russia have been imposed by many countries.

Such a support is necessary. But we should exert more wisdom than weapons. Wisdom to stop the armed conflicts and the bloodshed. And wisdom to bring about a peaceful settlement in Ukraine. Further military support, in particular,  sophisticated missiles and other weapons from the NATO countries to Ukraine seems to lower a threshold to a war in Europe. Also a wide ranging sanctions against Russia would adversely affect the World economy sooner or later like a boomerang.

 

  1. Needed recognition of the Co-Existence in the face of the differences in basic values and governing systems in the World

At a time of apparent differences in basic values and governing systems in the World seen in such cases as the Russian invasion in Ukraine and the trade issue with China, we need a practical philosophy governing the World now. There are basically 3 alternatives. Namely, 1) defeat the opponent, completely, if possible, 2) accept the domination by the opponent, or 3) co-existence with different values and governing systems.

The first two alternatives will not be accepted by the other side. The World is divided in these two cases, and a fear of a war lingers. If the World is to be one globe, therefore, Co-Existence seems to be the only realistic alternative.

Democracy is based on human equality, acceptance of diverse values and belief, and pluralism. And given the present nation-to-nation relations which are based on the territorial sovereignty with its own basic values and governing systems, Co-Existence is the realistic philosophy governing the present international relations, if a democratic method is to be applied in handling international affairs as well.

And sometime in the future, the World of Co-Prosperity may happen.

(2022.6.10. All Rights Reserved.)

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首都東京、生かされていない東日本大震災の教訓!

2022-06-20 | Weblog

首都東京、生かされていない東日本大震災の教訓!

 2021年3月11日、東日本大地震・津波災害から10年を迎えた。東京電力福島原発事故への対応を含め、政府関連予算は2020年度までの10年間で約38兆円にのぼり、また日本各地からの応援や寄付等を受け、地元の人々により懸命に復興活動がなされた結果、地区差があるものの、復興はかなりの進展を見せている。地元の方々や支援活動をされた各方面の方々のご苦労に心から感謝し、称えたい。またこの災害により、命を失った方15,899人、行方不明者2,528人となっており、心からのご冥福と行方不明者が1日も早く家族の元に返ることをお祈りしたい。

 復興は進んでいるものの、10年経っても42,685人が避難者にのぼり、当時の巨大地震と津波、そして福島原発の炉心メルトダウンなどの状況を振り返ると、改めてその被害の甚大さを痛感する。

 政府の関連行事やメデイアの報道は、どうしても追悼と被災地の復興活動の継続に焦点が当てられる。しかし大震災は、東日本だけでなく、関東でも首都直下地震や東海、近畿、四国地方では南海トラフ地震による被害が今後30年前後に発生する可能性が高いと伝えられている。日本列島を巻き込む大災害は、その他火山の噴火や異常気象による大洪水などの恐れがあるので、東日本の復興継続と共に、その他の地域、特に諸機能が集中し、人口密度の高い首都東京の震災への備えがこれで良いのかに注目しなくてはならない。

 1、教訓が未だ活かされていない首都東京

 東京を中心とする首都圏については、東日本大地震の教訓を受けて、道路・歩道の渋滞、帰宅難民などへの対策として、一時避難所や備蓄、耐震補強のほか、緊急対応のための道路規制、ハザード・マップの作成など、一定の対応が行われている。しかしこれらの措置は、多くの努力を要しているものの、東日本大地震規模の巨大災害にはほとんど無力とも予想される。

 東京には、1,300万の人々が生活し、近隣から数百万の人々が東京に往来している。また日本経済の中枢部門をはじめ、学校、文化・スポーツなど多くの民間機能が集中している。更に、国会、裁判所の中枢機能に加え、緊急時には東京都などと共にその対応に当たるべき全ての中央官庁が集中している。また国民統合の象徴として皇居があり、その安全を確保しなくてはならない。

 大災害が発生した際には、行政はこれら全ての安全を確保するために膨大な救援、救出活動を集中的、同時並行的にしなくてはならない。シュミレーションなどするまでもなく、とても手が回らないと予想される。何かを守り、何かを座視するしかない。相手は、「経験したことがない大災害」であるので、旧来の常識や既成概念では対応し切れないことを、福島原発事故を含む東日本大災害から学ぶべきであろう。

 政府による『東京一極集中解消』2020年目標は断念された。ある意味で東日本大地震の教訓の風化の象徴とも言えないだろうか。

 2、政府委員会が大規模災害に警鐘

 2014年、政府の地震調査委員会は首都直下地震が「今後30年で70%」との予測を公表している。その後この予測は繰り返し述べられる毎に発生確率は高くなっており、首都直下地震はもはや過去のものや遠い将来のものではなく、今生活している国民の生涯において起こりうる現実となっていることを示している。

 首都圏を中心としたマグニチュード7相当以上の過去の地震は、1703年の「元禄関東地震」(M8.28)と1923年の「関東大震災(大正関東地震)」(M7.9)を挟んで次のように発生している。

1703年12月   「元禄関東地震」(M8.28)

1855年11月 安政江戸地震      (M6.9)

1894年 6月 明治東京地震       (M7.0)

同年10月   東京湾付近の地震   (M6.7)

1895年 1 月茨城県南部の地震   (M7.2)

1921年12月茨城県南部の地震   (M7.0)

1922年 4月 浦賀水道付近の地震(M6.8)

1923年9月  「関東大震災」  (M7.9)

  関東地方は、東西に太平洋プレートとユーラシア・プレート、これを挟んで南北に北米大陸プレートとフィリピン海プレートがあり、元禄関東地震と関東大震災はフィリピン海プレートの境目の相模トラフで発生した大地震とされている。首都圏に関係する地震、津波の誘因としては、この他に東日本大震災に関係する日本海溝や東海地方から四国沖に伸びる南海トラフなどがある。

 関東、東海地方については火山爆発も注意を要する。

 3、政府組織・制度においてシンボリックな抜本的措置が必要

 民間組織・団体や東京都及び市区町村において、それぞれ対策を検討し備えることは不可欠であろう。それは誰のためでも無い、自分達や家族、関係者の安全、安寧のためだ。

 しかし東日本大震災レベルの直下地震等が首都圏で発生し、大型津波が発生すると、1995年1月の阪神・淡路地震を上回る被害、混乱が起こるものと予想されている。2011年3月の東日本大地震の際にも首都圏で震度6を超える揺れを経験したが、道路は車道、歩道共に渋滞し、公共交通は止まり、電話・携帯による通信は繋がらず、多数の帰宅難民が発生し、その状況は翌朝まで続いた。電気、ガス、水道などのライフラインが被害を受けていれば被害は更に拡大し、回復には更に時間を要することになる。

 最大の問題はライフラインの確保であるが、大災害に対応し、司令塔となるべき中央官庁の機能をどの程度確保出来るかである。物理的被害は予想もつかないが、災害が深夜や早朝、祝祭日に発生した場合、必要な人的資源の確保は困難で時間を要することになっても仕方が無いであろう。‘経験したことがない大災害’に遭遇し、‘経験したことがない混乱等’が起こったとしても、自然のなせること、誰も責めることは出来ない。それぞれの立場で被害に備え、耐え、命を守る努力が求められるであろう。それも相当期間に及ぶ可能性がある。

 (1)そうなると危険の分散を図ることが最も効果的となる。政府はこれまで幾度となく、東京一極集中を避けるため、中央省庁や大学の地方移転を試みてきたが、部分的な専門部局の分散に留まり、一極集中解消にはほど遠い。

 米国の他、ブラジルや豪州などのように、政治・行政機能を密集地域から切り離し、新たに政治・行政都市を造ることも考えられるが、日本にはそれにふさわしい安全な地域を確保することは難しそうだ。しかし1つの有効な選択肢ではある。

 もう1つの選択肢としては、日本独特の国民統合の象徴機能である皇居を宮内庁と共に京都など近畿地方に戻すことであろうか。天皇の象徴機能については憲法に明記され定着しており、皇居を移転しても機能自体に何ら影響しない一方、ご公務については憲法上国会の召集など10項目に限定されているので、移転は相対的に容易と見られる。更に、京都等に戻ることは歴史的に理解されやすく、また地方に新たな息吹をもたらし、地方活性化にも繋がる可能性がある。

 憲法上公務とされる10の業務については、現在では交通・運輸、通信が飛躍的に便利になっており、国会召集時など限られた折りに東京に行幸されることは可能であろう。宿泊が必要な場合には、年数回しか使用されていない迎賓館(赤坂離宮)に所要の宿泊施設をご用意するなど、対応は可能のようだ。また外国使節(各国大使等)の接受等については、京都の御所にて行うこととすれば、京都や近畿地方の歴史や文化等を外国使節に紹介する機会ともなろう。

 また考えたくはないが、もし将来首都圏がミサイル等で攻撃されると、政治・行政機能と象徴機能が同時に被害を受ける恐れがあるので、これを分離しておくことが安全保障上も意味があろう。

 無論どの選択肢にしても、現状を変更することには困難があろう。しかし、政府地震調査委員会が東京直下地震など経験したことがない大災害が現実に起こりうると考えているのであれば、これまでのような対応では不十分と見られるので、これまで実施されたこともないような措置を本気で検討、実施する必要があるのではないだろうか。

 (2)江戸城趾の活用方法については、城趾内の「江戸の自然」の保護を図りつつ、可能な範囲で復元を行い、歴史観光施設として整備し、また一部を国民の憩いの場として開放すると共に、大災害時や緊急時の避難場所となるよう整備するなどが考えられよう。特に江戸城趾には四方に門があるので、災害時、緊急時には門を開放し、四方から城趾内に避難が出来る。また緊急車両が災害時、緊急時に通行できるよう、城趾内の通路等を整備しておけば、渋滞が予想される一般道を通らずに迅速に移動できるなど、災害時、緊急時への活用も期待できる。

(2021.3.31. All Rights Reserved.)

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WION TV主催Global Summit 2022への参加

2022-06-20 | Weblog

WION TV主催Global Summit 2022への参加

 2022年5月16日にドバイで開催された“平和”をテーマとするGlobal Summit に、主催者WION TVよりパネラーとして招待され参加た。本グローバル・サミットには、米国から国土安全保障省リュート元次官他が、欧州からはアイルランド、ベラルーシからは元大臣、エストニアから同国議会外交委員長など、途上国からはアフカニスタン、ジンバブエ他が参加し、ウクライナ等からオンライン参加。

 1、冒頭、チョードリーWION TV代表より、“持続可能な平和”をメイン・テーマとして5年目となるグローバル・サミットの趣旨が説明された後、シャヒッド国連総会議長とアフマデイネジャド元イラン大統領がビデオメッセージを寄せた。シャヒッド総会議長よりは、ロシアのウクライナ侵攻という事態が生じたが、安保理における拒否権行使により機能しなくなったものの、拒否権行使の場合は総会にその理由を説明することとされたことは初めてのことであり、今後改革を進めたいなど、国連が直面する問題が報告された。またアフマデイネジャド元大統領からは、米国の価値観とルールの強要により経済制裁が課され、一方的であるなど、従来の主張が繰り返された。インドなど、アジアからの参加者の中には、米国が力を背景に価値観やルールを世界に押しつけてはいないかとの感情やロシアのウクライナ侵攻についても、支持はしないものの、米国を中心とするNATOが東西冷戦後急速に東方拡大し、緊張を作り出しているのではないかとの疑問も散見された。

 2、次いで討論セッシオンに移り、1)武力紛争に休戦の旗を、2)迫り来る細菌兵器の脅威、3)貿易戦争:長期の勝者はいない、及び4)デジタル・ウオー:世界のウエッブ安全保障のためには の4セッションが順次行われた。対面で参加した各国の発言者が各セッションに分かれ、WION TVの編集長他が司会を務める形で進められた。

 第2セッション‘迫り来る細菌兵器の脅威’で発言したところ、その模様は次のサイト(YouTube)でご覧頂けます。

WION Global Summit 2022: Covid-19 pandemic highlighted threat of biological weapons - World News (wionews.com)

また会合全体をご覧になりたい方は、wion global summit 2022を検索下さい。

 なお、WION TVは、ニューデリーを拠点とする英語TV局で、世界各国で取材、配信を行っているので、欧米のニュースが世界各国にネットワークを広げ、国際世論に影響を与えている今日、アジアの目で世界各国に情報発信するネットワークとして注目される。5月24日のクアッド(Quad)首脳会議、及びそれに伴うモデイ首相の訪日の模様もWION TVのアンカーが訪日取材し、インドのみならず世界各国に配信している。

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膨らむ企業の内部留保、求められるコロナ禍での使い道

2022-06-20 | Weblog

膨らむ企業の内部留保、求められるコロナ禍での使い道

 2021年9月1日に公表された法人企業統計(財務省)によると、企業の利益剰余金(内部留保、金融・保険業を除く)は、2020年度末時点で前年度に比べ2.%増の484兆円強となった。増加率は低下したものの、2012年度以来、9年連続で増加し、過去最高を更新している。

 利益剰余金は、総売上額から人件費や原材料費など必要経費を引き、株主への配当金や税金を差し引いたもので、企業が将来の設備投資や事務所拡大など自由に使える。業種により余剰金額は異なり、コロナ禍では、製造業やIT関連企業を中心として業績を伸ばした一方、観光関連業種や対面サービスを行う業種などは大幅減となっている。

 コロナ禍でも利益剰余金を積み上げられる企業が存在することは大変心強いところであり、その努力に敬意を払いたい。

 1、企業の利益剰余金(内部留保)の国民経済への還流が望まれる

 しかしコロナ禍で多くの企業が経営難にあえいでいる中で、日本の国民総生産(GNP)にほぼ匹敵する484兆円強もの利益剰余金を企業が抱え込んでいることが経済全体にとって適切か否かが問われる。

 一部に、内部留保積み上げはコロナ禍で設備投資を手控えたためとされるが、設備投資の手控えはそれだけで民間投資の減少、従ってそれだけ総生産(GNP)を引き下げる結果となっている。

 一定の内部留保は、将来の設備投資と安定した経営基盤を維持する上で必要である。しかし個人の貯蓄同様、好調な時期には積み上げ、停滞期には放出することが必要だろう。コロナ禍で経済停滞する現在、GNPの縮小に繋がる484兆円強にものぼる企業の内部留保のなるべく多くの額を国民経済に還流することが望まれる。

 基本的には平常時において、賃金や契約社員等への報酬、役員報酬、及び株式配当金への分配をもう少し引き上げる努力が望まれるが、今回のような緊急時においても、例えば、契約社員等の雇い止めを極力回避すると共に、報酬・賃金の引き上げ、株式配当の増加、社員研修の強化、研究開発の促進や関連下請け企業製品の価格引き上げなどの他、企業内での感染防止措置の拡充、授業員家庭支援など、企業にとっては負担となるが、内部留保を経済に還流し、経済全体の底上げ努力が望まれる。

 2、「異次元」の金融緩和は家計所得や消費増には繋がらなかった

 企業の内部留保は、阿倍自・公政権が2013年1月に発足し、「異次元」の金融緩和が開始された頃より顕著に増加している。「異次元」の金融緩和により、輸出産業や観光関連産業など一部の産業が業績を伸ばしたことを背景として、株価が上昇したため、多くの企業は株式評価益等が出たことにより、利益剰余金を積み上げて行ったと見られる。他方、このような局部的な産業の好調と内部留保の積み上げとは裏腹に、実質家計所得は減少しており、消費は低迷した。日銀は、「異次元」の金融緩和とマイナス金利を長期に継続しているが、産業への局部的効果はあるが、家計所得や個人消費の増加には繋がっていないことが明らかになった。金融政策依存の限界と言えよう。

 逆に、2008年9月のリーマンショック以来の切れ目のない恒常的な金融緩和策とゼロ金利政策が、2013年1月以来の「異次元」の更なる金融緩和とマイナス金利政策により更に助長され、金融緩和により恩恵を受ける分野とその恩恵がほとんど及ばない分野との間で著しい経済格差を生む結果となっている。

 それに追い打ちを掛けたのが、2020年1月以来の武漢発の新型コロナウイルスの国際的な感染拡大である。これが各国の航空・観光産業や飲食産業、娯楽産業とこれらを支える関連産業を直撃し、人の動きを制限し、経済社会活動を減速させた。その対策として、各国政府は、感染拡大を抑制するための検査やワクチンを含む医療体制の拡充をする一方、職や所得を失った人々などへの財政支出を拡大すると共に、無利子の融資を含む金融支援策を実施したことにより、金融緩和が加速し、経済社会の格差を更に拡大する結果となっている。

 米国のバイデン政権の下で、連邦準備理事会(FRB)が、雇用の維持促進とインフレ率を睨みながら、金利の引き上げを含め、金融緩和の抑制時期を検討しているのは、金融緩和策による副作用を除去し、金融正常化に道を開くためである。

 日本銀行も米国の金融正常化に向けての政策転換を参考にしつつ、金融緩和幅の縮小を通じた株価の沈静化を図っているようだが、それは経済の抑制に繋がる可能性がある。このような中で、企業がそれぞれの企業経営に資する形で内部留保を積極的に活用し、経済に還元することが望まれる。また政策当局としても、企業の巨額の内部留保を景気の局面に応じて誘導することが経済対策に繋がることに注目する必要があろう。(2021.9.6.)(All Rights Reserved.)

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  Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

2022-06-20 | Weblog

      Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

 Over three-months long armed conflicts persist in Ukraine, and the Russian military forces seem to focus on the consolidation of the control in the two eastern provinces, namely Donetsk and Luhansk, in collaboration with the pro-Russian groups there. At the initial stage, the Russian leadership misjudged that the Ukrainian military might be unwilling to fight back against the Russian troops, keeping distance from President Zelensky, and decided to invade in Ukraine towards Kiev immediately after the air strikes on their Air Force facilities. But the Russian troops met severe resistance as they marched forward to Kiev and resulted in unforeseen damages. The Russian leadership, noticing their misjudgment based on some inaccurate information or wishful analysis, decided to withdraw the troops from the western front and shifted their attack in the eastern provinces and the southern provinces adjacent to Crimea. That would have been the initial military objectives after the expiration on 21st January, 2022, of the Minsk Truce Agreement of 2014.

During the eight-year long Truce Agreement, it was designed to settle the autonomy issue of the two eastern provinces. But such efforts failed, and President Zelensky, instead, openly expressed his intention to become a member of NATO. 

For Russian, the constant east-bound expansion of NATO has been seen as a threat. President V. Putin expressed his view at a press conference in April, 2008, on the occasion of the NATO summit that “any attempt to expand NATO to the Russian borders would be seen as a direct threat”. At that time, NATO expanded its membership from 16 to 26 after the Soviet Union, therefore the East-West Cold War, was over. Now it is embracing 30 countries with the U.S. military bases and the THAAD missiles in Romania.

  1. No justification for the Russian aggression in Ukraine

 Russian invasion in Ukraine cannot be tolerated and should be condemned. In particular, the initial Russian invasion in the western region leading to Kiev invited a strong criticism in the World, in addition to the damages inflicted on the Russian troops.

Every sovereign country has the right to defend itself against any aggression.

In support of such Ukraine’s efforts to defend itself, many NATO member countries including the U.S. and others have been sending weapons after weapons together with other civil support upon request from Ukraine. Also a wide range of economic sanctions against Russia have been imposed by many countries.

Such a support is necessary. But we should exert more wisdom than weapons. Wisdom to stop the armed conflicts and the bloodshed. And wisdom to bring about a peaceful settlement in Ukraine. Further military support, in particular,  sophisticated missiles and other weapons from the NATO countries to Ukraine seems to lower a threshold to a war in Europe. Also a wide ranging sanctions against Russia would adversely affect the World economy sooner or later like a boomerang.

 

  1. Needed recognition of the Co-Existence in the face of the differences in basic values and governing systems in the World

At a time of apparent differences in basic values and governing systems in the World seen in such cases as the Russian invasion in Ukraine and the trade issue with China, we need a practical philosophy governing the World now. There are basically 3 alternatives. Namely, 1) defeat the opponent, completely, if possible, 2) accept the domination by the opponent, or 3) co-existence with different values and governing systems.

The first two alternatives will not be accepted by the other side. The World is divided in these two cases, and a fear of a war lingers. If the World is to be one globe, therefore, Co-Existence seems to be the only realistic alternative.

Democracy is based on human equality, acceptance of diverse values and belief, and pluralism. And given the present nation-to-nation relations which are based on the territorial sovereignty with its own basic values and governing systems, Co-Existence is the realistic philosophy governing the present international relations, if a democratic method is to be applied in handling international affairs as well.

And sometime in the future, the World of Co-Prosperity may happen.

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求められる「等級制」終身雇用形態の転換  (その2)(再掲)

2022-06-20 | Weblog

 求められる「等級制」終身雇用形態の転換  (その2)(再掲)
 総務省は、2013年2月19日、2012年の労働力調査の結果を発表し、就労者(役員を除く)の内、アルバイトや派遣、契約社員などの「非正規労働者」の割合が平均で35.2%(1,813万人)と3年連続で過去最高値を更新したと発表した。景気の回復や退職年齢の引き上げなどにより男子の比率は約20%と若干回復したものの、女子の比率は55%弱とやや悪化し、女性労働者にしわ寄せされた形となっている。 
また同省は、契約社員や派遣社員など期間が定められた期間雇用は全就労者の約26%(1,410万人)としており、期間雇用が予想以上に一般化していることが明らかになっている。そして全就労者の10%程度がパートやアルバイトなどなるが、生活スタイルの多様化は良いとしても、雇用や生活の安定性からすると課題は多い。
被雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は 2014年には37.4%に達し、若干の上下動はあるものの、その後も37%台の高水準にある。
雇用労働者の3人に1人以上が「非正規労働者」であり、例外的な雇用形態ではなくなっている。今後若干景気が回復しても景気の不安定性を勘案するとこの状態はかなり長期に継続すると予想される。従って「非正規労働者」の問題は、かなり長期に亘って日本の雇用関係の一角を形成することになる。日本の雇用慣行においては、基本的に新卒採用を出発点とした終身雇用制がなお一般的であるため、中間的な本採用は少数であることを考慮すると、ほとんどの「非正規労働者」が生涯「非正規労働者」として過ごす可能性が高いこと、及び「正規労働者」との比較で賃金はもとより、健康保険、年金などの社会福祉などの労働条件において格差が常態化する可能性があるため、「非正規労働者」の定年年齢後の年金や医療などの社会福祉費が社会福祉予算を圧迫する可能性がある。
このように雇用労働者の3人に1人以上の人達が常態化する一方、非正規就労者は、自由な生活スタイルが可能となる一方、相対的に不安定な雇用、生活環境に置かれる可能性があるので、少子高齢化時代と低位安定成長を前提とした今後の日本社会を再構築していく上で、「非正規労働者」に区分されている就労者への諸制度の整備や基本的な雇用制度のあり方が重要な課題となっていると言えよう。
 その上、環太平洋経済連携(TPP)やEU等との経済連携により物・サービスの自由化が進み、労働力交流や対日投資も増加する中で、日本の労働生産性は先進工業国中最下位の状態が続いており、今後外国企業や外国人就業者に市場機会を奪われ、日本の産業が停滞して行くことが財界自身により危惧され始めている。日本の終身雇用制とそれに付随する新卒至上主義や定年制という雇用制度は、戦後の産業保護と円安為替レートにも支えられ、産業の安定的発展には寄与してきたものの、労働生産性は低迷しており、複雑多岐に亘る規制、規則、通達や労働慣行などによる労働生産性抑制要因と共に、「非正規就労者」が全体の平均賃金レベルを下げる結果を招いているのではないかとみられる。国際的競争がますます熾烈になると予想される今日、深刻な課題となっている。
1、望まれる職種・技能・技術を基準とした職階制雇用形態の普及 (その1 で掲載)
(1)閉鎖性の強い現在の「正規雇用」形態
(2)職種・技能を基準とした職能制雇用形態への転換、普及が不可欠
(3)定年制は各種の弊害を生んでいる
 2、国家公務員等の人事制度の改善が不可欠 
 地方公務員、準公務員を含め、公務員の新規採用は基本的に新卒者を対象とし、受験資格の年齢制限を定めており、また定年までの終身雇用を前提とする「等級制」となっている。公務員の地位は法律で守られており、解雇は原則として困難であり、懲戒免職も例外的でしかない。技術職や専門職で若干の中間採用はあるが、多くはない。
 このような公務員の地位の一定の保護は、公平性、中立性が問われる公務の性格上必要であろう。しかし公務員、準公務員を含む公務員の強い閉鎖的人事制度は、私企業や私的組織なら兎も角として、社会人となってから行政に携わることを希望する国民の参加を排除する一方、どうしても内部的な組織の論理や前例などが優先し、社会の変化や新たなニーズへの対応を遅らせる要因ともなっている。
 従って公務員こそが、一括の新卒採用や年齢制限、終身雇用を前提し、年功序列に基づく「等級制」を廃止し、職種、技能・経験を基準とする「職階制」に移行することが望ましい。現在、教育においても経済社会活動においても広く人材は育っていると共に、一旦社会人となっても行政に携わってみたい国民に対し門戸を広く開けて置く、「国民参加型」行政組織とすることが望ましい。
(1) 幻に終わった「国家公務員の職階制に関する法律」
 職階制は、職種に必要な資格要件に基づき職級を定め、同一の職位や職にある者に対し同一の幅の俸給を定める制度であり、欧米諸国や国連など国際機関で広く採用されている。
 日本においても戦後検討され、人事院か職階制について立案し、国家公務員法(昭和22年10月公布)の第29条2項、4項においては、「一般職に属する官職に関する職階制」を規定し、官職の分類の原則及び職階制の実施について規定され、施行された。しかし「職階制」は、日本において旧来よりの終身雇用制に合致しないことから、職階制は凍結された(昭和27年4月人事院、規則六)。そして旧来通り等級制が実施されてきたことから、公務員人事の総理府人事局での一括管理などの改革の一環の中で、2009年4月の国家公務員法の一部改正で職階制関連規定(同法第29条から第32条)は削除されている(削除された関連条項 参考)。また地方公務員についても職階制は導入されていない。
(参考)国家公務員法から削除されていた職階制関連条項(2009年4月)
(職階制の確立) 
第29条  職階制は、法律でこれを定める。 
2  人事院は、職階制を立案し、官職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて、
分類整理しなければならない。 
3  職階制においては、同一の内容の雇用条件を有する同一の職級に属する官職に
ついては、同一の資格要件を必要とするとともに、且つ、当該官職に就いている者
に対しては、同一の幅の俸給が支給されるように、官職の分類整理がなされなけれ
ばならない。 
4  前3項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。 
5  一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第95号)第6条の規定
による職務の分類は、これを本条その他の条項に規定された計画であって、かつ、
この法律の要請するところに適合するものとみなし、その改正が人事院によつて勧
告され、国会によつて制定されるまで効力をもつものとする。 
(職階制の実施) 
第30条  職階制は、実施することができるものから、逐次これを実施する。 
2  職階制の実施につき必要な事項は、この法律に定のあるものを除いては、人事
院規則でこれを定める。 
(官職の格付) 
第31条  職階制を実施するに当たっては、人事院は、人事院規則の定めるところに
より、職階制の適用されるすべての官職をいずれかの職級に格付しなければならない。 
2  人事院は、人事院規則の定めるところにより、随時、前項に規定する格付を再
審査し、必要と認めるときは、これを改訂しなければならない。 
(職階制によらない官職の分類の禁止) 
第32条  一般職に属するすべての官職については、職階制によらない分類をすること
はできない。 
 昭和22年の国家公務員法に規定されていた「職階制」は、“公務の民主的且つ能率的な運営を促進する”ことを目的としていたものである。それが長期に亘り実施されることなく、旧来より実施されて来た新卒採用、定年までの終身雇用を基本とした「等級制」が既成事実化され、法律上容認されたことになる。無論「等級制」には、雇用者、被雇用者双方にとって雇用の安定性確保等のメリットはあるが、雇用形態の閉鎖性、硬直性は‘国民に開かれた公務’を遂行する上でデメリットも多い。
(2)国民に開かれた公務員制度を可能にする「職階制」
 雇用者は、民間であれば私企業であり団体であるが、公務員の雇用者は国民から選ばれて政権に就いた内閣や地方の首長となるが、民主制においては内閣や首長は国民の選択により変わる。従って選挙によって雇用者である内閣や首長が変わり、政策や方針、施策が変わるが、被雇用者である公務員の閉鎖性、硬直性が円滑な政策転換のブレーキや障害となる可能性がある。特に課長(室長等を含む)以上の管理職がそうである。
 政策レベルの問題以外でも、公務員の雇用形態の閉鎖性は、一旦社会人となった国民が行政に携わる道を実態的に閉ざすという弊害となっている。就労人口の35%強を占める「非正規労働者」にしても「正規労働者」にしても、一定年齢以上になると公務員になれる可能性はほとんどない。「職階制」とすれば、政権交代等に際し、政党間の政権交代にしても、与党内での首班交代にしても、新体制の政策や方針に共鳴できない公務員は他の分野や民間等に転職し易くなる。そのためにも、民間でも職階制が普及することが望まれる。逆に、公務員だけが「職階制」でも、民間で職階制が普及しない場合は、公務員が辞めたくても行き場がないので、「職階制」は維持できなくなる。恐らく、過去に公務員の職階制がいつの間にか排除されたのも、民間での「職階制」導入が進まなかったからではなかろうか。また米欧からの人材が日本の労働市場に参入しにくくするとの意図もあったのかもしれない。いずれにせよ、公務員を職種・技能に基づく「職階制」とすれば、配転はより容易かつ円滑に行われるであろう。国家公務員については日本国民であることが原則になっている。
 このような観点から、公務員の雇用体制も、政権交代をより円滑に行えるよ
う閉鎖的で硬直的な終身雇用の等級制から国民に開かれた職階制にすべく、政府が率先して実施努力をすべき時期なのであろう。
 また企業、団体も二流の就労者とも見られている「非正規雇用」形態をなくすため、また低迷する労働生産性を高め、世界の多国籍企業との競争力を回復するためにも、職階制に転換、普及することが望まれる。
(2020.1.7.)(不許無断転載)(All Rights Reserved)
 総務省は、2013年2月19日、2012年の労働力調査の結果を発表し、就労者(役員を除く)の内、アルバイトや派遣、契約社員などの「非正規労働者」の割合が平均で35.2%(1,813万人)と3年連続で過去最高値を更新したと発表した。景気の回復や退職年齢の引き上げなどにより男子の比率は約20%と若干回復したものの、女子の比率は55%弱とやや悪化し、女性労働者にしわ寄せされた形となっている。 
また同省は、契約社員や派遣社員など期間が定められた期間雇用は全就労者の約26%(1,410万人)としており、期間雇用が予想以上に一般化していることが明らかになっている。そして全就労者の10%程度がパートやアルバイトなどなるが、生活スタイルの多様化は良いとしても、雇用や生活の安定性からすると課題は多い。
被雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は 2014年には37.4%に達し、若干の上下動はあるものの、その後も37%台の高水準にある。
雇用労働者の3人に1人以上が「非正規労働者」であり、例外的な雇用形態ではなくなっている。今後若干景気が回復しても景気の不安定性を勘案するとこの状態はかなり長期に継続すると予想される。従って「非正規労働者」の問題は、かなり長期に亘って日本の雇用関係の一角を形成することになる。日本の雇用慣行においては、基本的に新卒採用を出発点とした終身雇用制がなお一般的であるため、中間的な本採用は少数であることを考慮すると、ほとんどの「非正規労働者」が生涯「非正規労働者」として過ごす可能性が高いこと、及び「正規労働者」との比較で賃金はもとより、健康保険、年金などの社会福祉などの労働条件において格差が常態化する可能性があるため、「非正規労働者」の定年年齢後の年金や医療などの社会福祉費が社会福祉予算を圧迫する可能性がある。
このように雇用労働者の3人に1人以上の人達が常態化する一方、非正規就労者は、自由な生活スタイルが可能となる一方、相対的に不安定な雇用、生活環境に置かれる可能性があるので、少子高齢化時代と低位安定成長を前提とした今後の日本社会を再構築していく上で、「非正規労働者」に区分されている就労者への諸制度の整備や基本的な雇用制度のあり方が重要な課題となっていると言えよう。
 その上、環太平洋経済連携(TPP)やEU等との経済連携により物・サービスの自由化が進み、労働力交流や対日投資も増加する中で、日本の労働生産性は先進工業国中最下位の状態が続いており、今後外国企業や外国人就業者に市場機会を奪われ、日本の産業が停滞して行くことが財界自身により危惧され始めている。日本の終身雇用制とそれに付随する新卒至上主義や定年制という雇用制度は、戦後の産業保護と円安為替レートにも支えられ、産業の安定的発展には寄与してきたものの、労働生産性は低迷しており、複雑多岐に亘る規制、規則、通達や労働慣行などによる労働生産性抑制要因と共に、「非正規就労者」が全体の平均賃金レベルを下げる結果を招いているのではないかとみられる。国際的競争がますます熾烈になると予想される今日、深刻な課題となっている。
1、望まれる職種・技能・技術を基準とした職階制雇用形態の普及 (その1 で掲載)
(1)閉鎖性の強い現在の「正規雇用」形態
(2)職種・技能を基準とした職能制雇用形態への転換、普及が不可欠
(3)定年制は各種の弊害を生んでいる
 2、国家公務員等の人事制度の改善が不可欠 
 地方公務員、準公務員を含め、公務員の新規採用は基本的に新卒者を対象とし、受験資格の年齢制限を定めており、また定年までの終身雇用を前提とする「等級制」となっている。公務員の地位は法律で守られており、解雇は原則として困難であり、懲戒免職も例外的でしかない。技術職や専門職で若干の中間採用はあるが、多くはない。
 このような公務員の地位の一定の保護は、公平性、中立性が問われる公務の性格上必要であろう。しかし公務員、準公務員を含む公務員の強い閉鎖的人事制度は、私企業や私的組織なら兎も角として、社会人となってから行政に携わることを希望する国民の参加を排除する一方、どうしても内部的な組織の論理や前例などが優先し、社会の変化や新たなニーズへの対応を遅らせる要因ともなっている。
 従って公務員こそが、一括の新卒採用や年齢制限、終身雇用を前提し、年功序列に基づく「等級制」を廃止し、職種、技能・経験を基準とする「職階制」に移行することが望ましい。現在、教育においても経済社会活動においても広く人材は育っていると共に、一旦社会人となっても行政に携わってみたい国民に対し門戸を広く開けて置く、「国民参加型」行政組織とすることが望ましい。
(1) 幻に終わった「国家公務員の職階制に関する法律」
 職階制は、職種に必要な資格要件に基づき職級を定め、同一の職位や職にある者に対し同一の幅の俸給を定める制度であり、欧米諸国や国連など国際機関で広く採用されている。
 日本においても戦後検討され、人事院か職階制について立案し、国家公務員法(昭和22年10月公布)の第29条2項、4項においては、「一般職に属する官職に関する職階制」を規定し、官職の分類の原則及び職階制の実施について規定され、施行された。しかし「職階制」は、日本において旧来よりの終身雇用制に合致しないことから、職階制は凍結された(昭和27年4月人事院、規則六)。そして旧来通り等級制が実施されてきたことから、公務員人事の総理府人事局での一括管理などの改革の一環の中で、2009年4月の国家公務員法の一部改正で職階制関連規定(同法第29条から第32条)は削除されている(削除された関連条項 参考)。また地方公務員についても職階制は導入されていない。
(参考)国家公務員法から削除されていた職階制関連条項(2009年4月)
(職階制の確立) 
第29条  職階制は、法律でこれを定める。 
2  人事院は、職階制を立案し、官職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて、
分類整理しなければならない。 
3  職階制においては、同一の内容の雇用条件を有する同一の職級に属する官職に
ついては、同一の資格要件を必要とするとともに、且つ、当該官職に就いている者
に対しては、同一の幅の俸給が支給されるように、官職の分類整理がなされなけれ
ばならない。 
4  前3項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。 
5  一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第95号)第6条の規定
による職務の分類は、これを本条その他の条項に規定された計画であって、かつ、
この法律の要請するところに適合するものとみなし、その改正が人事院によつて勧
告され、国会によつて制定されるまで効力をもつものとする。 
(職階制の実施) 
第30条  職階制は、実施することができるものから、逐次これを実施する。 
2  職階制の実施につき必要な事項は、この法律に定のあるものを除いては、人事
院規則でこれを定める。 
(官職の格付) 
第31条  職階制を実施するに当たっては、人事院は、人事院規則の定めるところに
より、職階制の適用されるすべての官職をいずれかの職級に格付しなければならない。 
2  人事院は、人事院規則の定めるところにより、随時、前項に規定する格付を再
審査し、必要と認めるときは、これを改訂しなければならない。 
(職階制によらない官職の分類の禁止) 
第32条  一般職に属するすべての官職については、職階制によらない分類をすること
はできない。 
 昭和22年の国家公務員法に規定されていた「職階制」は、“公務の民主的且つ能率的な運営を促進する”ことを目的としていたものである。それが長期に亘り実施されることなく、旧来より実施されて来た新卒採用、定年までの終身雇用を基本とした「等級制」が既成事実化され、法律上容認されたことになる。無論「等級制」には、雇用者、被雇用者双方にとって雇用の安定性確保等のメリットはあるが、雇用形態の閉鎖性、硬直性は‘国民に開かれた公務’を遂行する上でデメリットも多い。
(2)国民に開かれた公務員制度を可能にする「職階制」
 雇用者は、民間であれば私企業であり団体であるが、公務員の雇用者は国民から選ばれて政権に就いた内閣や地方の首長となるが、民主制においては内閣や首長は国民の選択により変わる。従って選挙によって雇用者である内閣や首長が変わり、政策や方針、施策が変わるが、被雇用者である公務員の閉鎖性、硬直性が円滑な政策転換のブレーキや障害となる可能性がある。特に課長(室長等を含む)以上の管理職がそうである。
 政策レベルの問題以外でも、公務員の雇用形態の閉鎖性は、一旦社会人となった国民が行政に携わる道を実態的に閉ざすという弊害となっている。就労人口の35%強を占める「非正規労働者」にしても「正規労働者」にしても、一定年齢以上になると公務員になれる可能性はほとんどない。「職階制」とすれば、政権交代等に際し、政党間の政権交代にしても、与党内での首班交代にしても、新体制の政策や方針に共鳴できない公務員は他の分野や民間等に転職し易くなる。そのためにも、民間でも職階制が普及することが望まれる。逆に、公務員だけが「職階制」でも、民間で職階制が普及しない場合は、公務員が辞めたくても行き場がないので、「職階制」は維持できなくなる。恐らく、過去に公務員の職階制がいつの間にか排除されたのも、民間での「職階制」導入が進まなかったからではなかろうか。また米欧からの人材が日本の労働市場に参入しにくくするとの意図もあったのかもしれない。いずれにせよ、公務員を職種・技能に基づく「職階制」とすれば、配転はより容易かつ円滑に行われるであろう。国家公務員については日本国民であることが原則になっている。
 このような観点から、公務員の雇用体制も、政権交代をより円滑に行えるよ
う閉鎖的で硬直的な終身雇用の等級制から国民に開かれた職階制にすべく、政府が率先して実施努力をすべき時期なのであろう。
 また企業、団体も二流の就労者とも見られている「非正規雇用」形態をなくすため、また低迷する労働生産性を高め、世界の多国籍企業との競争力を回復するためにも、職階制に転換、普及することが望まれる。
(2020.1.7.)(All Rights Reserved)

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求められる「等級制」終身雇用形態の転換 (その1)(再掲)

2022-06-20 | Weblog

 求められる「等級制」終身雇用形態の転換 (その1)(再掲)

 総務省は、2013年2月19日、2012年の労働力調査の結果を発表し、就労者(役員を除く)の内、アルバイトや派遣、契約社員などの「非正規労働者」の割合が平均で35.2%(1,813万人)と3年連続で過去最高値を更新したと発表した。景気の回復や退職年齢の引き上げなどにより男子の比率は約20%と若干回復したものの、女子の比率は55%弱とやや悪化し、女性労働者にしわ寄せされた形となっている。 
また同省は、契約社員や派遣社員など期間が定められた期間雇用は全就労者の約26%(1,410万人)としており、期間雇用が予想以上に一般化していることが明らかになっている。そして全就労者の10%程度がパートやアルバイトなどなるが、生活スタイルの多様化は良いとしても、雇用や生活の安定性からすると課題は多い。
被雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は 2014年には37.4%に達し、若干の上下動はあるものの、その後も37%台の高水準にある。
雇用労働者の3人に1人以上が「非正規労働者」であり、例外的な雇用形態ではなくなっている。今後若干景気が回復しても景気の不安定性を勘案するとこの状態はかなり長期に継続すると予想される。従って「非正規労働者」の問題は、かなり長期に亘って日本の雇用関係の一角を形成することになる。日本の雇用慣行においては、基本的に新卒採用を出発点とした終身雇用制がなお一般的であるため、中間的な本採用は少数であることを考慮すると、ほとんどの「非正規労働者」が生涯「非正規労働者」として過ごす可能性が高いこと、及び「正規労働者」との比較で賃金はもとより、健康保険、年金などの社会福祉などの労働条件において格差が常態化する可能性があるため、「非正規労働者」の定年年齢後の年金や医療などの社会福祉費が社会福祉予算を圧迫する可能性がある。
このように雇用労働者の3人に1人以上の人達が常態化する一方、非正規就労者は、自由な生活スタイルが可能となる一方、相対的に不安定な雇用、生活環境に置かれる可能性があるので、少子高齢化時代と低位安定成長を前提とした今後の日本社会を再構築していく上で、「非正規労働者」に区分されている就労者への諸制度の整備や基本的な雇用制度のあり方が重要な課題となっていると言えよう。
 その上、環太平洋経済連携(TPP)やEU等との経済連携により物・サービスの自由化が進み、労働力交流や対日投資も増加する中で、日本の労働生産性は先進工業国中最下位の状態が続いており、今後外国企業や外国人就業者に市場機会を奪われ、日本の産業が停滞して行くことが財界自身により危惧され始めている。日本の終身雇用制とそれに付随する新卒至上主義や定年制という雇用制度は、戦後の産業保護と円安為替レートにも支えられ、産業の安定的発展には寄与してきたものの、労働生産性は低迷しており、複雑多岐に亘る規制、規則、通達や労働慣行などによる労働生産性抑制要因と共に、「非正規就労者」が全体の平均賃金レベルを下げる結果を招いているのではないかとみられる。国際的競争がますます熾烈になると予想される今日、深刻な課題となっている。
1、望まれる職種・技能・技術を基準とした職階制雇用形態の普及
3人に1人以上もの就労者が「非正規雇用」になっている現在、「正規雇用」
に対し「非正規」と呼称することは多くの就労者を差別化することになり、労働市場を「正規」と「非正規」に2分することは好ましくない。これらの就労者はいずれも日本経済にとって不可欠な人材であるので、安定した労働形態として制度を整え、「正規」「不正規」の区別を無くし、労働市場に適正に位置付けて行く必要があろう。
 その解決策の1つが職種・技能・技術を基準とした職能制雇用形態への転換、普及である。
(1)閉鎖性の強い現在の「正規雇用」形態
現在日本の「正規雇用」は、多くの場合新卒者採用を原則として定年まで同じ企業、組織で就労する終身雇用の形態となっており中間採用は多くはない。
 終身雇用は、企業経営側にとっては、組織、従って経営陣への忠誠心を維持し易く、組織の安定性を確保し易いと言えよう。また中小企業など、創業家を中心とする家族経営においては家族主義的な組織管理を行い易いメリットがある。雇用されている側も定年まで定職に就けるという安定性を享受できる。しかし家族主義的な雇用形態は、新規の人材を外部から導入することを阻み、内外の経済環境やグローバルに拡大、激化する競争関係に迅速、的確に対応できず、競争力を失うなどのデメリットも多い。雇用されている側も、組織内で希望の職種や仕事に就けるのはわずかである。その上景気の後退期には人員整理が困難であるため、迅速な対応が出来ず、企業の存続を脅かすことにもなる。
 職種によっては新卒採用に拘泥する必要はなく、必要な職種、技能を補充するために中間採用を機動的に活用する方が急速に変化する内外市場へのダイナミックな対応が可能となろう。
(2)職種・技能を基準とした職能制雇用形態への転換、普及が不可欠
 職種・技能を基準とした職階制雇用においては、新卒か否かや年齢にとらわれず、職種ごとの技能や経験年数により採用することになるので、採用した人材が即戦力となる。新卒採用者を除き、研修費やリードタイムでの諸経費の節約にもなる。一方就労者側も一定期間の就労の後、より良い労働環境を求めて企業や地域を変更することが出来るので、双方にとって弾力的な雇用形態となる。「正規」「非正規」の区別も不要となる。欧米諸国で広く採用されている。
 現在就労者の35%以上を占める「非正規就労者」にとっては、たまたま学校卒業時期に不況であったため「非正規雇用」となり、日本の終身雇用制の下では今後長期にその状態が続くことになると予想される。これらの人達にチャンスを与え、より多くの人が安定した職が得られるように雇用形態を多様化、弾力化すると共に、正規の雇用形態とすることが望ましい。これは、ほとんどの就労者が健康保険や年金などの社会保険の恩恵を受けられる体制にする上でも重要である。呼称も「正規雇用」「非正規雇用」とすることは適当でなく、「一般職」「職能技術職」とすれば足りることであろう。
 無論、どのような雇用形態とするかは企業の経営管理方針、選択によるが、職種・技能を基準とした職能制雇用形態の普及により、「正規」「非正規」の区別をなくし、「一般職」と「職能技術職」に移行させることが望ましい。
(3)定年制は各種の弊害を生んでいる
正規雇用形態は、多くの場合、入口の新卒者採用と共に出口である定年制とセットになっており、その上で年功序列の体系となっているので、年齢が決定的な要因になっている。しかし長寿化により、退職後余命が顕著に長くなっており、退職後の過ごし方が大きな問題になると共に、年金財源を圧迫する主要因にもなっている。
平均寿命は、日本の戦後復興が本格化し始め、諸制度が整備し始めた1960年で男性65.3歳、女性で70.2 歳であったが、2010年には男性79.6 歳、女性86.4歳と顕著に伸びている。1960年代の定年年齢を55歳とすると、定年後余命は10年程度となる。2010年には定年が60歳として、定年後余命は19.6年と2倍に伸びており、女性についてはもっと長くなっている。従って現在、定年後の過ごし方と年金財源の不足が社会問題となるのは当然と言えよう。最大の問題は、経験や技能・技術を持ち、働く意欲がある者を、寿命が延びているにも拘らず、年齢により一律に労働市場から排除してしまう上、年金への依存を高めることであろう。長寿化を前提とすると、定年後の期間が従来よりも著しく長くなっているので、現在では「定年制度」は事実上の‘年限解雇’の制度となっているとも言える。
このような状況に対応し、現在年金支給年齢を65歳とし、その穴埋めとして60歳定年の延長や再雇用、或いは定年の撤廃が選択肢として検討されており、当面の対策としてはして良いのであるが、寿命はさらに伸びる可能性があり、定年制を維持する限りイタチごっことなり、抜本的な対策とはならない。顕著な寿命の伸長に対し、雇用制度や諸慣行、社会保障制度などへの対応が追いついていないと言えよう。基本的に年齢に過度に執着しない雇用モデルが必要になっていると言えよう。
「正規就労者」もいずれは定年となるが、職能職階制を導入すれば、一定年齢以降についても、働く意欲があり健康であれば、自らが選択する職種、技能で組織に留まることが出来るようにすることが可能となろう。定年制を維持すれば、寿命が延びたことにより定年年齢となっても働けるが職のない人口が多くなる一方、年金支給年齢を65歳に引き上げても年金給付期間は以前よりも長期間となるため、年金の財源を圧迫し続けることになる。恣意的に定められている定年が各種の社会的な障害となっていると言えよう。
女性の社会進出の促進にしても、いろいろな問題が議論されているが、終身雇用の下での年功序列的な等級制度が続く限り、現実問題としてはなかなか進まないと見られている。多くの場合、出産や子育などで、一定期間年功序列のエスカレーターから外れてしまうからだ。女性の社会進出の促進のためにも、職種・技能に基づく職階制への転換が望まれる。
 2、国家公務員等の人事制度の改善が不可欠 (その2に掲載)
(1)幻に終わった「国家公務員の職階制に関する法律」
(2)国民に開かれた公務員制度を可能にする「職階制」
(2020.1.7.)(All Rights Reserved.)

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WION TV主催Global Summit 2022への参加

2022-06-18 | Weblog

WION TV主催Global Summit 2022への参加

 2022年5月16日にドバイで開催された“平和”をテーマとするGlobal Summit に、主催者WION TVよりパネラーとして招待され参加た。本グローバル・サミットには、米国から国土安全保障省リュート元次官他が、欧州からはアイルランド、ベラルーシからは元大臣、エストニアから同国議会外交委員長など、途上国からはアフカニスタン、ジンバブエ他が参加し、ウクライナ等からオンライン参加。

 1、冒頭、チョードリーWION TV代表より、“持続可能な平和”をメイン・テーマとして5年目となるグローバル・サミットの趣旨が説明された後、シャヒッド国連総会議長とアフマデイネジャド元イラン大統領がビデオメッセージを寄せた。シャヒッド総会議長よりは、ロシアのウクライナ侵攻という事態が生じたが、安保理における拒否権行使により機能しなくなったものの、拒否権行使の場合は総会にその理由を説明することとされたことは初めてのことであり、今後改革を進めたいなど、国連が直面する問題が報告された。またアフマデイネジャド元大統領からは、米国の価値観とルールの強要により経済制裁が課され、一方的であるなど、従来の主張が繰り返された。インドなど、アジアからの参加者の中には、米国が力を背景に価値観やルールを世界に押しつけてはいないかとの感情やロシアのウクライナ侵攻についても、支持はしないものの、米国を中心とするNATOが東西冷戦後急速に東方拡大し、緊張を作り出しているのではないかとの疑問も散見された。

 2、次いで討論セッシオンに移り、1)武力紛争に休戦の旗を、2)迫り来る細菌兵器の脅威、3)貿易戦争:長期の勝者はいない、及び4)デジタル・ウオー:世界のウエッブ安全保障のためには の4セッションが順次行われた。対面で参加した各国の発言者が各セッションに分かれ、WION TVの編集長他が司会を務める形で進められた。

 第2セッション‘迫り来る細菌兵器の脅威’で発言したところ、その模様は次のサイト(YouTube)でご覧頂けます。

WION Global Summit 2022: Covid-19 pandemic highlighted threat of biological weapons - World News (wionews.com)

また会合全体をご覧になりたい方は、wion global summit 2022を検索下さい。

 なお、WION TVは、ニューデリーを拠点とする英語TV局で、世界各国で取材、配信を行っているので、欧米のニュースが世界各国にネットワークを広げ、国際世論に影響を与えている今日、アジアの目で世界各国に情報発信するネットワークとして注目される。5月24日のクアッド(Quad)首脳会議、及びそれに伴うモデイ首相の訪日の模様もWION TVのアンカーが訪日取材し、インドのみならず世界各国に配信している。

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WION TV主催Global Summit 2022への参加

2022-06-18 | Weblog

WION TV主催Global Summit 2022への参加

 2022年5月16日にドバイで開催された“平和”をテーマとするGlobal Summit に、主催者WION TVよりパネラーとして招待され参加た。本グローバル・サミットには、米国から国土安全保障省リュート元次官他が、欧州からはアイルランド、ベラルーシからは元大臣、エストニアから同国議会外交委員長など、途上国からはアフカニスタン、ジンバブエ他が参加し、ウクライナ等からオンライン参加。

 1、冒頭、チョードリーWION TV代表より、“持続可能な平和”をメイン・テーマとして5年目となるグローバル・サミットの趣旨が説明された後、シャヒッド国連総会議長とアフマデイネジャド元イラン大統領がビデオメッセージを寄せた。シャヒッド総会議長よりは、ロシアのウクライナ侵攻という事態が生じたが、安保理における拒否権行使により機能しなくなったものの、拒否権行使の場合は総会にその理由を説明することとされたことは初めてのことであり、今後改革を進めたいなど、国連が直面する問題が報告された。またアフマデイネジャド元大統領からは、米国の価値観とルールの強要により経済制裁が課され、一方的であるなど、従来の主張が繰り返された。インドなど、アジアからの参加者の中には、米国が力を背景に価値観やルールを世界に押しつけてはいないかとの感情やロシアのウクライナ侵攻についても、支持はしないものの、米国を中心とするNATOが東西冷戦後急速に東方拡大し、緊張を作り出しているのではないかとの疑問も散見された。

 2、次いで討論セッシオンに移り、1)武力紛争に休戦の旗を、2)迫り来る細菌兵器の脅威、3)貿易戦争:長期の勝者はいない、及び4)デジタル・ウオー:世界のウエッブ安全保障のためには の4セッションが順次行われた。対面で参加した各国の発言者が各セッションに分かれ、WION TVの編集長他が司会を務める形で進められた。

 第2セッション‘迫り来る細菌兵器の脅威’で発言したところ、その模様は次のサイト(YouTube)でご覧頂けます。

WION Global Summit 2022: Covid-19 pandemic highlighted threat of biological weapons - World News (wionews.com)

また会合全体をご覧になりたい方は、wion global summit 2022を検索下さい。

 なお、WION TVは、ニューデリーを拠点とする英語TV局で、世界各国で取材、配信を行っているので、欧米のニュースが世界各国にネットワークを広げ、国際世論に影響を与えている今日、アジアの目で世界各国に情報発信するネットワークとして注目される。5月24日のクアッド(Quad)首脳会議、及びそれに伴うモデイ首相の訪日の模様もWION TVのアンカーが訪日取材し、インドのみならず世界各国に配信している。

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Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

2022-06-18 | Weblog

      Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

 Over three-months long armed conflicts persist in Ukraine, and the Russian military forces seem to focus on the consolidation of the control in the two eastern provinces, namely Donetsk and Luhansk, in collaboration with the pro-Russian groups there. At the initial stage, the Russian leadership misjudged that the Ukrainian military might be unwilling to fight back against the Russian troops, keeping distance from President Zelensky, and decided to invade in Ukraine towards Kiev immediately after the air strikes on their Air Force facilities. But the Russian troops met severe resistance as they marched forward to Kiev and resulted in unforeseen damages. The Russian leadership, noticing their misjudgment based on some inaccurate information or wishful analysis, decided to withdraw the troops from the western front and shifted their attack in the eastern provinces and the southern provinces adjacent to Crimea. That would have been the initial military objectives after the expiration on 21st January, 2022, of the Minsk Truce Agreement of 2014.

During the eight-year long Truce Agreement, it was designed to settle the autonomy issue of the two eastern provinces. But such efforts failed, and President Zelensky, instead, openly expressed his intention to become a member of NATO. 

For Russian, the constant east-bound expansion of NATO has been seen as a threat. President V. Putin expressed his view at a press conference in April, 2008, on the occasion of the NATO summit that “any attempt to expand NATO to the Russian borders would be seen as a direct threat”. At that time, NATO expanded its membership from 16 to 26 after the Soviet Union, therefore the East-West Cold War, was over. Now it is embracing 30 countries with the U.S. military bases and the THAAD missiles in Romania.

  1. No justification for the Russian aggression in Ukraine

 Russian invasion in Ukraine cannot be tolerated and should be condemned. In particular, the initial Russian invasion in the western region leading to Kiev invited a strong criticism in the World, in addition to the damages inflicted on the Russian troops.

Every sovereign country has the right to defend itself against any aggression.

In support of such Ukraine’s efforts to defend itself, many NATO member countries including the U.S. and others have been sending weapons after weapons together with other civil support upon request from Ukraine. Also a wide range of economic sanctions against Russia have been imposed by many countries.

Such a support is necessary. But we should exert more wisdom than weapons. Wisdom to stop the armed conflicts and the bloodshed. And wisdom to bring about a peaceful settlement in Ukraine. Further military support, in particular,  sophisticated missiles and other weapons from the NATO countries to Ukraine seems to lower a threshold to a war in Europe. Also a wide ranging sanctions against Russia would adversely affect the World economy sooner or later like a boomerang.

 

  1. Needed recognition of the Co-Existence in the face of the differences in basic values and governing systems in the World

At a time of apparent differences in basic values and governing systems in the World seen in such cases as the Russian invasion in Ukraine and the trade issue with China, we need a practical philosophy governing the World now. There are basically 3 alternatives. Namely, 1) defeat the opponent, completely, if possible, 2) accept the domination by the opponent, or 3) co-existence with different values and governing systems.

The first two alternatives will not be accepted by the other side. The World is divided in these two cases, and a fear of a war lingers. If the World is to be one globe, therefore, Co-Existence seems to be the only realistic alternative.

Democracy is based on human equality, acceptance of diverse values and belief, and pluralism. And given the present nation-to-nation relations which are based on the territorial sovereignty with its own basic values and governing systems, Co-Existence is the realistic philosophy governing the present international relations, if a democratic method is to be applied in handling international affairs as well.

And sometime in the future, the World of Co-Prosperity may happen.

(2022.6.10. All Rights Reserved.)

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激動の時代を経て生まれたブッダの基本思想(その2) ―ブッダのルーツの真実―

2022-06-15 | Weblog

激動の時代を経て生まれたブッダの基本思想(その2)
―ブッダのルーツの真実―        2018年2月19日
 日本の国勢調査では、総人口の約74%が仏教系統。ところが一般には、ブッダが誕生した時代背景やルーツ、基本思想などについては余り知られていない。ブッダの誕生地は「北インド」と習った人が多く、未だに多くの教科書にはそのように記載。
また国際的にも、ブッダが青年期を過ごしたシャキア王国の城‘カピラヴァスツ’がインド側とネパール側にあるなど、未解明であり、不思議。ブッダ誕生の歴史的、社会的な背景やルーツを知ることは日本の文化や思想をよりよく知る上で必要。
このような観点や疑問から2011年に著書「お釈迦様のルーツの謎」(東京図書出版)を出版。また2015年、英文著書「The Mystery over Lord Buddha’s Roots」がニューデリーのNirala Publicationsから国際出版。特に英文ではブッダの基本思想やその歴史的な意味合いに注目。
Ⅰ.ブッダのルーツの真実と歴史的背景
 1、ブッダの生誕地ルンビニ(ネパール)                  (その1で掲載)
  2、城都カピラヴァスツ(シャキア部族王国―ブッダ青年期の居城)と周辺の遺跡群 (その1で掲載)

 3、もう一つのカピラバスツは何か?ーインドのピプラワとガンワリア(その2に掲載)
北インド(ウッタル・プラデッシュ州)のピプラワ(Piprahwa)村にカピラバスツとされる遺跡がある。その南東1キロほどのところに「パレス」と表示されている遺跡。
(1)ピプラワのカピラバスツーブッダの骨壷が発見された大きなストウーパ跡の周囲に煉瓦造りの建物の遺跡。僧院群。     
(2)ガンワリアの「パレス」遺跡―ピプラワの遺跡から南東に1キロほどのところに「パレス」と表示されたガンワリアの遺跡。城壁なども無い僧院作りの重厚な建物。

4、歴史の証人―決め手となる法顕と玄奘の記録 (その2に掲載)
ー>歴史的にルンビニはブッダ教の巡礼地。
中国の僧侶法顕は5世紀初頭、玄奘はその200年ほど後の7世紀にルンビニ始め、ブッダゆかりの地を訪問、それぞれ「仏国記」(「法顕伝」)、「大唐西域記」として記録。
―>6世紀以降日本に入って来た仏典等は漢字で書かれた経典や伝承。(サンスクリットが漢字の音で表記され、難解。)
(1)「法顕伝」が伝えるカピラヴァストウ
法顕は、シャキヤ族の城都「カピラヴァストウ城」の項の中で、「城の東50里に王園がある。王園の名は論民(ルンビニのこと)と言う。」と記述。
従って、カピラ城は「ルンビニの西50里」=西20~25キロ」のところになる。
 ネパールのテイラウラコット村の城址と一致。
(2)異なる記述の玄奘の「大唐西域記」
 玄奘も、コーサラ国の首都シュラバステイや僧院などを経てカピラヴァストウを訪問しており、「カピラヴァストウ国」の項で異なる記述。「城」でなくて、「国」と記述。


 Ⅱ、激動の時代を経て、相対的な安定期に生まれたブッダ思想 (その3に掲載)
インド亜大陸へのアーリアンの長期にわたる大量の人口流入とドラビダ族等との支配を巡る紛争と融合を経て、16大国時代という相対的な安定期の中でブッダは誕生。大国間の支配を巡る潜在的な対立が存在する一方、各部族地域内では人口融合が進展。インド亜大陸統一は、その後約200年を経て、マガダ国の マウリア王朝時アショカ王により実現。
このようなブッダ誕生の歴史的、社会的背景から次のようなことが読み取れる。
1、根底にバラモンの思想と先代ブッダの存在―知的文化(古代ブッダ文化)の存在
2、王子の地位を捨て悟りの道を決断した基本思想―人類平等と人類共通の課題
3、生きることに立脚した悟り
4、不殺生、非暴力の思想

5、ヨーロッパ、アジアを大陸横断的に見た思想の流れ (その4に掲載)

(All Rights Reserved.)   

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激動の時代を経て生まれたブッダの基本思想(その1)‎ ―ブッダのルーツの真実―

2022-06-15 | Weblog

‎激動の時代を経て生まれたブッダの基本思想(その1)‎
‎    ―ブッダのルーツの真実―

                          2018年2月19日‎
‎ 日本の国勢調査では、総人口の約74%が仏教系統。 ところが一般には、ブッダが誕生した時代背景やルーツ、基本思想などについては余り知られていない。 ブッダの誕生地は「北インド」と習った人が多く、未だに多くの教科書にはそのように記載。 ‎
‎また国際的にも、ブッダが青年期を過ごしたシャキア王国の城‘カピラヴァスツ’がインド側とネパール側にあるなど、未解明であり、不思議。 ブッダ誕生の歴史的、社会的な背景やルーツを知ることは日本の文化や思想をよりよく知る上で必要。 ‎
‎このような観点や疑問から2011年に著書「お釈迦様のルーツの謎」(東京図書出版)を出版。 また2015年、英文著書「The Mystery over Lord Buddha’s Roots」がニューデリーのNirala Publicationsから国際出版。 特に英文ではブッダの基本思想やその歴史的な意味合いに注目。 ‎
‎Ⅰ. ブッダのルーツの真実と歴史的背景‎
‎1、ブッダの生誕地ルンビニ(ネパール)‎
‎ ブッダは、紀元前6世紀から5世紀にかけて現在のネパール南部ルンビニでシャキア王国(釈迦族の部族王国)の王子(シッダールタ)として誕生、29歳までカピラバスツ城で生活。 ‎
‎ブッダの生誕地がルンビニとされる根拠は、アショカ王の石柱(アショカ・ピラー)の存在。 1896年12月、英国の植民地下インド北西州の考古学調査官フュラー博士は、ネパール政府の許可を得て、南部のルンビニにおいて「アショカ・ピラー」を発掘、碑文を解読。 碑文には「シャキヤの賢者ブッダがここに誕生したこと」が記載。 ‎
‎マヤデヴィ寺院遺跡は、長いこと埋められていたが、ルンビニ園は1997年にUNESCOの世界遺産に登録。 ブッダの生誕地として世界的に認識されるように。 ‎
‎ブッダの生誕地ルンビニは、カピラバスツ城の位置を特定する上で基点となるので重要。 ‎

‎2、城都カピラヴァスツ(シャキア部族王国―ブッダ青年期の居城)と周辺の遺跡群‎
‎(1)ルンビニの西約25キロのテイラウラコット村に城都カピラヴァスツとされる城址が。 ‎
‎(背景:シッダールタ王子の青年期のルーツ‎
‎ブッダが属するシャキア(釈迦)族は、北西インドを中心に勢力を広げていたコーサラ族の流れを汲んでいる。 インド北西地域には、紀元前2000年頃からアーリア人がイラン高原を経由して長い年月を掛けて流入し、人口圧力の中で先住民との抗争を続けながら南東方向に浸透した。 そして紀元前10世紀頃から先住民のトラヴィダ族等との融合が始まるが、アーリアンの支配と種族の保全の観点から、バラモン(司祭・聖職者階級)、クシャトリア(騎士・支配階級)、ヴァイシャ(農業・生産者階級)及びスードラ(従属者階級)というカースト制度が発達したと見られる。 ‎
‎紀元前6世紀頃から紀元前5世紀頃にかけては、インド北西部を中心として16大国が割拠し競い合っていたが、コーサラ国がブッダが修行に向かったマガダ国などと並んで最も有力な国の一つ。 コーサラ国は、現在のインドのウッタル・プラデッシュ州に位置。 そして時の国王が、故あって第一王妃の王子、王女に森に行き、国を作るよう指示した。 王子、王女たちは「ヒマラヤ南麓」に辿り着き、シャキア王国を築いたと言われている。 )‎

‎(2)テイラウラコットのカピラ城址の周辺に多くの遺跡。 ネパールのカピラ城址がシャキア王国の城跡であることを裏付け。 ‎
‎ⅰ)寄り添って並ぶ2つの仏塔 (トウウイン・ストウーパ)‎
‎ⅱ)歴史を刻む2つのアショカ・ピラー。 アショカ王が何度もブッダの郷里に足を運んだ証拠。 ‎
‎・ゴテイハワのアショカ・ピラー‎
‎・ニグリハワのアショカ・ピラー上部には、次の趣旨の4行の碑文が刻まれている。 ‎
‎ ピヤダシ王(アショカ王の別称)は「・・・即位[20年]を経て 国王自ら訪れ‎
‎[そして]国王は[この石柱を建立することを]指示した」)‎
‎ⅲ)シッダールタ王子、覚醒後ブッダとして父王と再会した場所クダンー4つの僧院遺跡やマウンドが。 ‎
‎ (背景:ブッダは、ラージグリハ(現在のインドのビハール州)で富豪より寄進された竹林の僧院(日本語表記 竹林精舎)からカピラバスツまで約770キロ、2ヶ月ほどの道。 )‎
‎ⅳ)サガルハワのストウーパ(仏塔)遺跡‎
‎法顕伝は、「大城の西北に数百千のストウーパがある。 」等と記述。 ‎
‎このような歴史的な遺跡の存在は、ここにシャキア王国の城都カピラバスツがあったことを如実に物語っていると共に、カピラ城址周辺には古代ブッダ文化地帯とも言える知的文化があったこと示している。 ‎


‎3、もう一つのカピラバスツは何か? ーインドのピプラワとガンワリア(その2に掲載)‎
‎4、歴史の証人―決め手となる法顕と玄奘の記録 (その2に掲載)‎

‎ Ⅱ、激動の時代を経て、相対的な安定期に生まれたブッダ思想 (その3に掲載)‎
‎インド亜大陸へのアーリアンの長期にわたる大量の人口流入とドラビダ族等との支配を巡る紛争と融合を経て、16大国時代という相対的な安定期の中でブッダは誕生。 大国間の支配を巡る潜在的な対立が存在する一方、各部族地域内では人口融合が進展。 インド亜大陸統一は、その後約200年を経て、マガダ国の マウリア王朝時アショカ王により実現。 ‎
‎このようなブッダ誕生の歴史的、社会的背景から次のようなことが読み取れる。 ‎
‎1、根底にバラモンの思想と先代ブッダの存在―知的文化(古代ブッダ文化)の存在‎
‎2、王子の地位を捨て悟りの道を決断した基本思想―人類平等と人類共通の課題‎
‎3、生きることに立脚した悟り‎
‎4、不殺生、非暴力の思想‎

‎5、ヨーロッパ、アジアを大陸横断的に見た思想の流れ (その4に掲載)‎

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首都東京、生かされていない東日本大震災の教訓!

2022-06-15 | Weblog

首都東京、生かされていない東日本大震災の教訓!

 2021年3月11日、東日本大地震・津波災害から10年を迎えた。東京電力福島原発事故への対応を含め、政府関連予算は2020年度までの10年間で約38兆円にのぼり、また日本各地からの応援や寄付等を受け、地元の人々により懸命に復興活動がなされた結果、地区差があるものの、復興はかなりの進展を見せている。地元の方々や支援活動をされた各方面の方々のご苦労に心から感謝し、称えたい。またこの災害により、命を失った方15,899人、行方不明者2,528人となっており、心からのご冥福と行方不明者が1日も早く家族の元に返ることをお祈りしたい。

 復興は進んでいるものの、10年経っても42,685人が避難者にのぼり、当時の巨大地震と津波、そして福島原発の炉心メルトダウンなどの状況を振り返ると、改めてその被害の甚大さを痛感する。

 政府の関連行事やメデイアの報道は、どうしても追悼と被災地の復興活動の継続に焦点が当てられる。しかし大震災は、東日本だけでなく、関東でも首都直下地震や東海、近畿、四国地方では南海トラフ地震による被害が今後30年前後に発生する可能性が高いと伝えられている。日本列島を巻き込む大災害は、その他火山の噴火や異常気象による大洪水などの恐れがあるので、東日本の復興継続と共に、その他の地域、特に諸機能が集中し、人口密度の高い首都東京の震災への備えがこれで良いのかに注目しなくてはならない。

 1、教訓が未だ活かされていない首都東京

 東京を中心とする首都圏については、東日本大地震の教訓を受けて、道路・歩道の渋滞、帰宅難民などへの対策として、一時避難所や備蓄、耐震補強のほか、緊急対応のための道路規制、ハザード・マップの作成など、一定の対応が行われている。しかしこれらの措置は、多くの努力を要しているものの、東日本大地震規模の巨大災害にはほとんど無力とも予想される。

 東京には、1,300万の人々が生活し、近隣から数百万の人々が東京に往来している。また日本経済の中枢部門をはじめ、学校、文化・スポーツなど多くの民間機能が集中している。更に、国会、裁判所の中枢機能に加え、緊急時には東京都などと共にその対応に当たるべき全ての中央官庁が集中している。また国民統合の象徴として皇居があり、その安全を確保しなくてはならない。

 大災害が発生した際には、行政はこれら全ての安全を確保するために膨大な救援、救出活動を集中的、同時並行的にしなくてはならない。シュミレーションなどするまでもなく、とても手が回らないと予想される。何かを守り、何かを座視するしかない。相手は、「経験したことがない大災害」であるので、旧来の常識や既成概念では対応し切れないことを、福島原発事故を含む東日本大災害から学ぶべきであろう。

 政府による『東京一極集中解消』2020年目標は断念された。ある意味で東日本大地震の教訓の風化の象徴とも言えないだろうか。

 2、政府委員会が大規模災害に警鐘

 2014年、政府の地震調査委員会は首都直下地震が「今後30年で70%」との予測を公表している。その後この予測は繰り返し述べられる毎に発生確率は高くなっており、首都直下地震はもはや過去のものや遠い将来のものではなく、今生活している国民の生涯において起こりうる現実となっていることを示している。

 首都圏を中心としたマグニチュード7相当以上の過去の地震は、1703年の「元禄関東地震」(M8.28)と1923年の「関東大震災(大正関東地震)」(M7.9)を挟んで次のように発生している。

1703年12月   「元禄関東地震」(M8.28)

1855年11月 安政江戸地震      (M6.9)

1894年 6月 明治東京地震       (M7.0)

同年10月   東京湾付近の地震   (M6.7)

1895年 1 月茨城県南部の地震   (M7.2)

1921年12月茨城県南部の地震   (M7.0)

1922年 4月 浦賀水道付近の地震(M6.8)

1923年9月  「関東大震災」  (M7.9)

  関東地方は、東西に太平洋プレートとユーラシア・プレート、これを挟んで南北に北米大陸プレートとフィリピン海プレートがあり、元禄関東地震と関東大震災はフィリピン海プレートの境目の相模トラフで発生した大地震とされている。首都圏に関係する地震、津波の誘因としては、この他に東日本大震災に関係する日本海溝や東海地方から四国沖に伸びる南海トラフなどがある。

 関東、東海地方については火山爆発も注意を要する。

 3、政府組織・制度においてシンボリックな抜本的措置が必要

 民間組織・団体や東京都及び市区町村において、それぞれ対策を検討し備えることは不可欠であろう。それは誰のためでも無い、自分達や家族、関係者の安全、安寧のためだ。

 しかし東日本大震災レベルの直下地震等が首都圏で発生し、大型津波が発生すると、1995年1月の阪神・淡路地震を上回る被害、混乱が起こるものと予想されている。2011年3月の東日本大地震の際にも首都圏で震度6を超える揺れを経験したが、道路は車道、歩道共に渋滞し、公共交通は止まり、電話・携帯による通信は繋がらず、多数の帰宅難民が発生し、その状況は翌朝まで続いた。電気、ガス、水道などのライフラインが被害を受けていれば被害は更に拡大し、回復には更に時間を要することになる。

 最大の問題はライフラインの確保であるが、大災害に対応し、司令塔となるべき中央官庁の機能をどの程度確保出来るかである。物理的被害は予想もつかないが、災害が深夜や早朝、祝祭日に発生した場合、必要な人的資源の確保は困難で時間を要することになっても仕方が無いであろう。‘経験したことがない大災害’に遭遇し、‘経験したことがない混乱等’が起こったとしても、自然のなせること、誰も責めることは出来ない。それぞれの立場で被害に備え、耐え、命を守る努力が求められるであろう。それも相当期間に及ぶ可能性がある。

 (1)そうなると危険の分散を図ることが最も効果的となる。政府はこれまで幾度となく、東京一極集中を避けるため、中央省庁や大学の地方移転を試みてきたが、部分的な専門部局の分散に留まり、一極集中解消にはほど遠い。

 米国の他、ブラジルや豪州などのように、政治・行政機能を密集地域から切り離し、新たに政治・行政都市を造ることも考えられるが、日本にはそれにふさわしい安全な地域を確保することは難しそうだ。しかし1つの有効な選択肢ではある。

 もう1つの選択肢としては、日本独特の国民統合の象徴機能である皇居を宮内庁と共に京都など近畿地方に戻すことであろうか。天皇の象徴機能については憲法に明記され定着しており、皇居を移転しても機能自体に何ら影響しない一方、ご公務については憲法上国会の召集など10項目に限定されているので、移転は相対的に容易と見られる。更に、京都等に戻ることは歴史的に理解されやすく、また地方に新たな息吹をもたらし、地方活性化にも繋がる可能性がある。

 憲法上公務とされる10の業務については、現在では交通・運輸、通信が飛躍的に便利になっており、国会召集時など限られた折りに東京に行幸されることは可能であろう。宿泊が必要な場合には、年数回しか使用されていない迎賓館(赤坂離宮)に所要の宿泊施設をご用意するなど、対応は可能のようだ。また外国使節(各国大使等)の接受等については、京都の御所にて行うこととすれば、京都や近畿地方の歴史や文化等を外国使節に紹介する機会ともなろう。

 また考えたくはないが、もし将来首都圏がミサイル等で攻撃されると、政治・行政機能と象徴機能が同時に被害を受ける恐れがあるので、これを分離しておくことが安全保障上も意味があろう。

 無論どの選択肢にしても、現状を変更することには困難があろう。しかし、政府地震調査委員会が東京直下地震など経験したことがない大災害が現実に起こりうると考えているのであれば、これまでのような対応では不十分と見られるので、これまで実施されたこともないような措置を本気で検討、実施する必要があるのではないだろうか。

 (2)江戸城趾の活用方法については、城趾内の「江戸の自然」の保護を図りつつ、可能な範囲で復元を行い、歴史観光施設として整備し、また一部を国民の憩いの場として開放すると共に、大災害時や緊急時の避難場所となるよう整備するなどが考えられよう。特に江戸城趾には四方に門があるので、災害時、緊急時には門を開放し、四方から城趾内に避難が出来る。また緊急車両が災害時、緊急時に通行できるよう、城趾内の通路等を整備しておけば、渋滞が予想される一般道を通らずに迅速に移動できるなど、災害時、緊急時への活用も期待できる。

(2021.3.31. All Rights Reserved.)

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北朝鮮は休戦状態の朝鮮戦争終結宣言を望まず?

2022-06-15 | Weblog

北朝鮮は休戦状態の朝鮮戦争終結宣言を望まず?

 北朝鮮(DPRK)は2022年に入り、1月5日(日本時間)に巡航ミサイルの発射実験を皮切りに、同月11日弾道ミサイル(極超音速ミサイルと公表)、14日弾道ミサイル、25日巡航ミサイル、及び27日短距離弾道ミサイルの発射(各2発)を行った。更に30日、中距離ミサイルとみられる発射実験(1発)を行い、ミサイル発射実験・訓練の実施をエスカレートさせている。30日の中距離ミサイルの発射実験は、2017年11月以来のものである。

 いずれも東方向に発射され日本の排他的経済水域(EEZ)の外側(公海上乃至北朝鮮、ロシア沖の水域)に落下したものと見られている。日本への直接の影響を避け、また長距離弾道ミサイルではなく、短・中距離ミサイルの発射実験であり、一定の抑制的配慮をしているものと見られる。従って日本については、それをわきまえた対応が望ましい。

しかし今回の一連のミサイル発射は「発射実験」と言うよりは「実戦配備」を前提とした周到な「ミサイル発射訓練」とも言えるものもあり、朝鮮半島を中心とする北東アジアの安全保障情勢に現実的な影響を与え、緊張を煽ると共に、国連安全保障理事会の累次の決議に反するものであるので、自制を求めたい。

 1、北朝鮮は「朝鮮戦争終結宣言」を望んでいない?!

 (1)膠着状態の北朝鮮の非核化交渉

 北朝鮮の非核化については、米国のトランプ前大統領の下で劇的な進展が期待された。しかし、2019年2月27、28日にハノイで行われた米朝首脳会談において、米国側は核施設の廃棄・査察と大陸間弾道ミサイル(ICBM)などミサイルの撤去を求め、朝鮮戦争の終結を視野に入れた全面的解決を意図していた。これに対し北朝鮮側は、一部核施設の廃棄の見返りとして国連安保理決議による経済制裁の解除、特に民生用、民需用物資への制裁解除((安保理決議2270号、2375号など5決議関連)を求め、段階的な対応を期待していた。しかし両者間の溝は埋まらず、「取り引き無し」(‘ノーデイール’)で終わり、休戦状態の終了、朝鮮戦争終結の期待も遠のき、非核化交渉は膠着状態となった。

 (2)北朝鮮は休戦状態にある朝鮮戦争の終結を望んでいない!?

2021年1月に発足したバイデン政権は、「前提条件無しの会合」を呼びかけているが、北朝鮮側は応じていない。

 このような中で、韓国の文 在寅(ムン・ジェイン)大統領は2021年9月の国連総会において、北朝鮮、米国、中国に対し韓国と共に「戦争終結宣言」に向けて措置をとることを呼びかけた。同大統領は、2022年5月の大統領任期満了までに南北間の平和プロセスの再活性化と“実質的進展”を希望するとした。

 これを受けて韓国と米国の外交当局が宣言案につき協議し、2021年12月11、12日に英国で開催されたG7外相・開発相会議に際し、鄭義溶(チョン・ウィヨン)韓国外交部長官とブリンケン国務長官との間で「朝鮮戦争終結に関する宣言案」に原則として合意した。

 本来、朝鮮戦争終結のためには、相互に敵対行為を行わないこと、境界の確定と経過措置としての緩衝地帯の設置、国連監視団駐留、北朝鮮の核兵器・ミサイルの撤去と駐留米軍の撤退、相互査察、南北交流の条件など詳細な取り決めが必要になる。しかし今回米・韓両国で原則合意された宣言案は、未だに休戦状態にある南・北間の敵対関係を終了させ、正式に朝鮮戦争を終結させ、和平のための対話を図るというシンボリックな宣言と見られる。

 この文韓国大統領の呼びかけに北朝鮮は応じておらず、「宣言案」起草作業にも参加していない。北朝鮮の金与正国務委員(キム・ヨジョン、金正恩総書記の妹)は、9月に韓国大統領の「戦争終結宣言」提案を受けて、「前提条件が整えば、対面で会い、重要な“戦争終結”を宣言することも可能だろう。そうでなければ、“戦争終結宣言”は紙切れに過ぎない。」と論評している。

 他方バイデン政権は、「前提条件を付さず、何処でも何時でも北朝鮮と会う用意がある。」旨繰り返し述べており、北朝鮮側にもその趣旨は届いているであろう。一般的には、「前提条件無しの対話」はオープンな呼びかけとして好意的に受け止められる。しかし「前提条件」が現在の、と言うよりトランプ大統領時代のハノイでの「取り引き無し」以来の米・朝関係のキーワードである。北朝鮮は、経済制裁の一部解除、特に石油を含む民生用物資への制裁解除が交渉継続の「前提条件」としている。米国が「前提条件」を付さず外交的対話に応じると表明しても、取引には応じないとの意図と受け取られてしまう。

 北京で2022年2月に開催されているオリンピックには、北朝鮮は参加しないことを中国側に正式に伝えている(2022年1月7日)。いずれにしても北朝鮮は、2021年7月から9月に開催された東京オリンピック・パラリンピックに参加しなかったため、国際オリンピック委員会(IOC)により北朝鮮オリンピック委員会の資格が1年間停止する懲戒措置(2021年9月)が課されているので、今回の北京冬期オリンピックにはいずれにしても参加出来ない。北朝鮮が中国側に不参加の正式通報したのは、中国側の面子を潰すことなく金正恩総書記を含む代表団がオリンピック期間中に訪中しないことを示唆するためであったのであろう。同時に、これにより北京における南北首脳会談の機会は消え、「戦争終結宣言」も拒否されたものと見られる。

 米・韓によりまとめられた「戦争終結宣言」は、シンボリックな宣言であっても、朝鮮半島の和平と非核化の出発点として重要な宣言と言えよう。現在の「休戦状態」が継続する限り、敵対関係は継続し、相互に挑発や核兵器やミサイル開発を含む軍拡競争は続けられることになろう。北朝鮮にとっては、「休戦状態」の継続は軍部を含む政権にとって国内引き締め、団結を維持するための都合の良い状態と言える。「戦争終結宣言」は敵対関係から和平に転換する契機となると共に、それが無ければ何時までも敵対関係に呪縛されたままになる恐れがある。

 1月に入ってからの一連のミサイル発射実験・訓練は「戦争終結宣言」を当面望んでいないとのサインと受け取れる。核、ミサイルの排除を巡る北朝鮮との関係は、新たな局面に入っていると理解すべきなのであろう。交渉再開への門戸を開き、外交努力を継続する一方、国連の場で経済制裁の強化、拡大し、それに向けての国際世論の醸成と支持国の一層の拡大努力が必要となっているのではないだろうか。また韓国には戦域高度防衛ミサイル(THAAD)が配備されているが(2017年)、圧倒的な防衛網の整備が急務と言えよう。

 

 

 

 2、北朝鮮労働党にとって「特別に重要な年」に誇示したい軍事力

 北朝鮮は、2022年には、2月16日に故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕80年、そして4月15日に故金日成(キム・イルソン)主席の生誕110年を迎え、「革命的大慶事の年」として輝かせるとしている。

 この「大慶事」に際し、今日の北朝鮮の基礎を築いた祖先の意志を継ぎ、国力を増進させたことを内外に誇示するため、長・中距離弾道ミサイルや短距離戦術兵器を含む軍事パレードを行うと見られる。1月の一連のミサイル発射実験・訓練はその前哨戦と言えそうだ。

 3、慣例となっている米韓合同軍事訓練への北の恒例の激しい反発

 米韓合同軍事訓練は、毎年春と夏に行われるのが慣例になっており、米国が未だに指揮権を持っているので軍事的には必要であろう。2019年6月30日にトランプ米大統領(当時)が板門店を訪問し、軍事境界線を挟んで北朝鮮の金正恩委員長と握手し、挨拶を交わし、北朝鮮の非核化を巡る米・朝交渉への期待感が高まって以降は、平和ムード造りのため米韓合同軍事訓練は中止或いは抑制された形で実施され、また北朝鮮は核爆発実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験が中断するなど、相互に行動を抑制していた。

 米韓合同軍事訓練は2021年には3月と8月に実施されているが、2022年3月に実施することで米韓安保協議(SCM)において合意されており、‘演習日程に変更はない’とされている。

 北朝鮮は従来より、米韓合同軍事訓練が実施される毎に激しい批判を繰り返しており、国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える激しい反応をして来ている。

 北朝鮮にとっては、隣接する韓国で米韓合同軍事訓練が行われることは、米韓両国の敵対的姿勢として国民に訴え、戦争ムードを演出し、国内引き締めのために格好の材料になっている。恐らく今回も同様の反応をするものと予想される。

 北朝鮮のミサイル等の発射実験や訓練は、米韓合同軍事訓練への対抗として実施するという口実を北朝鮮側に与えているとも言える。米韓軍事訓練については、米国が未だに指揮権を有しているので必要であろうが、頻度や期間を縮小することや、机上訓練や訓練場所を北朝鮮から可能な限り遠い場所で行うなど、刺激しない形で実施することも現実的な選択肢となろう。(2022.2.11.)

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Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

2022-06-15 | Weblog

      Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

 Over three-months long armed conflicts persist in Ukraine, and the Russian military forces seem to focus on the consolidation of the control in the two eastern provinces, namely Donetsk and Luhansk, in collaboration with the pro-Russian groups there. At the initial stage, the Russian leadership misjudged that the Ukrainian military might be unwilling to fight back against the Russian troops, keeping distance from President Zelensky, and decided to invade in Ukraine towards Kiev immediately after the air strikes on their Air Force facilities. But the Russian troops met severe resistance as they marched forward to Kiev and resulted in unforeseen damages. The Russian leadership, noticing their misjudgment based on some inaccurate information or wishful analysis, decided to withdraw the troops from the western front and shifted their attack in the eastern provinces and the southern provinces adjacent to Crimea. That would have been the initial military objectives after the expiration on 21st January, 2022, of the Minsk Truce Agreement of 2014.

During the eight-year long Truce Agreement, it was designed to settle the autonomy issue of the two eastern provinces. But such efforts failed, and President Zelensky, instead, openly expressed his intention to become a member of NATO. 

For Russian, the constant east-bound expansion of NATO has been seen as a threat. President V. Putin expressed his view at a press conference in April, 2008, on the occasion of the NATO summit that “any attempt to expand NATO to the Russian borders would be seen as a direct threat”. At that time, NATO expanded its membership from 16 to 26 after the Soviet Union, therefore the East-West Cold War, was over. Now it is embracing 30 countries with the U.S. military bases and the THAAD missiles in Romania.

  1. No justification for the Russian aggression in Ukraine

 Russian invasion in Ukraine cannot be tolerated and should be condemned. In particular, the initial Russian invasion in the western region leading to Kiev invited a strong criticism in the World, in addition to the damages inflicted on the Russian troops.

Every sovereign country has the right to defend itself against any aggression.

In support of such Ukraine’s efforts to defend itself, many NATO member countries including the U.S. and others have been sending weapons after weapons together with other civil support upon request from Ukraine. Also a wide range of economic sanctions against Russia have been imposed by many countries.

Such a support is necessary. But we should exert more wisdom than weapons. Wisdom to stop the armed conflicts and the bloodshed. And wisdom to bring about a peaceful settlement in Ukraine. Further military support, in particular,  sophisticated missiles and other weapons from the NATO countries to Ukraine seems to lower a threshold to a war in Europe. Also a wide ranging sanctions against Russia would adversely affect the World economy sooner or later like a boomerang.

 

  1. Needed recognition of the Co-Existence in the face of the differences in basic values and governing systems in the World

At a time of apparent differences in basic values and governing systems in the World seen in such cases as the Russian invasion in Ukraine and the trade issue with China, we need a practical philosophy governing the World now. There are basically 3 alternatives. Namely, 1) defeat the opponent, completely, if possible, 2) accept the domination by the opponent, or 3) co-existence with different values and governing systems.

The first two alternatives will not be accepted by the other side. The World is divided in these two cases, and a fear of a war lingers. If the World is to be one globe, therefore, Co-Existence seems to be the only realistic alternative.

Democracy is based on human equality, acceptance of diverse values and belief, and pluralism. And given the present nation-to-nation relations which are based on the territorial sovereignty with its own basic values and governing systems, Co-Existence is the realistic philosophy governing the present international relations, if a democratic method is to be applied in handling international affairs as well.

And sometime in the future, the World of Co-Prosperity may happen.

(2022.6.10. All Rights Reserved.)

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